日本人なことが初めて仕事で役に立ちそうになった(けど役に立たなかった)

わたしが働いてるMarket research agencyのクライアントは、ほぼUSとEUののライフサイエンス系企業です。日本企業のクライアントも少ないながら数社取引があり、別のチームメンバーが担当してます。
ある日系企業のクライアントから、レポートを日本語でも作って欲しいという依頼があったそうで、初めての依頼に、チームメンバーがどうしようか?と考えたところ、日本語話者である私に頼めないか?と思い立ったそうで、相談されました。That’s where I can shine…!と思い、ぜひやりますよ、とお返事。
しかし、it's outside your job description so I will ask our head. と言われ。Job descriptionにないことなので、私に頼むのは気が引けるから、チームのHeadに相談する。もしやることになったら、何時間で、レートはいくらでやってもらえる?と聞かれました。
てっきり仕事の一部としてやると思っていた私はびっくりしました。アメリカは、本当にJob descriptionに書いてあること以外は頼まないんだなあと。
同僚は、私がmarket researchを理解してる&日本語もわかると知っていたので、レポートの日本語訳を頼めたら、有り難いと思ってくれたようですが、Job descriptionに書いてあること以外を私に頼むのは気が引けていたようです。
同僚がHeadに相談してる間に、とりあえず会社のMacbookに日本語キーボードを入れる方法を検索。
しかし、結局、Headは私には本来の仕事をして欲しいとのことで、外部のFreelancerを探すことになったそうです。なのでこの話は無くなりました。

日本で働いていた頃は、研究職だったのですが、本来の仕事外のことを頼まれることもしょっちゅうあった気がします。雑用的なことも。私は結構楽しんでやるタイプだったのですが。
今回は、アメリカの徹底した分業の文化を、改めて感じました。
例えば、自分のチームが、会社の都合で不要な部署と判断された場合、Job functionの異なる他の部署へ異動させてもらうということは一切なく、レイオフされるというのが一般的に起こることだと思います。
アメリカで転職活動をするときには、そのjob functionでどれだけ経験があるか、ということが、最重要視されてます。だからこそ、学校を出たばかりの人たちの就活は本当に大変そうです。その分野で働いた経験がほとんどないから。アメリカの学生が、無給でもいいのでインターンをして実績を作れ、と言われるのは納得です。私がもし学部でアメリカに来て新卒で現地就職しようとしていたら、就活はさらに大変だったのではと想像します。
今の所、日本人であること(日本語がわかること)が仕事で役に立ったことは無いですが、日本語が仕事で役にたつかも。日本人だからポジティブな印象を持ってもらえる。とかいう甘い期待は持たない方が身のためだなと、改めて思いました。(当たり前といえば当たり前だけど)そして私は私の分野において現地の人に負けない実績を作っていくことが大事だと思いました。
先日、たまたまこの記事に出会い、とっても共感しました。10年以上前の記事なのに、わたしが思う、アメリカで生きるとはどういうことか、について100%言葉にしてくれてた感じ。

私自身も、日本人であることはポジティブに捉えられると当たり前に思っていた節がありました。日本人です(✨)と言えば、Japan is one of my bucket list!とかI love anime/sushi/ramenとか言われるので。でもそれを当たり前と思って甘えてしまうのは傲慢だな。と、改めて思わされました。
この記事にも書いてあるのですが、パーティやhang outで、日本人が複数人いて他はアメリカ人/外国人の場合、日本人同士が日本語で喋ってるのをよく見かけます。私が英語で話しかけても、日本人と分かり次第日本語で会話を続けようとされます笑。これはホントに良くない、私が苦手だなあ、と思ってしまうシチュエーションです。周りが入ってこれない壁を作ってしまうんです。日本人だけの集まりならもちろん日本語で話すのは理解できるんですが。アメリカは、いろんな地域や国から移民としてやってきた人で構成されていて、特にNYCはその構成がバラエティに富んでて、そんな人たちと繋がれる共通言語が英語です。ビザだとか、英語圏育ちじゃないとか、そんなハンデはもちろん私には悲しくなる程あるけど、アメリカ側からしたら、私が勝手に来たんだから、そんなこと知ったこっちゃない(笑)。でもそれを乗り越える気概があるなら、少なくとも、アメリカ的な社交能力と、英語でのコミュニケーション能力、自分の専門分野の知識があれば、誰にでも活躍できるチャンスがある場所。私はそれが面白いからアメリカに来たんだなって。
アメリカで生きるということは、仕事でもプライベートでも、日本人であることを忘れるということ。いろーんなバックグラウンドの人がいる中で、みんな英語という共通語で仕事して生活して、日本人であることは大きな意味をなさない。この記事はたまに読み返して、そのことを思い返したいと思いました。

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