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幸せな事業承継

先日、いつもお世話になっている中小機構様で行われた「事業承継」についての対談に参加させていただきました。その内容が、明日(2/16)の日本経済新聞の朝刊に記事広告が出る予定です。結構大きい記事の様です。
それにあたり、最近、事業承継について考えていることをちょっとまとめてみました。

私の中では、最近は「幸せな事業承継」がテーマとなっています。

それに相対するもの

「不幸な事業承継」とは?

(※私見です)

例えば、親族内承継の場合・・・
・経営者家族の仲が悪い。
・経営者家族の仲は良いが、社員は二の次で、自分達の利益のことを優先する。
・先代と後継者がそれぞれ自分の考えを押し付ける。相手の立場に立てない。思いやりがない。
・事業承継を機に複数の社員が退職する。
・社内の空気が悪い。(悪口、噂話、やる気がない)
・計画的ではなく突然に事業承継をすることになり、後継者は一度に様々なことを対応しなくてはならなく、窮地に陥る。
・相談する人がいない。
・社員が協力的でない。
・後継者または身近な応援者が数字を読むことができない。
・金融機関から心配されている。


家族の仲が悪く喧嘩ばかりなんて、それだけで不幸せ


「幸せな事業承継」とは?


・経営者家族の仲が良い。
・経営者家族は、社員も同じ家族ととらえ、公私混同せず、利益を配分する。
・社員が後継者と共に新しい企業作りに協力的
・先代と後継者が相手の気持ちを理解し、共に応援しあえる関係
・社内の風通しがよい。意見、提案が次々とでてくる風土。
・先代が、計画的に、後継者を育成することにより、後継者は社員からの信頼を得る。
・様々な面でのブレーン(応援・相談する人)が後継者の周囲に大勢いる。
・後継者が経営状況を数値的にしっかり把握でき、手を打つことができる。
・金融機関が味方に付いてくれている。

家族も社員も周囲もみんなで事業承継者を応援 幸せだな~

ざっとこんな感じでしょうか。ほかにもありますねきっと。
事業承継は国をあげての大きな課題なので、全国的にも事業承継・引継ぎセンター等が中心となって課題に取り組まれています。支援も厚くなってきています。
しかしながら、事業承継を支援することのなかに、事業の安定継続のためには「幸せな事業承継」を進めていくことが大切だと思います。

じゃあ、その為にはどうすればよいのでしょう?
私自身が次世代に事業承継をしていく立場ですので、具体的に考えていることを話します。

「幸せな事業承継」を実現するには?

私は、会社に理念が必要なように、経営者家族にも理念が必要だと思ってきました。それをオール家族で作りたいと・・・でも、社員は企業理念を一緒に作ってくれましたが、家族はそう簡単にはいきません。
「家訓みたいなのを作りたいなぁって思ってるんだけど・・・」と娘に話しても「なにそれ?」「なんか怖いね。」と言われてしまいました。
「家訓」という言葉がよくなかったかもなぁ。やはり、家族だからこそ難しいんだな。と最初から挫けそうになっていた時に「承継学」というものがあるということを聞きました。それを親子で学んでいると!
家族で「ファミリー憲章」を作っていくという学びだということで、これは運命だ!と思って、すぐにお話を聞きました。
(ウソでも大袈裟でもなく私が引き寄せた運だと思いました。)

家族みーんな幸せでなければ、本当に幸せな事業承継はできないと・・・・
どこかで犠牲を払わせたり、押し付けたり、我慢させたり、無理をさせたり、することなく、気持ちよい関係で、夢にむかって同じ方向をみていく家族の事業承継を目指していこうということが幸せな事業承継だと教えてもらいました。
そのためにはファミリー憲章が必要で、その作成を目指して伴奏支援をしてくださると。
確かに、家族はどんどん増えていきますし、「阿吽の呼吸でわかるはず」なんて通じるわけないですよね。

エピソード:この時、やっと気が付いたんです。娘に無理をさせてきたことに!

私の長女は11年前から当社に入社し、今では、私の片腕として頑張ってきてくれています。入社当時、私もまだまだ駆け出しの経営者だったため、様々な壁にぶつかっていました。そんな中、長女が入社の運びになり、彼女のためにも、単なる「娘」だから甘い考えで入社させたわけではないことを社員にもわかってほしくて、娘を受け入れてほしくて、娘にお達しを下したのです。

「他の社員よりもあえて厳しくするよ。それはあなたのためだからね。」

たぶん、そんなことを言ったと思います。そして、給与も最低から始めました。基本給16万円 今考えたら本当にかわいそうでした。でも娘は休むこともなく一生懸命に頑張ってくれました。時々、あえて、社員の前で叱ることもありました。裏の部屋で泣いていることもありましたが、私に似て、負けん気が強いところがあり、逆らいながらも必死にがんばってくれました。
この育て方が正しいとは思ってはいなかったのですが、厳しい男社会のモノづくり業の中で頑張れるように、彼女を強く、大きく成長させるために、あえて厳しくしてきました。

これが間違いだったということに気が付きました。


帽子のかぶり分けが大切

親子で一緒の事業に携わる時、「ファミリーの帽子」と「ビジネスの帽子」をちゃんと分けてかぶることが大切。お互いにかぶり間違えてはいけないということを教えていただきました。
それで私はやっと気が付きました。会社でこの二つの帽子を同時に両方重ねてかぶったまま、娘に対応していたことに・・・
これでは娘は混同しますし、どう対応したらよいかわからなかったはず。

実は、私は、長女が入社したことで、とても大きな安心感を得ることができました。それは家族だからです。
なのに、私は彼女が他の社員からどう見られるかということを気にして、公私混同をしないように努めました。娘は入社当初はまだ20歳。
私がうまく帽子をかぶりわけていれば、我慢をさせることなく、安心して、もっと彼女のよさを発揮し、自由な発想で成長できたかもと反省しています。
でも、娘はそんな中でも成長しました。すごいな~ってまぶしく見ています。これからはさらに成長することでしょう。

親子で参加した承継学の合宿

この合宿に参加して親子で様々な気づきをもらい、涙涙で終わりました。
この合宿での1番の収穫は、「ななめの関係」の対話での気づき。娘や息子が他の参加者である社長に、本音で話をして、あたたかく激励していただいている姿。私は話には入っていませんが、その姿を横目で見ていただけで感動しっぱなしだったんです。
これについては、以前、私のSNSの方でアップしましたので、その記事をご覧ください。

【親子で学ぶ承継学】名古屋合宿に参加してきました。 自分が求めていたことをいとも簡単に飛び超えた学びの2日間。 子どもたちには、あまり説明する間もなく、「とにかく一緒に勉強しよっ!」てなノリだけで参加してもらったのですが、最後には子どもたち...

Posted by 山崎 かおり on Sunday, October 1, 2023


私が出会うことができた
非営利型株式会社Daidaiさんたちが開催されているセミナーのチラシはこちら👇
https://shoukeigaku.com/data/shokeigaku-A4_1018-2.pdf

『幸せな家族が幸せな事業承継を実現できる。そして、幸せな事業承継が幸せな社員と会社を作る。』


事業承継は経営者にとって重要な経営の要素ですよね。
だから、幸せな事業承継ができたらよいですよね?
私は、そのために、ファミリー憲章を家族みんなで作りたいなぁって思っています。
子どもたちと、その配偶者も、孫も一緒に考えていけたらいいなぁ。
実現できるかしら?

私の夢はファミリーでの合宿(憲章を温め、深める会)を年1回開催して、美味しいものをみんなで食べながら、みんなが喜んで参加してくれるようになっていったらいいなぁと思っています。


山崎製作所HPはこちら


三代目板金屋(KANZASHI)オンラインショップはこちら


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