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牡牛座5度「主なき墓」

2018年4月24日14時37分、トランジット太陽が牡牛座数え5度へ入ります。牡牛座数え5度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに縮めると「主(あるじ)なき墓」

「♉5主なき墓」の原文チェック。黒字の1925年ジョーンズ版も青字の1975年ルディア版も同じ文言で「A widow at an open grave 開いた墓の前にいる未亡人」

「開いた墓の前の未亡人」、詞文には明示されていないけれど、開いたお墓の中は空っぽです。別に未亡人が遺体とご対面しているわけではない。お墓に入れて蓋を閉めたのにまた開いている。でも中にあるはずの遺体がない。未亡人びっくり。そういう場面です。

「開いた墓の前の未亡人」を縮めるとなぜ「主なき墓」になるのか。明示されてはいないのに、なぜ「お墓は空っぽ」がわかるのか。「開いた墓」があって「夫を亡くした女」がいたら、キリスト教文化圏のひとには鉄板のお約束でわかっちゃうからです。これはイエス復活の場面。

マタイによる福音書なら第28章。マルコによる福音書なら第16章、ルカによる福音書だと第24章、ヨハネによる福音書だと第20章が「イエス復活」場面。聖書持ってなくても福音書名と章で検索すれば読めます。大筋はみな同じだけど細部がそれぞれ違うので読み比べてみて。

福音書によって細部は違うけど、共通している大筋がある。イエスが処刑されたあと、十字架から降ろされて岩を穿ったお墓に入れられた。お墓の口は丸い岩を転がして塞がれた。これ、別に特殊なものではなくて当時の一般的お墓。grave cave (直訳すれば墓洞窟)でGoogle画像検索すると出てくるから見てみてね。

天然の洞穴か、岩を掘り抜いた穴に遺体を入れて丸い岩…球状ではなくて円盤状の岩をゴロゴローっとスライドさせて蓋をするのね。なぜなら新しく誰かが死んだら、またゴロゴローっと開けてここへ入れるから。この丸い岩は結構重たい。女性がゴロゴロするのはきつい重さ。

そのお墓へマグダラのマリアともうひとりのマリア(マリアだらけ)が香油を持ってやってきた。お墓に入れられたイエスの亡骸に香油を塗ってお弔いをするために。このマグダラのマリアさんが「未亡人」。愛する男に先立たれてしまった女(そういう仲だったと言われています)。

ところがお墓へ着いてみると、例の女手では動かせないような丸い岩の蓋が脇へ転がしてあり、あるはずの亡骸が見当たらない。天使的な何かが現れて「彼はここにはいないよ。よみがえってあっちへ行ったよ」と告げられる。マリアたちは仰天する。

「わたしのーおはかのーまーえでーなーかなーいでーくーださいー」という場面。そこに夫はいません。眠ってなんかいません。夫に先立たれた妻びっくり。開けたら空っぽ。あると思っていた亡骸がない。びっくりだけども…がっかりだろうか?夫がよみがえったのはがっかりかな?

もしも予想どおりそこに亡骸があったなら。香油を塗りながら「ああ……このひとは死んじゃったんだなあ…スシクシク……」となっていた。まあでも「亡骸なんかないよ!よみがえって出ていっちゃったよ!」と告げられてその場で「わーい!」とは反応できないよね……まず腰抜かすよね……

そんな「♉5主なき墓」の番地チェック。牡牛座前半(往路)の、第1グループ(はじめ)の、第5度数。5度組の第5度数は第3と第4度数の間に生まれたこども。第3度数は第1と第2度数のこども。つまり第5度数は第1第2の孫。1-2-3-4全員の血を引く3代目。磯野家で言ったらタラオ。

「♉1山の清流」は波平、ひたすら山肌を駆け下る澄んだ水。「♉2稲妻走る」がフネ、電位の高きから低きへ激しく放たれる電流。「♉3豊かな草地」はサザエ、足は乳と蜜を生む肥沃な牧草地へ向かう。「♉4虹の麓の宝」はマスオ、黄金伝説は夢物語だが、信じる者を未来へ誘う。

「♉3豊かな草地」サザエと「♉4虹の麓の宝」マスオの間に「♉5主なき墓」タラオが誕生。「♉4虹の麓の宝(黄金があるんだってよ!)」で夢を追ったあとに「♉5主なき墓(来てみたら空っぽ!)」が来たからって「だからお宝伝説なんか嘘っぱちだ」という展開「ではない」よ。

だって「お墓におさまっている(筈の)夫の亡骸」は「先立たれた未亡人が手に入れたかった夢のお宝」ではないもの。未亡人(マグダラのマリア)は夫(イエス)に生きていてほしかったけれど殺されてしまったので泣く泣くお弔いをしに来たのだから。

妻にとって、夫の亡骸は失いたくない大切な宝ではある。生前の彼を愛していたからこそ。もはや亡骸しか残されていないからせめて大切に弔おうと香油を持ってきた。その亡骸がなくなっていたらびっくりする。あのひとの体をどこへやったの? でも復活したなら話は全然違ってくる。

同じ「虹の彼方に」ではあっても「♉4虹の麓の宝」→「♉5主なき墓」は「オズの大魔法使に会いに来てみたら唯の詐欺オッサンだった」という筋書ではない。「彼ピ復活したよ」と新情報をブッこまれ「マ? どこへ行けばまた会える?」という急展開が「♉5主なき墓」

「あなたが消えたそのときから探し続ける旅が始まった」ってこれセーラームーン・セーラースターズの主題歌だけど。あれは牡牛座数え5度のテーマソングにしても違和感ないと思うので、ここにネイタル天体持ちの各位はよろしければ歌ってください。

個人的牡牛座5度ソング、「セーラースターソング」震える胸にはあの日の秘密のキス どんなにつらいさだめでも 追い続けるから――

あたしたちの旅はまだ終わらないらしいわね、行こう! おー! な展開なんですよ「♉5主なき墓」。

「♈5次へ行こう」を思い出して。牡羊座のチュートリアルが終わり、♈1-2-3-4のエッセンスを引っ提げてネクストステージへ飛び立とうとしていた。「♉5主なき墓」も同じ。牡牛座のチュートリアルはここで終わり。♉1-2-3-4のエッセンスを引っ提げてネクストステージへ飛び立つ。

「♉1山の清流」重力に従いひたすらに下へ。「♉2稲妻走る」電気を放ちきるまで止まらない。「♉3豊かな草地」そこにある豊かさへ惹かれ。「♉4虹の麓の宝」まだ見ぬ豊かさへ誘われる。それら全てを抱えて「♉5主なき墓」あのひとは生きている、どこへ行けばまた会える?

牡牛座だって旅をする。牡牛座の物語はまだ始まったばかり。あのひとはここにはいない あのひとは生きている あのひとを追いかけよう たとえどこへ行こうとも どんな深い海にも どんな高い山にも 負けはしない。

生まれたときのホロスコープで「♉5主なき墓」はどのハウスにある?今日の太陽はそこを照らす。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう。

「○○○○を(五音・ハウス) 抱きしめながら(牡牛座) 生きていく(太陽) 希望は死なず主(あるじ)なき墓(♉5)」

#サビアンシンボル物語

おひまがあったら「天使にラブソングを…」のマグダラのマリアソング My God(My Guy) と映画締めくくりのI will follow Him(大文字の Him だからそこらの彼ピではなく「神様(の子)」です)の歌詞検索してみてね。He is my destiny.「デスティニー」には「運命」と「旅の目的地」、ふたつの意味があるよ。「私は何を求めて進むのか」という意味では「運命」と「目的地」とは同じもの。

開いた墓の未亡人が「開けてがっかり、やっぱ宝なんて夢物語だわ」というシンボルではないことは福音書の物語を知ればわかる。ラブソングを聴いてみればわかる。お墓が空っぽだったから物語はまだ続くんだよ。彼がよみがえったから、びっくりだけどがっかりじゃない。

【♉️5主なき墓 をより深く理解するための比較対象シンボルリスト】
♊5急進的雑誌(となりのサイン)
♋5蟷螂の斧(60度)
♌5不動如山(90度)
♍5草木もまた友(120度)
♏5動じない(180度)
♑5いざ出陣(120度)
♒5子孫応援し隊(90度)
♓5慈善バザー(60度)

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