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西洋占星術、お金をかけずに独学できるかな

「西洋占星術をお金をかけずに独学したいのですが?」という話題について当番が2019年に語った長い長いツリーのログ。

【2019年11月20日】
「占いの勉強をお金をかけず独学でしたいのですが?」か。色々と思うところはあるけれど、2019年11月20日現在の当番だったら以下のようにお答えする。

「時間かかりますよ?(※満面の笑顔で)」

時間が無限にかかってもいいのなら、この当番さんのように占い歴が無駄に30年もあって何のプロでもなく一介のアマチュアで構わないなら、「お金かけず独学でしたい」不可能じゃないですよぉ(ゆーて当番さんレベルでもそれなりに書籍代かかってますがな……)。

お金かけず独学で、しかも時間もかけたくないと言われたら「お金と時間のどちらもかけずに独学できる確実な方法があったら当番が知りたいですよ」って言います。

まあ真面目に考えると「占いを学ぶ目的」と「独学でやりたい理由」をよくよく聞き取り調査してからお答えしたい案件ですね(※)。

(※2023年現在であれば、追加で「これ聞き取り調査までして相手の状況に合わせて無料で答えていいような質問だろうか?」も思案する当番です。タイムイズマネーなので)

「占いを学ぶ目的」が「鑑定をしてお金を稼ぐ」だったら当番は「養成講座行った方がいいですよ」と言うし、「鑑定したいわけではなく個人的趣味として」なら「時間かかってもOKなら独学でのんびりやっていくのもいいのでは」と答える。

あと「なぜ独学志望なのか」ね。「地方住まい/育児/介護/体力等の理由で講座に行けない」と「物理的な障壁はないが、講座へ行くのに抵抗がある」と「講座の受講料が賄えない」では対応が全部変わってくるので。

「お金をかけずに独学で占いを学びたい」は、「お金をかけずに独学で外国語を学びたい」にちょっと似てるかな。まあ外国語学習だったら昔よりはだいぶお安く独学できるようにはなったよね。外国語話者の友達を作って教えあうとか、色んなアプリとかサイトとか無料動画とかさ。

占いについても、ネットに無料サイトとかプロの先生がたみずからのブログとかYouTube動画とか色々まあ、ねえ、お金あまりかからない情報源は、あるにはあるよ。占い学習者同士で情報交換するとかも、まああるにはある。

「お金をかけずに独学で○○を学びたい」○○の中には占いだとか、外国語だとか、絵だとか、楽器演奏だとかが入る。まあ不可能だとは言わない。人によっては可能。占いも、外国語も、絵も、楽器も、お金をかけずに独学で身につける人は存在する。ただ、そういう人達の自主練の量はハンパないよ。

当番はプロの鑑定家じゃないから、プロの鑑定家になる方法を教えることができない。当番に「(プロになるために)お金をかけずに独学で占いを学ぶ方法」を質問する人がいたら、それは質問する先をお間違えである。プロになるためにはどうすればいいのかは、プロに聞こう。答えてくれるかは知らんけど(特に無料で答えがほしい場合)。

当番さん、占いの勉強代をあまり払わないで来た方だと思うよ? 開始年齢が若すぎて(※14歳。1980年代後半)、居住地が田舎すぎて、講座なんかなくて、インターネットも10代の頃にはなくて、本を頼りに独学だったから今どきの占い学習者よりは確実にお金かかってない。ないが、書籍代は考えたくない程度には費やしたよ……。

あと時間。本読む時間とブログに書く時間。ツイートする時間。書くネタを考える時間。無限にかかるよ時間。溶けるよ時間。他のことする時間を圧迫する。圧迫するっていうか、他のことする時間を放り出して占いのこと読んだり占いのこと書いたり占いのこと考えたりするのに使う。っていうか使っちゃう。

隙あらば絵を描いちゃう人。暇さえあればピアノを弾く人。描けない弾けないときでも絵やピアノのことで頭が一杯の人。まあ当番をそういう人達と並べるのも気が引けるけれど、暇さえあれば占いのことを考え、本や記事を探し回って読み、占いのことを書きまくる、それができるか? したいか? ってことなの。

「本が欲しい、情報が欲しい、講座へ行きたい。でもお金が足りない」は当番も痛いほどわかるのだ。当番もお金が潤沢にある方ではないからな。お金がたくさんあったらあの本も買えるしこの講座にだって行けるのになといつも思う。どうしても欲しくて/行きたくてお財布をはたいてしまうこともある。

「欲しい/行きたい」が強ければ、結局お財布を開いてしまう。「読みたい/書きたい/考えたい/やりたい」が強ければ、結局夜中の4時まで読んだり書いたり考えたりしてしまう。当番はそういう人間なのでコスパ重視勢には参考にならないかもしれないね。「やりたい」はそもそもコスパ悪いものなんですよ。

占いの講座へ(それほど)行かないでも、占いの本を(それほど)買わなくても、すっごく勉強になる方法なら当番ひとつだけ知ってるけれど。人に勧めても何人が実際やってくれるか、やり通せるかと思うと当番とてもお勧めできない。ブログ作って1年間、毎日占いの記事を書くって方法なんだけど。

占いについてフワフワした思いつきを毎日書けということではないよ。「自分が占いについて誰かに教える、説明するというテイで占い記事を書き続ける」ってことをやるの。毎日がキツければ毎週。毎週がキツければ毎月。必ず締切を決めて定期的に書いて出す。すんごい効く。すんごい脳味噌使うし時間が溶ける。

まだ初学者なら初学者なりに、中級者なら中級者なりに、手持ちの情報手持ちの知識で書けるだけ書いて掲載してみる。ネットの向こうにいるはずの読者に向かって書く。石井ゆかりさん(西洋占星術独学者の星)がブログ「筋トレ」でそうしたように、書いて、書いて、書いて、書く。書くために読み、考える。

できる人は存在する。ただし全員ができるわけではない。やり遂げる人は少ない。だから簡単にはおすすめできないんだけれど。

あとさ。「占いの勉強をお金をかけず独学でしたいのですが?」に対するお答えとしては「してみたらいいのではないでしょうか?」という方面のお答えもあると当番思いますのよね。したいのですが? したいのですね。してみればよろしい。それで足りるか足りないか、1年間くらいし続けてみればわかるよ。

「占いの勉強をお金をかけず独学でしたいのですが?」が「したいのですがどうしたらいいでしょうか?」という意味ならば、当番は最初に言った通り「当番はそれをやりましたが30年かかりましたよ?」と言う。

もし当番がお金をかけて講座へ行きプロになった人間だったなら「当番はお金をかけて講座行ってプロになった人間で、それ以外の方法は経験がないので独学志望へのアドバイスができません。実際お金かけずに独学した人に聞く方がよろしいです」とお答えする。

本は図書館か古書で安く入手して、占いについて検索しまくって、講座行かずに極力お金をかけずに。無料ブログサービス借りて定期的にアウトプットして。SNSで勉強仲間作って。それでとりあえず1年間やってみればいいんじゃない?それで足りると思うなら続ければいいし、足りないなと思ったら課金開始で。

ゆうべの「占いの勉強をお金をかけずに独学でしたい(なお質問者はプロ志望)」、まだグルグルしている。やはり「やってみればいいんじゃないかな1年くらい」と思う。資料にお金かけるだけの価値とか講座にお金かけるだけの価値とかがまだ実感できないわけでしょ? 実感するまで独学してみるといいよ。

「うわ、これだけじゃ足りねえー!○○の知識が欲しい!」「うわ、自力ではここまでしかわからねえー!誰かに習いてぇー!」と切実に思えるまで、ひとりでやってみたらいいんじゃないかな。必要性を感じたときにバンと出せるように、お金貯めながらさ。そこまで独習したことは無駄にはならないからさ。

当番は独学を否定しません。当番自身がずっと講座へ行かず30年間野良していた独学者ですもの。だけどプロ養成講座を集中的に受講しみっちり鍛えられた人が1年あるいは2年で当番の30年をヒョイと追い抜いていくことも知っています。行ける時間とお金と立地があるなら、行くのが結局は早道です。

独学でやりたいなら今すぐその独学を始めて、どんどん独学して、早いうちに独学の壁にぶち当たった方がいいと当番思います。どの段階でぶち当たるかは、当人の地頭の良さとかその他諸々の条件によって変わる。予備校へ行かなくても大学合格する子はいるけど、その子元々めちゃ頭いい上に自主勉大好き、みたいなものです。

独学、自主練まったく否定せんですよ当番は。独学の壁にぶち当たって自分の力不足を感じて、切実に知識や師や学友を欲してから課金を考えたっていいと思いますよ。その壁にぶち当たるところまで行けていないから、課金してでもこの壁の向こうへ行きたいと思ったことがないから、価値を感じないのでしょ。

途中から課金勢あるいは重課金勢に切り替えるにしても、それまで無課金でやってきた蓄積自体は無駄にならないから。初心者向けの本や講座を飛ばして中難易度の本や講座からスタートできるみたいなメリットなら独学の民にもあるから。

ただ、本や講座へお金をかけてプロになった人や、そもそも本を出したり講座を開いたりしてお金を稼いでいるプロに「お金をかけずに独学でプロになりたい」と言っても色よい返事は来ないです。学校に通って資格取った人や学校の先生してる人に「学校へ通わずに資格を取りたい」と言うようなもんだよ!

訊く相手を完全に間違えている。重課金の民に「なるべく無課金でマップを回りつつレベル上げする方法」を訊くようなもんだよ! 同じ無課金でレベル高い民か、微課金でレベル高い民に訊くべきだよ! でもそういうつわものは可処分時間がすごく多かったりして結局真似できないやり方の場合が多いよ!

あなたが人生で最も課金した沼を思い浮かべてください。懐は痛むけれど課金しただけの実りや喜びのあったあの沼です。ある人が来て「あなたが得たのと同じものをお金をかけずに手に入れたい」と言いました。あなたは思わず「今何て?」と聞き返しました。そういう話です。

あるいは。あなたはゲームアプリを作っています。無課金でも遊べます。でも、課金プレイヤーのアイテム購入が収益の柱です。課金してよかったと思ってもらえるようアイテムやイベントを工夫しています。そこへ誰かが来て「無課金でお得にクリアしたいんです」と言いました。

返答に困ります。説明に困ります。本や講座にお金をかけてプロになった占い師や、本を書き講座を開いてお金を稼ぐプロの占い師が「占いの勉強をお金をかけずに独学でしたいのですが」と訊かれて(´ ・ω・`)となるのは、そういうことです。返答に困ります。そういうことはねー、同じ無課金独学者を探してこっそり訊こう。

見つかればだけど>無課金独学者。あるいは微課金独学者。無課金独学あるいは微課金独学で、大丈夫だよープロになれるよー(´∇`)と言う人がいたら、その人自身がプロになれているかどうか、その人が本当に無課金あるいは微課金の独学のみでプロになったかどうか、よくよく裏を取ってください。

当番さんは口が裂けても「大丈夫、無課金独学でもプロになれるよ」なんて言えませんよ?第一に当番はプロになれていない。第二に当番はアマチュアにもかかわらず本に中課金(重課金まではいかない)している。第三に当番は講座もやっている(プロ養成用ではないけれど)。

あと、重課金勢の「それほど課金してない/それほど課金は必要ない」は信用しちゃいけない。

(ここまで2019年11月20日の連投。4日後の11月24日にもまた連投している)

【2019年11月24日】
「お金をかけずに」はともかくとして「占いを独学する」ことについてマジレスすると。「独学志望者がそれまでに何かを独学で会得できたかどうか。また、独学で会得できたものは何だったのか」にかかっています。独学というやりかたが身についているかどうかです。独学未経験で占い独学はなかなか無謀。

何かを独学したことがないけれど、独学で占いを身につけられたらいいなあーと漠然と思っている。そういう状況だったら「それは『占いを学ぶ』と『独学のしかたを学ぶ』の同時進行になるから何らかのかたちで独学を経験している人が占いを独学するよりは時間がかかるよ」と当番なら言うね。

重ねて言うが、独学そのものは何も悪くない。独学で占いの道へ入った人はいる。心ある講師や著者の先生方は、直接または間接の教え子たちが最終的に独学でやっていけるように道を作ってくれてもいる。独学で占い師になるのは不可能ではない、できる人はできる。でもあなたができる人かどうかは知らない

当番は「占いの勉強をなるべくお金をかけずに独学で?うん、実際やってみればいいよ派」です。だって当該質問者の占いクエスト出発時点での基本ステータス、当番は知らないもの。レベル17所持金50の高校生なのか、レベル45の編集者が占い師にジョブチェンジしたがっているのかでは話が全然違うもの。

実際に、自分が持っている知識と学習能力と、自分が手に入れられる情報を掛け合わせてどれだけのことができるのか。それは、手をつけてみて初めてわかる話。「やめろ、どうせできない」と言う筋合いは当番にはないし、「できるよ、プロになれるよ」と言えるわけでもない。当番はプロじゃないのだから。

当番はプロではないが、プロだって「なれるよ、できるよ」なんてことを簡単には言わないだろうよ。だって相手のこと知らないし、知らん人の責任なんか持てないもの。しかも無料の質問ならなおさらに

講座へ行ったり誰かに師事したりすることと違って「独学」は確かに初期費用が少なくても始められる。だから「したいんですけど」と言うより早く独学そのものを始めてみればいいよ。頭の中に漠然とある独学のイメージを、ひとつひとつ現実的な行動へ落とし込んで、自分の頭と手と足で実際にやるといいよ。

「講座へ行く、誰かに師事する、本を買う」という「お金と人手のかかっている勉強」と「独学」は対立しないよ。講座行って、誰かに師事して、本を買って、その末にプロの占い師になる人は講座行って師事して本を買ってない時間は「独学」してる。予備校通いの受験生が予備校のない日に自習するのと同じ。

「予備校に通わず自習だけで大学へ行けますか/資格取れますか」と同じ。地頭の良さと、どんだけ自分で「方向の合った、適切な努力」ができるかにかかってるよねー。やってみるといいよ独学。やってみてどこまで行けるか探ってみるといいよ。限界を感じなければ、感じるところまで行ってみればいい。

それで、独学することに限界を感じてから教えてくれる先生なり講座なりの門を叩いたっていいじゃない。「今までひとりでやってきたのだけど、限界を感じたので教わりに来ました、こことここがわかりません」と言われて馬鹿にする先生はいないよ。少なくとも心ある先生なら。

逆に「本をバカスカ買わなくては、誰かに師事しなければ、講座へ通わなければプロになれませーん!」とも当番は言いきれないね。それは「参考書を買えば、家庭教師をつければ、予備校や塾へ通わせれば必ず合格する」と言っちゃうようなものだもの。本人が勉強しなきゃ合格しないしプロにもならないもの。

「講座行かなきゃプロにはなれない」「いや独学でもプロにはなれる」ではなく。本人の地頭×目的に合った課題×本人の練習量でどちらのコースからもプロは生まれるし、どちらのコースからもプロにならない人は出るッス。自分が眠れる野生のプロなのか、そうでもないのか、試して知ればいいんじゃないかな。

※当番は野生のプロではなく、野良のアマチュアです(2019年当時の話。現在は野生のプロかもしれない)

まあ、回らないお寿司屋さんの美味しいところへ行って、そこの大将に「お金をかけずに独学で大将みたいになれますか」と訊いたり、調理の専門学校を出てお店で修業中の若い板前さんに同じようなことを訊いたりしたら、多分よく研がれた包丁で三枚におろされちゃうと思うよ……

(以下、2021年8月2日の連投)

【2021年8月2日】
「地図にも載っていない新しい島を自分が見つけたい!/見つけた!」みたいなもので「それが本当に地図にも載っていない新しい島なのかどうか」を知るには地図を持つ必要があるのだ。

当番さんこれ「西洋占星術を独学で(しかもあまりお金をかけずに)マスターしたい」が話題だった頃に言ったけど。

「地図にも載っていない新しい島を発見したい」「ガイドブックにも載っていないような穴場へ行ってみたい」「誰も思いつかなかったような新しいものを作り出したい」どれも、達成するには「既に調べられて判明しているものは何がどれだけあるのか」の確認が必要なのだ。

「先行研究を踏まえる」、当たり前のことですねなのだ。

というか「独学こそ、馬に食わせるほどに本(先行研究を記録したもの)を読まなきゃやっていけない」と当番さん思うのだが、「本すら読まない独学」っていったい何なのだ?それは自分の小さな脳味噌から出てくる思いつきだけに頼って行き当たりばったり体当たりするって意味なのだ?

ああ、紙の本ではなく「ネットに載ってるものなら読む」って意味なのかなひょっとして。恋愛や人間関係ならともかく、2021年現在、西洋占星術関連の資料がすべてネットに落ちているとは限らんのよねえ……紙の本どころか、紙の本がなくて粘土板とか石とかに刻んであった時代からずーっとあるのでねえ……

【2023年11月現在の追記】
以上のことに加えて、「西洋占星術をお金をかけずに独学でマスターしたいのですが(できますか?/どうやったらいいですか?)」という質問をされた場合、2023年11月現在の当番ならばこう訊ね返す。

「西洋占星術をお金をかけずに独学でマスターなさりたいと! それで、あなたは『独学すること』そのもののご経験はどれくらいおありになる? あなたがこれまでに独学で身につけたスキルについてお聞かせいただいても?」

独学、いいと思いますよ。「独学のしかた」がおおよそわかっていて、そのしかたに沿って何かをひとりで身につけた経験があるなら、その経験を活かして西洋占星術の独学、大変よいことだと当番は思います。

もしもこれまでに独学で何かを身につけた経験がなく、西洋占星術を独学する手順や方法も思いつかないようなら、講座や学校へ通った方がよろしいです。講座とか学校とか、そういう「人が教えてくれる場所」では、最終的にはそこからひとりだちして自学自習ができるようになるための「学びかた」を教わることができるからです

「西洋占星術をお金をあまりかけずに独学でマスターできますか?」への回答は「あなたが独学のしかたを知っていて独学をし続けられる人ならできます。あなたが独学をしたことがなく独学のしかたを知らないなら、まずそこから身につける必要があります。あなたはどちらですか?」かなと2023年の当番なら思います。

独学と言えば、の本を貼っておきましょう。読書猿『独学大全』。読書猿ブログもおすすめ。当番も読書猿ブログを長年愛読しています。

あと当番は最近、「勉強していよいよソロ活占い師デビューしたいけれど、やることが多くてしり込みしちゃう」という人向けの尻叩きマガジンも作ったから、ついでに読んでいって。


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