山羊座2度「戦争の爪痕」
2018年12月23日午前6時57分、トランジット太陽が山羊座数え2度へ入りました。山羊座数え2度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮したら「戦争の爪痕」
「♑2戦争の爪痕」原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版「3枚のステンドグラスの窓、1枚が爆撃で損なわれている」。青字が1975年ルディア版「あるゴシック式教会の3枚のバラ窓、1枚が戦争により損なわれている」
バラ窓(rose window)というのはこういう窓です。ゴシック建築の大聖堂にある、丸くて中心から放射状の枠が広がっている窓。大抵の場合ステンドグラスが嵌めこまれていて、外から太陽の光がさしこむと色鮮やかに輝いて見える。
「♑2戦争の爪痕」番地チェック。山羊座前半(往路)の、5度ずつに分けた第1グループ(はじめ)の、第2度数。どの5度組でも第2度数は第1度数を裏打ちする。磯野家で言えば第2度数はフネ。
「♑1儂が酋長じゃ」が波平、テーマを打ちだす。山羊座の大テーマは集団と権力。頭(かしら)は率いる、手下は従う。力や資源を集めて有効に使うため。「♑2戦争の爪痕」がフネ、波平を裏打ちする。集団同士がさらなる力や資源を求めて争うことがある。争えば壊されるものも出てくる。
サビアンシンボルどこかで見たシリーズ「ガラスが割れる」。ガラスが割れるシンボルは「♏2後の祭り」と「♑2戦争の爪痕」のふたつ。両者はちょうどセクスタイル(60度)。他に「割れる」ではなくガラスを「かたちづくる」シンボルとして「♌9硝子職人の技」がある。
「♏2後の祭り」と「♑2戦争の爪痕」、このふたつのシンボルはよく似ている。共に第1度数に「集団の力」を表すシンボルが登場し、その裏打ちとして第2度数でガラス製品が割れる。ここでのガラスは「一度損なわれてしまうと取り返しがつかないもの」のシンボル。
集団の力は、時として取り返しのつかない破壊を起こす。では「♏2後の祭り」のガラスと「♑2戦争の爪痕」はどう違うのか?♏2で割れるのは香水壜、これは個人の持ち物であり、それ自体では定まった形を持たない、放置すれば霧散してしまう香水を安全に保管するための入れ物。
♏2で割れるのは個人の繊細な心のような、ちいさな香水壜。これに対して「♑2戦争の爪痕」で割れるのはバラ窓。ゴシック建築の大聖堂は香水壜よりはだいぶ大きい。それは集団の財産であり、それ自体では定まったかたちを持たない大勢の信徒たちの心を安全に包む「入れ物」だ。
サビアンシンボルどこかで見たシリーズ2「3つひと組」。「♑2戦争の爪痕」に登場するバラ窓は3枚組。他に3つ組が登場するシンボルは「♊23安全な隠れ家」、高い木の上にある巣に雛鳥3羽。「♎9先人の遺産」巨匠の名画3枚。「♎30体系的知識」、哲学者の頭にある3つの知識の山。
「3という数字は登場しないが3に関係するシンボル」も複数存在する。「♈5次へ行こう」や「♈12自由往来」は「三角形のシンボル」。「♈14蛇の誘い」や「♋24三角関係」は「2つの選択肢の間で揺れる1のシンボル」。♑2に関係があるのは「3つひと組のシンボル」
「3つひと組」のシンボル「♊23安全な隠れ家」や「♎9先人の遺産」、「♎30体系的知識」での「3」は1と2をいいとこ取りして調和する数。過去現在未来、「3つの願い」、「三度目の正直」、ちょうどクリスマスなのでそれにちなんだ3つひと組を挙げれば「東方の三博士(マギ)」
「♑2戦争の爪痕」に登場する3つ組のバラ窓はゴシック建築の教会にある。この3はもちろん三位一体の3でもある。父と子と聖霊、三位は一体(ふたりはプリキュアみたいに言うな当番)。その1枚が爆撃で損傷している。完全性が損なわれた。3引く1は2で、二項対立の世界に戻ってしまう。
マーク・エドマンド・ジョーンズとエルシー・ウィーラーがディグリーシンボル透視実験を行なったのは1925年、「グレート・ギャツビー」の時代。ハリポタシリーズがお好きな方にとっては「ファンタビの時代」ね。この時代は第1次世界大戦(1914-1918)の記憶が生々しい時代。
「ファンタビ」の1作目で心優しい非魔法族のおじさん・ジェイコブが「1924年に(アメリカへ)戻ってきたんです。それまで軍の遠征で欧州に」と言ったり、二作目で戦争のヴィジョンを見せられたジェイコブが「また戦争だなんて御免だ」と言ったり、1920年代はそんな時代。
「爆撃で教会のバラ窓が割れている」というヴィジョンは1925年当時にはかなり生々しいものであった筈。実際、第一次大戦中にゴシック建築の教会が爆撃を受けたことがあるかなと調べたところ、ランスのノートルダム大聖堂がドイツ軍に爆撃されてステンドグラスが割れています。
卵のように、香水壜のように、割れてしまったバラ窓は取り返しがつかない。ランスのノートルダム大聖堂は2018年現在でも修復作業が完全には終わっていない。1918年に第一次世界大戦が終わって100年経つのに、まだ。
一方で、♑2に「爆撃で教会のバラ窓が割れている」というシンボルが出てくるのは「射手座(その最終シンボルは宗教で人々を束ねる教皇だった)に対して世俗の権力をあらわす山羊座がワンパン食らわす図」と見ることもできる
♑→(o`・д・)≡〇)`Д゚)グフオッ←♐
「♑2戦争の爪痕」対向シンボルを見てみよう。「♋2俯瞰で下見」は広くて平らな場所の上に吊り下げられた男。一点に着地してしまったら、もう限られた範囲しか見えなくなる。取り返しのつかないことになる前、踏み込む前に高い位置から全体を俯瞰して状況を把握しておく。
取り返しのつかないことになる前に慎重に偵察する「♋2俯瞰で下見」に対して「♑2戦争の爪痕」は取り返しのつかないことを起こしてしまった後。割れたものは元には戻らない。流された血は元には戻らない。集団の力同士が覇権を争うとき、砕けるものがある。流れる血がある。
「♑2戦争の爪痕」とスクエアになるのは「♈2見様見真似」と「♎2 6が7になる」。♈2と♎2は互いにオポジション(180度)で、「♑2戦争の爪痕」と「♋2俯瞰で下見」が作るオポジションと直角に交わる。活動サイン数え2度のグランドクロス。
「♈2見様見真似」は人々を楽しませているコメディアン。コメディアンは人々の行動を熱心に観察して鋭く切り取って見せる。自分たちを鏡写しに見せられた人々は面白がる。「♎2 6が7になる」は第7の光になる第6種の光。過去の体験が果実となり、そこから次世代の種がうまれる。
「♈2見様見真似」と「♎2 6が7になる」の対は「反映する」コンビ。芸人は観察したことを芸に反映させ、第7種の光(次世代の種)は第6種(過去の体験の果実)の性質を反映している。このコンビに「♋2俯瞰で下見」と「♑2戦争の爪痕」の対が直交する。
「♋2俯瞰で下見」と「♑2戦争の爪痕」の対もまた「反映」のコンビ、または「ビフォーアフター」のコンビだ。♋2がビフォー、踏み込む前に慎重に全体をチェックする。♑2がアフター、踏み込みぶつかり合い、反撃しあった結果を目の当たりにする。
「♑2戦争の爪痕」とトラインになるのは「♉2稲妻走る」と「♍2主に従う」。12サイン登場順ではいちばん遅いけれど山羊座が地の活動サイン。山羊座が打ち出したテーマを地の固定サイン・牡牛座が裏打ちし、地の柔軟サイン・乙女座が山羊座と牡牛座をいいとこ取りする。
山羊座は地の活動サイン、はじめの地。テーマを打ちだす。その数え2度は「♑2戦争の爪痕」。集団同士が覇権を争うとき、集団を包み守る殻の一部が壊れる。牡牛座は地の固定サイン、まんなかの地。山羊座を裏打ちする。その数え2度は「♉2稲妻走る」。空を切り裂く激しい電撃。
乙女座は地の柔軟サイン、おわりの地。山羊座と牡牛座をいいとこ取りする。その数え2度は「♍2主に従う」。戦争で割れたバラ窓は元に戻らない(♑2)。いちど落ちた雷は元に戻らない(♉2)。白い大きな十字架にひざまずき、主に従うと決めた。もう過去は振り返らない(♍2)
「♑2戦争の爪痕」「♉2稲妻走る」「♍2主に従う」で地サイン2度同士のグランドトライン。取り返しのつかない、後戻りはできないトリオ。傷つけてしまったものは仕方ない。起きたことはどうしようもない。従うと決めたのだから後戻りはしない。ここから始めるより他はない。
うまれたときのホロスコープで「♑2戦争の爪痕」はどのハウスにある?2018年12月23日の太陽はそこを照らした。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう
「○○○○で(五音・ハウス) 責任持って(山羊座) 目を向ける(太陽) 刻まれた戦争の爪痕(♑2)」
お気が向いたらサポートをお願いします!サポートは当番の紅茶代となり、ひいては明日への活力となります