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出生の月が導く物語

2020年10月13日辺りの連続ツイートに加筆修正をした記事です。発端は、いけだ笑み先生(@emi0711)のこのツイート。リンク先へ飛んでツリー全体を見てくださいね。

面白そうなことには秒で飛びつく当番、さっそく自分のネイタル(※出生時の)月が乙女座へ入って乙女座を抜けるまでの間どんな天体とアスペクトを取っていったかメモを作成。

これが当時作ったメモ

N月が宮(サイン)に入ってから次の宮へ抜けていくまでに各天体と取るアスペクト、当番も書いてみた!月が乙女座数え2度だから乙女座数え2度から始めてしまったけれど、実は乙女座にイングレス(天体が新しいサインへ入ること。日本語だと「入宮」)で蠍座数え1度の天王星とセクスタイル(60度)も作っている。そこから始めた方がよかったのかな。

当番、こどもの頃に好きだった物語たくさんあるんだけれど、N月の旅路と照らし合わせると、どうもこのパターンは『赤毛のアン』だと言わざるを得ない

物語全体のトーンは乙女座、田舎の平凡で細やかな日常描写がベース。

まず月が乙女座へ入った途端に蠍座数え1度天王星とのセクスタイル(60度。協調)が発生する。平凡な村(乙女座の世界)へ手違いでやってきた非凡な孤児の少女(天王星)。

(あ、名作に数ある孤児物語の中でも「少女主人公だな」と踏んだのは月=主人公が「乙女座」だからです。獅子座の月が序盤で蠍座天王星とスクエアだったら因縁持ちの孤児ハリー・ポッター少年と読んだかもしれない)

次に乙女座数え6度まで進んだ月は射手座数え6度の水星とスクエア(90度。摩擦)を組む。孤児の少女は年齢に見合わない大仰な語彙(射手座)を駆使して喋る(水星)。これは「こども、特に女の子は見られるべきもので聴かれるべきものではない(こどもがペラペラお喋りするのはお行儀が悪いという意味)」が常識だった時代では「よくない特徴」。

次に月が乙女座数え9度まで進むと発生する天秤座数え9度冥王星とのアスペクト。これは30度でありマイナーアスペクトだから「あまり考慮しなくていいもの」あるいは「当番が物語にイラネと思っているっぽいもの」か。歴史大河ものっぽい深刻な事柄(冥王星)は求めていないかも。世界を救うとか滅びるとかの規模もあまり必要とはしていない。誰がくっついた離れたの人間模様(天秤座)も当番さんそれほどは求めていない。

いちばん目立つアスペクトだなあと当番が思うのは

月が乙女座数え10度まで進むと発生する、射手座数え10度海王星(大言壮語)と魚座数え10度木星(ふわふわイマジネーション)に巻き込まれて乙女座の月(現実的すぎる日常生活)に騒ぎが持ち上がるTスクエア。我がN月の旅路が『赤毛のアン』だとすると、この手のエピソードは枚挙にいとまがなさすぎる……

『赤毛のアン』における♍10月・♐10海王星・♓10木星のTスクエア的エピソードリスト

・紫水晶のブローチ紛失とウソ自白事件
・プディングソースで鼠が溺死事件
・ダイアナぶどう酒泥酔事件
・髪を緑に染めた事件
・おばけの森事件
・屋根の梁を歩いて落ちた事件
・ケーキのバニラと痛み止め取り違え事件
・エレーン姫ごっこで溺死寸前事件

月が乙女座数え14度まで進むと発生する射手座数え14度太陽とのスクエア(90度。摩擦)。年齢に見合わない語彙(射手座水星とスクエア)を持ち、空想のせいで失敗ばかりする(射手座海王星及び魚座木星とのTスクエア)女の子(乙女座の月)は、やがて勉学で頭角を現し、3歳年上の男の子と互角に争えるようになる。上級学校への進学話(射手座の太陽)も持ち上がるが、それは地元を離れることも意味していた(乙女座月と射手座太陽の摩擦)。

月が乙女座数え18度まで進むと発生する、蟹座数え18度土星とのセクスタイル(60度。協調)。空想家で変わり者のアンは、意外や意外、高齢女性に愛され支援される。しかも「気難しく頑固なおば(あ)さん(土星)が、なぜかアンに限っては母性愛(蟹座)を発揮してしまう」というタイプのババモテをする。具体的にはマリラとミス・ジョセフィン・バリー(ダイアナの大おばさん)である。

月が乙女座数え22度まで進んだ時点で発生する射手座数え22度金星とのスクエア(90度・摩擦)。射手座天体との最後のアスペクト。これ、ダイアナとの関係かなあと思う。ダイアナはアンにとって初めての生身のお友達で、アンがかつて欲しかったものを何でも持っていて、地元社会にもしっかり馴染んでいるおしとやかな女の子(乙女座月の理想像)だけど、成長したアンは進学(射手座)して、そのダイアナを地元へ置いていくのよね。

ダイアナ・バリーって、言っちゃ悪いけど「『木綿のハンカチーフ』の女の子」みたいな女の子じゃない。アンは「初めてのお友達」でダイアナを特別枠に入れて愛してるし、ダイアナもアンのことが好きだけれど「同類(kindred spirit)」かそうでないかで言えば、ダイアナってアンの同類とは言えないと思うのよね。

射手座数え14度太陽とのスクエアでも「進学する(射手座太陽)か、孤児で女の子であるという分をわきまえて地元に残るか(乙女座月)」の分かれ道があったんだけど、射手座数え22度金星と乙女座数え22度月のスクエアは「はじめての親友に操を立てるか、より広い世界でもっと多くの新しい友達を作るか」の分かれ道のように思える。もちろん「大学進学か地元就職か」でもある。

月が乙女座数え28度まで進んだ時点で発生する、蠍座数え28度とのセクスタイル(60度・協調)。物語終盤でアンを養育しているカスバート家は取引銀行の倒産により預金を失い、マシュウは急死、マリラは視力低下と次々アクシデントが発生する。破産に急死に失明の危機、と蠍座っぽさ溢れる絶体絶命の危機だ。アンはせっかく奨学金を獲得し大学へ進む予定だったのを諦めて、地元で教師をしながらマリラを支える決断をする。これは射手座(進学)か乙女座(地元就職)か、のスクエアで乙女座を取った形だ。

アンの地元就職に都合がいいように勤務校を譲ってくれたのがギルバート。出会った当初は反感、上級学校時代は成績を争うライバルだったギルバートと、アンは最後に和解する。これ、蠍座数え28度火星(いちど好きになったらずっと想い続ける歳上の男の子)と乙女座数え28度月(潔癖で理想が高い歳下の女の子)のセクスタイル(友情)だと思われる。なお、和解はしたものの、乙女座の月なのでアンの側ではまだ恋心までいかない。トライン(120度・調和)ではないからな。セクスタイル(60度)だからな。

蠍座火星をギルバートだとすると、この時点ではギルバートがアンへ向ける感情の方がその逆よりも重くて熱い。長いこと好意を持ち続けている感(蠍座は執念深……いや大変に一途だから)もある。奥手(乙女座感)で空想家のアンはまだ君との関係を100パーセント友情(60度)だと思ってるぞ、がんばれギルバート、負けるなギルバート、先は長いぞギルバート。

この蠍座数え28度火星とのセクスタイルを最終アスペクトとして、月は乙女座を去り天秤座へと入ります。ここから先はまた別の物語。いつかまた別のときに話すとしよう。

【2023年追記1】
以上はすべて数え度数(サビアンシンボルを出す度数)で算出しました。アスペクトを取ったときのサビアンシンボルを見ながら考察するのも一興かなと思います。参考までに当番のネイタル月の旅路をサビアンシンボルで辿りなおすと

乙女座数え1度「ある男の頭」/蠍座数え1度「ある観光バス」(セクスタイル)

乙女座数え6度「回転木馬」/射手座数え6度「クリケットの試合」(スクエア)

乙女座数え14度「家系図」/射手座数え14度「ピラミッドとスフィンクス」(スクエア)

乙女座数え18度「ウィジャ盤」/蟹座数え18度「我が子たちのために地面を掻く雌鶏」(セクスタイル)

乙女座数え22度「王家の紋章」/射手座数え22度「中国人の洗濯屋」(スクエア)

乙女座数え28度「禿頭の男」/蠍座数え28度「自領へ向かって進む妖精王」(セクスタイル)

【2023年追記2】
『赤毛のアン』の作者ルーシー・モード・モンゴメリは1874年11月30日カナダ・プリンスエドワード島のニューロンドン(当時の地名だと「クリフトン」)生まれ。太陽射手座の月乙女座です。当番と太陽月の組み合わせが同じ。アニメ『赤毛のアン』初放映時、当番4歳でした。間違いなく当番を形作った作品のひとつ。アニメも原作も好きです。

【2023年追記】
『赤毛のアン』について語った別のツリーも記事化しました。


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