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天秤座16度「接岸できない」

2018年10月8日17時15分、トランジット太陽が天秤座数え16度へ入りました。天秤座数え16度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「接岸できない」


「♎16接岸できない」の原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版「流された(ある)船着場」。青字が1975年ルディア版「嵐の後ある船着場が再建の必要がある状態になっている」boat landing はひと繋がりで「船着場」。ボートから人が上陸する場所であってボートを陸へ上げる場所ではない。

「嵐の後でボートが陸へ上げられている」と訳しているサイトを見かけたことがありますが、それは誤訳です。boat landing は「上陸している(landing)ボート(boat)」ではなく「boat のための上陸場所(landing)」です。


「♎16接岸できない」の番地チェック。天秤座後半(復路)の、5度ずつに分けた第1グループ(はじめ)の、第1度数。どの5度組でも第1度数はグループのテーマをバンと打ちだす。磯野家で言えば第1度数は波平。


ドデカテモリーで見る「♎16接岸できない」の番地チェック。♎1で新月(太陽と月の合)が起きたとする。15日間で太陽は15度動いて16日目には太陽♎16。同じ15日間で月は195度動いて16日目には月♈16。ドデカテモリーでは♎16は「天秤座の中のちいさな牡羊座」

「サインの数え16度では対向サインの影響が流れ込んでくる」。ドデカテモリーを架空の太陽と月の位置関係で把握している人ならわかるね。数え1度で新月が起きたと仮定すると、太陽が数え16度まで進んだとき月は太陽の対向にくる。太陽が放った光を対岸から月が照り返してくる。

♎16は「天秤座のなかのちいさな牡羊座」、基本は天秤座だけど牡羊座の照り返しが混ざっている。天秤座は前半(往路)の1度から15度までで過去の蓄積や先人の知恵を参照して新たな基準を作ろうとしてきた。繋がりと釣り合い、彼我の往復を重視してきた。それが♎16で破られる。

♎16のサビアンシンボルは「流されてしまった船着場」。船はこちらの岸とあちらの岸を繋ぐもの。船着場は岸辺にあって、船から陸へ上がるための桟橋が作ってある。それが災害で流された。船はあり、岸はある。しかし船着場がなければ船は接岸できず、積み降ろしができない。

天秤座なのに「取りつく島もない」。あっちの岸からこっちの岸へ、何かを運んできた船から人や荷を安全に landing (上陸)させるプラットフォームがない。電車は走っているのに駅が壊れていて停車できない。修理をしなくては、そこまで来ている人や物を受け入れられない。

「♎16接岸できない」の対向シンボルを見てみよう。「♈16小人の靴屋」は日の入りに踊っているブラウニーたち。ブラウニーは人が寝静まる夜にやってきて、やり残した仕事や家事を手伝ってくれる小妖精。人が感謝の印として衣類他を与えるともう来なくなってしまう。

♈16は「牡羊座の中のちいさな天秤座」。小人の靴屋、ふしぎなかぎばあさん、メアリー・ポピンズ。彼らは人間が自分たちだけではどうにもこうにもやっていけない状態になっているときにやってくる。人間たちが休息している間に仕事を肩代わりし、人間が回復するといなくなる。

何でも自力で、何でもひとりでやっていきたい牡羊座に「いいから!寝ろ!後はやっておくから!」とヘルプが差し伸べられる。このヘルプは牡羊座の対向、天秤座からやってくる。「ひとりでできる自分」を拠り所にしていると、このヘルプはちょっと傷つく、自分が揺らぐ。

♎16では、天秤座の世界へ牡羊座から揺さぶりが入る。「繋がれる自分」を拠り所にしているところへ「繋がるためのプラットフォームが壊れてしまったらどうするんだ?」と問われる。牡羊座にやむなく誰かの手を借りるときがあるように、天秤座にもやむなく孤立するときがある。

「♎16接岸できない」とトラインになるのは「♊16演説する女性」。双子座は風の柔軟サイン、おわりの風。その数え16度は熱弁を振るう女性参政権運動家。♊16では対向の射手座が揺さぶりをかけてくる。賢く・ちゃっかり・いいとこ取りの双子座が人々へ熱く訴える活動家になる。

天秤座は風の活動サイン、はじめの風。その数え16度は流された船着場。ちゃっかり屋の双子座が♊16では社会へ物申す活動家になる。いつでも繋がれる天秤座が、♎16ではプラットフォームを壊される。24時間365日ニコニコスマートでなんかいられない。怒る日も壊れる日もある。

「♎16接岸できない」とスクエアになるのは「♋16答え合わせ」。蟹座は水の活動サイン、初夏の水。その数え16度は手書きの巻物を広げて広場の前にいる男。♋16には山羊座が揺さぶりをかけてくる。ナマ(ライブ)の実物と書き残された巻物を突き合わせて実地調査、答え合わせ。

天秤座は風の活動サイン、初秋の風。その数え16度は流された船着場。♋16では実物と記録物、アッチとコッチを突き合わせて比べるけれど、♎16はアッチとコッチを繋げられない。マッチしない、一致しない。まさかの事態に、備えはあるか?繋がれないときどう生き延びる?

一旦破損した船着場の復旧には時間がかかる。それまでの間、迂回路はあるだろうか?振替輸送は?船着場を一時的に閉鎖している間、持ちこたえられるだけの備蓄は?繋がり(♎)が回復するまでの間、ひとりで立つ(♈)バイタリティが必要になる。

「♎16接岸できない」は天秤座後半(復路)第1グループ(はじめ)第1度数(波平)。天秤座前半(往路)で♎16と対になるのは同じ第1グループ第1度数の「♎1時よ止まれ」。個体としては死ぬが同種の蝶の典型例としてその姿を保存される。

♎1では蝶が生を強制停止されて、姿だけが保存される。♎16では船着場が嵐によって機能を強制停止されている。蝶は死んでなお美しい翅を誇る。ヨソと繋がるプラットフォームが壊れたときに、なお残るものとはなんだろう?

うまれたときのホロスコープで「♎16接岸できない」はどのハウスにある?2018年10月8日の太陽はそこを照らした。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○で(五音・ハウス) 折り合いつけて(天秤座) 生きていく(太陽) 桟橋被災接岸できない(♎16)」

#サビアンシンボル物語

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