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妊娠したら出生前診断ってするべき?

妊娠すると気になるワードの一つに、「出生前診断」があります。
聞いたことがある人はも、多いのではないでしょうか。
今回、この出生前診断についてお話していきたいと思います。

1.出生前診断とは?

出生前診断とは、赤ちゃんが生まれる前に、どのような病気を持っているかを調べる検査(出生前検査)を行い、これに基づいて行う診断のことをいいます。

2.出生前診断の種類

出生前診断には色んな種類があり、代表的なものを挙げました。

①超音波検査(妊婦健診でお腹の上から機械を当てて赤ちゃんの状態をチェックしていますね。その検査のことです)
②クアトロ検査(ママの血液を採取して検査)
羊水検査(ママのおなかに針を刺して羊水を採取して検査)
④NIPT検査(ママの血液を採取して検査)

【①超音波検査】は、妊婦健診で普通に行っているので、「これって出生前診断になるの?」と思う方もいると思います。
赤ちゃんの情報を出生前に知るという意味では、こちらは立派な出生前診断になるのです。病院によっては、超音波検査をすることに同意を得てから検査するところもあります。
この検査では、胎児の形態的な異常(心臓や脳の形に異常はないか、四肢はあるか等)の情報を得ることができます。

【②クアトロ検査】は、ママに採血を行い、得られた血液成分で胎児の情報(21トリソミー、18トリソミー、開放性神経管奇形(二分脊椎症など)の染色体異常や先天性の疾患があるか)を得る検査方法です。
ここで大切なのことは、採血結果に母親の年齢も加味して胎児に異常がある確率を出す検査です。確定診断ではありません。
染色体異常や先天性の疾患の確率が高いという結果が出た場合、【③羊水検査】に進むことをすすめています。

【③羊水検査】は、ママのおなかに長い針を刺して子宮の中の羊水を採取し、得られた羊水成分で胎児の情報(染色体異常や先天性の疾患があるか等)を得る検査方法です。
羊水中には胎児の細胞が含まれているので、この検査結果は確定診断となります

【④NIPT検査】は、ママの採血にて得られた血液成分から胎児由来のDNA情報(胎児の染色体や遺伝子)を得る検査方法です。クアトロ検査と方法は同じですが、NIPT検査は確定診断となります

3.NIPTが一番いいのでは?

これらを踏まえると、NIPT検査が一番胎児への影響は少なく、確定診断もできるのでいいのでは?と思いますよね。
しかし、NIPT検査にも注意点があります。

①知りたい情報以外も知ってしまう場合がある
②無認可施設(国が認めていない施設)でも検査が可能

①知りたい情報以外も知ってしまう場合がある
遺伝子は無限にあります。この検査をすることで、今まで知られていない病気や異常を知る場合があります。
パパママが知りたいと思っていた項目以外のものも知ってしまう可能性があるのです。

②無認可施設(国が認めていない施設)でも検査が可能
NIPTの検査方法はママの採血です。採血は、産婦人科だけでなく、皮膚科や眼科などでも行うことができます。
では、皮膚科や眼科でNIPT検査を受けた場合、得られた結果を皮膚科や眼科の先生がきちんと理解して説明できるでしょうか?
「餅は餅屋」のように、専門の先生にきちんと結果を診てもらうことが必要です。
もし、NIPT検査を受ける場合は、認可施設を強くおすすめします。
(日本では、認可施設はまだまだ少ないのが現状です)

4.出生前診断は受けるべき?

いよいよ、今回の本題に入ります。
出生前診断について、どんなものなのか理解はできたと思います。

出生前診断を受けるべきか?の問いの答えは、
「受けるべきかどうかは夫婦で決める」です。

そもそも、出生前診断は何のために受けるのでしょうか?
病気や異常があったら妊娠を中断するため?
それも選択肢の一つかもしれません。

では、病気や異常のある子はだめなの?
形態や機能が正常でなければ、だめなの?
命の価値はそんな見た目や形や性質で決まるの?
そんなことはありません。

実は、この出生前診断についてたくさん考えても、正解はないのです。

私は、出生前診断を妊娠を中断するための検査という認識ではなく、生まれてくる子供のことを生まれる前から知り、パパママの心の準備、環境の準備をするための検査、という認識を持って考えてもらえたら…と思っています。

二人の赤ちゃんのことです。もしも、出生前診断について気になる場合は、何を目的として検査を受けようと思うのか、夫婦2人でよく話し合ってくださいね。
目的をはっきりしておかないと、想像していなかった結果が出た時にどうしたらいいのか分からなくなってしまうことがあります。そのこともふまえて、目的を明確にしてみてください。

そして、話し合って出た結論が、その夫婦にとっての正解だと思います。

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