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着物を手にしたはいいけれど。。。

 鼻息荒く、何も考えないまま、某ネット通販で着物セットを手に入れたまでの道のりはお伝えした通り。

そして、ぶち当たった第二の壁。

自分で着られない(爆死)。

いやいや、『自分で着られるようになるんだもん!』と意気込んで手に入れたのに?
いいのか? そんなことで。。。

せっかく手に入れた着物。
どこかでお披露目したいよね。

でも、着られない。
しかも、着ていく機会がない。

ジレンマ。

 今では普通に、どこかへ遊びに出掛けるのにもカジュアルに着物を着て出かけている私ではありますが、当時は自分で着ることもできなかったし、何より、着物=特別なものという思いが強かったので、買った着物のセットは出番もなく、ずーっと箪笥の中にしまわれたままでした。

とはいえ、ポリエステルの着物だったので保管はとても楽でした。

この部分だけは自分を褒めてあげたい(笑)

そして、着物を着られるであろう機会が巡ってきました。

 それはとあるパーティーへの参加の機会。

パーティーだ! フォーマルだ! 着物を着てもおかしくないよね!?
と、浮足立ったのを覚えています。

しかし、ここでも問題発生。

まず、着付け。

これは、出来る人にお願いしようと思い立ち、当時、区のシルバー人材センターの着付けの出来る方へ依頼して着付けてもらうことにしました。
振袖ならば購入した呉服屋へ一式持っていけば、無料で着付けて頂けたのですが、今回の着物は別のお店で購入したポリエステルの小紋。
しかも、その振袖を購入した呉服屋は、すでに閉店してなくなっていたということもあり、色々調べて、結果、たどり着いたのが区のシルバー人材センターへの依頼でした。

調べればヘアセットとともに着付けサービスを提供しているヘアサロンもありますが、この時の私は、家に出張してくださるサービスを探しており、その結果が 区のシルバー人材センターの着付けサービスでした。

 シルバー人材センターに登録されている、着付け資格を持ったおばさまに当日、自宅にお越しいただき着付けて頂くことにしました。
ヘアメイクは行きつけのヘアサロンにお願いしました。

 着付け当日。
私の持っている着付け小道具は、先の記事にある通り、成人式用の振袖のおまけについてきた着付け道具セット。
普通の小紋を着るためのものとは少し使い勝手が違うものが多く。。。
何より、足りないものもあったようですが、そこは熟練の着付け師のおばさま。
なんとか形に仕上げて頂きました。

そう、着付けの小物は意外と重要なのですね。
今となっては、着付けを担当してくださったおばさまに感謝と尊敬の念を送ることしかできません。

 ちなみに、この着物(ポリエステルの袷)を着た季節ですが。。。
6月でした。
いわゆる「初夏」です。
この日はとても良いお天気で、気温はぐんぐん上がりました。

 無知って怖い(笑)
今なら、絶対に夏物か単衣を着たことでしょう。
とにかく、手に入れた着物を着たくて、着たくて、仕方なかったのですね。

 なんとか着物を着せていただき、準備も整ったことで、予約していたヘアサロンへ向かいました。

ここで第三の壁が立ちはだかる!

 それは、履物とバッグです。
履物とバッグは、やはり振袖に合わせた草履とバッグで~と甘く考えていたのですが。。。
 着物の「格」と履物・バッグの「格」が微妙に合っていない。。。
でも、それしか持っていなかったし、何より、「格」のことなんて知らずにいたので(恥)、あるものを履いて出かけることにしました。
さらに、草履を長らく手入れもせずにしまい込んでいたために、履いている途中で恐ろしいことに遭遇しました。

 鼻緒の表面が剥がれ落ちてボロボロになる事象に遭遇します。
これは、長くビニールの袋に入れたままで保管していると遭遇する率の高い事象。
当時の私はそんなことも知らずに、能天気に、初夏の日差しの強い中、着物を着られた(着せてもらった が正しいけど)嬉しさでいっぱいになりながら自宅から一時間ほどの場所にあるヘアサロンへ向かいました。

 バッグはいろいろと考えた結果、荷物も多くなるので、それなりに荷物を持ち運べ、尚且つ和装にも合いそうなものを手持ちの中からチョイスして出かけました。

 かくして、ヘアサロンで、『え? チーママですか?』な感じのヘアスタイルにして頂き(笑)、そのままパーティーへ向かいました。

(チーママ、おわかりになるでしょうか??(笑) いわゆる水商売のおねーさんのNo.2ポジションの方。。。)

はい。
これ、かなり間違ったことをやっていますね~(笑)

 着物を着るなら、実はヘアメイクが先。
なぜなら、着物を着てからのヘアセット&メイクは、着物を汚してしまう可能性や、シワがつく可能性が高いからです。

この時は、ポリエステルの洗える着物でしたし、行きつけのヘアサロンの美容師さんがかなり手練れの方&お付き合いの長い方だったので問題なく仕上げて頂けましたが、普通は嫌がられると思います(汗)

本当、無知って最強。。。いや、最恐(笑)

 そんなこんなで、チーママ仕様に仕上げて頂いた私。
気分アゲアゲで、夕方に開かれるパーティーの会場へいそいそと向かっている途中、とにかく強い6月の日差しにさらされ、汗がだくだく流れ落ちてくる。。。
そんな中、足元を見て愕然とします。

草履が。。。 草履の鼻緒がボロボロ。
表面のエナメルが割れて剥がれてきて、足袋も汚れる。
これはかなりな誤算でした。

百歩譲って、パーティーは夜の開催なので会場内でそんなに足元は見られないであろう、と覚悟を決めてパーティーに参加することにしました。

 会場内では、ほかにもお着物をお召しになった方がちらほらと。。。
その姿のなんと優雅なことよ。。。
ただ、当時の私の年齢でその会場の中の着物姿は非常に珍しく、お声がけいただくことが多かったです。
着物マジック、ですね。
着物って、着るだけで魔法がかかる素敵な衣類だなぁ、と思います。

 なんとか無事にパーティーを楽しみ、帰宅。
とにかく着慣れていないことと、あまりの暑さで汗だくだくでげっそりしたのと、慣れない(ボロボロになった鼻緒の)草履で歩き回ったのとでグッタリして帰宅したのは、言うまでもありません。。。

 これが、自分で入手した着物に袖を通した初めの一歩でした。

あぁ、憧れのあの雑誌では着物は簡単に着れます的で、自分にも出来そう~って思ったのになぁ。。。

ちなみに、浴衣は一応、自分で着ることが出来ていました。

浴衣と着物は、やはり違うのかなぁ。。。なんてぼんやりと思った一日でした。

 ポリエステルの洗える着物ではあるけれど、小物を含め、後日、一式をクリーニングに出しました。

 この日から、また数年、着物を着ることはなく、せっかくの着物もクリーニングから引き取ったのち、箪笥の中で眠ることになったのです。

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