二郎さんのこと‥その②

2020年4月28日Instagram投稿より。

〈二郎さんのこと . その②〉
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二郎さんは、体調に気を使っていた。ウォーキングから始まって、この頃は、毎日10km走っていた。東京マラソン出たら？と言うと、人と一緒に走るのは嫌なんだよね、って言うのが口ぐせだった。 .

ストレス性胃炎と診断されて半年、なんの痛みも、体調の悪さもなく過ごし、病院へ行ったことなんてすっかり忘れていた。
2016年の松田聖子さんのツアーが始まってまもなく、食欲がないと言う。
私は「またぁ⁉️」「二郎さん、弱いなぁー」と笑っていた。
武道館のコンサートまで少し日にちが空いたので、その間にかかりつけの病院へ。
先生は、やっぱりCT撮ったほうがいいね、と言い、CT専門施設へ。その結果、大学病院で検査を受ける様言われ、日を改めて、またもやS大学病院へ。
1日検査を受けて帰宅した二郎さんは、怪訝そうな面持ちで「がんかもしれないから、細胞検査で1日入院だって〜」と。
一瞬「がん」という単語に凍りつくも、まだ決まったわけじゃないし、こういうことはよくあるものだと、私たちはまだ軽く受け止めていた。
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検査入院の書類を書き始めていた時、電話が鳴った。
その日、診察したS大学病院の医師だった。
個人的に電話したと言う。
自分が診た限り、100%すい臓がんだと思う。うちの病院には、すい臓がんを治療できるドクターも抗がん剤もない。このままうちの病院で検査をするのは時間のムダ。すぐに治療できる病院へ行くべき。
という内容だった。二郎さんは電話口で「はぁ、えー、うーん」とハッキリしない返事をしていた。電話を切っても、2人ともただボーッとしていた。きつねにつままれた、とはこういう状態を言うのであろうか‥‥
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そして、翌日、紹介状を書いてもらい、がん研有明病院に予約する。予約の電話で「何ガンですか？」と聞かれ「たぶんすい臓がん」と、首を傾げながら答える二郎さん。受診は、武道館のコンサートが終わった翌日になった。 .
〈つづく〉
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