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日本のことば

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日本の美しい言葉や、言葉にまつわる話。
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#七十二候

そうもくめばえいずる【第六候】

暖かい日差しが見え始めるこの時期 七十二候の第六候「草木萌動」(そうもくめばえいずる) 地面や木々の枝枝から小さな命が芽吹き始めます その葉の色は「萌黄色」と呼ばれ 新芽ならではの若々しい色合いです 2月は「木の芽月」とも呼ばれ 芽吹くこの季節を讃えます またこの時期に吹く風は「木の芽風」 この時期に降る雨は「木の芽雨」とも呼ばれ 芽吹いた命を大きく膨らませるために 大切な雨といわれます ひと雨、ひと雨ごとに春の近づきを感じられる季節 雨の日には少しだけ上を向いて 芽

かすみはじめてたなびく【第五候】

記事を整理していたら、、、 あらいけない、うっかり下書きのままでした。 もう第六候にもなろうとしていますが 本日まで第五侯ですので 遅ればせながら公開いたします。 2月24日 七十二候の第五候 「霞始靆」 かすみはじめてたなびく 少しずつ湿度を取り戻した空気が 霞を作り出し 遠くをぼんやりと映し出す その景色は幻想的で この時期ならではの風景です 昔の人は 山々の裾野に広がる春の霞を見て 春を司る神が纏う 着物の裾をイメージしました 霞と同じ現象で「朧」があります 「

つちのしょううるおいおこる

2月19日は 七十二候の第四侯 「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」 二十四節気ではここから 立春より雨水(うすい)へと変わり 本格的な雪解けの季節 雪解け水が大地をうるおし 氷も水へと戻り 春の足音が聞こえ始めます 春の足音で 眠っていた植物たちが目を覚まし 芽吹き始める 命の始まりの季節 春の土 それは雪国の人にとって 「土恋し」と焦がれる存在 ぬかるんだ泥も「春泥」と 讃える言葉も存在します 雪から土へと見える景色が変わる季節 春の喜びを感じる季節がやっ

うおこおりをいずる

2月14日は 七十二候の第三候 「魚上氷(うおこおりをいずる)」 立春も末候になり 凍った川や湖の表面も そろそろ割れ出す頃 春先に薄く張った氷は 「薄氷(うすらい)」などとも呼ばれ 春の訪れを感じる光景のひとつです 吹く風も少しずつ柔らかく 水も少しずつ温かく 水の中ではゆらゆらと魚の泳ぐ姿も 薄氷から透けて見え始める頃でしょうか 「魚上氷」はそんな魚が 水面から飛び跳ねる様子を表しています

うぐいすなく

2月9日は七十二候 第二侯 「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」 日本の三鳴鳥でもあるうぐいすが 鳴き始める頃になりました ほーほけきょ 独特で美しい鳴き声ですが その年の初めに鳴く時には 「ほーほー、けっけっっけきょ」とぐぜり鳴きで調子を整ていきます そんな年初めの鳴き声を「初音(はつね)」と呼びます そんなうぐいすの鳴き声ですが 実はオスしか鳴きません そして なんと 「うぐいす前線」というものがあり うぐいすの初鳴きを 毎年 気象庁が観測しているそうです そんなうぐい