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日本のことば

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日本の美しい言葉や、言葉にまつわる話。
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#日本語

つちのしょううるおいおこる

2月19日は 七十二候の第四侯 「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」 二十四節気ではここから 立春より雨水(うすい)へと変わり 本格的な雪解けの季節 雪解け水が大地をうるおし 氷も水へと戻り 春の足音が聞こえ始めます 春の足音で 眠っていた植物たちが目を覚まし 芽吹き始める 命の始まりの季節 春の土 それは雪国の人にとって 「土恋し」と焦がれる存在 ぬかるんだ泥も「春泥」と 讃える言葉も存在します 雪から土へと見える景色が変わる季節 春の喜びを感じる季節がやっ

うおこおりをいずる

2月14日は 七十二候の第三候 「魚上氷(うおこおりをいずる)」 立春も末候になり 凍った川や湖の表面も そろそろ割れ出す頃 春先に薄く張った氷は 「薄氷(うすらい)」などとも呼ばれ 春の訪れを感じる光景のひとつです 吹く風も少しずつ柔らかく 水も少しずつ温かく 水の中ではゆらゆらと魚の泳ぐ姿も 薄氷から透けて見え始める頃でしょうか 「魚上氷」はそんな魚が 水面から飛び跳ねる様子を表しています

うぐいすなく

2月9日は七十二候 第二侯 「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」 日本の三鳴鳥でもあるうぐいすが 鳴き始める頃になりました ほーほけきょ 独特で美しい鳴き声ですが その年の初めに鳴く時には 「ほーほー、けっけっっけきょ」とぐぜり鳴きで調子を整ていきます そんな年初めの鳴き声を「初音(はつね)」と呼びます そんなうぐいすの鳴き声ですが 実はオスしか鳴きません そして なんと 「うぐいす前線」というものがあり うぐいすの初鳴きを 毎年 気象庁が観測しているそうです そんなうぐい

『御神渡り(おみわたり)』

この時期になるとニュースにもなる「御神渡り(おみわたり)」。 諏訪湖の氷が完全に凍りつくし、圧力により線状に盛り上がる現象です。 事実としては現象なのですが 昔の人々は「諏訪大社上社の男神・建御名方神 (タケミナカタノカミ) が、下社の女神・八坂刀売神 (ヤサカトメノカミ) に会いに行く"神幸"の跡」として信仰しました。 御神渡りは毎年できるわけではなく まず寒さ厳しいことでしっかり諏訪湖が凍り尽くされることのほか いろんな要因が重なった時にしかできないので 「御神渡りがで

丁寧の語源を調べてみたら

丁寧の語源を調べてみたら 「昔の中国の楽器の名前」説の他に その楽器の「音」を表している、という説がありました。 私は「音」説を支持したいと思いました。 なぜなら、音を表す言葉で、同じ構成の言葉がたくさんあるからです。 特徴は韻を踏んでいること。 「淅瀝(せきれき)」は雨・落ち葉などが立てる音 「潺湲(せんえん)」は水がさらさら流れる音 「剝啄(はくたく)」は足音 「玲玎(れいてい)」は玉石が涼しげに鳴る音 そこに 「丁寧(ていねい)」は鐘を鳴らした音 が並んでいてもお

さわみずこおりつめる

明日1月25日は七十二侯の七十一番目 「水沢腹堅」 ↑さわみずこおりつめる と読みます。 厳しい寒さで 沢の水も凍る時期。 この時期は日が少しずつ伸び 陽の光も力強さを増し 昼間にはすこしだけ 氷が溶け出す様子も 見ることができます。 沢や川や池では 氷が溶けたりまた凍ったりを繰り返すことで 1年でいちばん氷が厚くなる時期であることから 「水沢腹堅」と名づけたのでしょう。 子供の頃 池でスケートをしたこと 今 ぼんやりと 思い出しました。 またやりたいな