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日本のことば

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日本の美しい言葉や、言葉にまつわる話。
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#暦

こよみをよむ【上巳の節句】

3月3日といえば 「ひな祭り」でもありますが あえてそこではなく 五節句のひとつである「上巳(じょうし)の節句」について触れていきます もともと上巳の節句をはじめ「五節句」は 古代中国、三国時代の魏の慣習が伝わったとされています 上巳の節句は別名「桃の節句」とも言いますが 古代中国では 「桃源郷」「桃園の誓い(三国志に出てくるエピソードです)」 など桃は特別なものとされました。 桃の花は魔除けや厄除けの力があると信じられ 桃の実は「不老長寿の食べ物」とされました (桃(も

かすみはじめてたなびく【第五候】

記事を整理していたら、、、 あらいけない、うっかり下書きのままでした。 もう第六候にもなろうとしていますが 本日まで第五侯ですので 遅ればせながら公開いたします。 2月24日 七十二候の第五候 「霞始靆」 かすみはじめてたなびく 少しずつ湿度を取り戻した空気が 霞を作り出し 遠くをぼんやりと映し出す その景色は幻想的で この時期ならではの風景です 昔の人は 山々の裾野に広がる春の霞を見て 春を司る神が纏う 着物の裾をイメージしました 霞と同じ現象で「朧」があります 「

つちのしょううるおいおこる

2月19日は 七十二候の第四侯 「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」 二十四節気ではここから 立春より雨水(うすい)へと変わり 本格的な雪解けの季節 雪解け水が大地をうるおし 氷も水へと戻り 春の足音が聞こえ始めます 春の足音で 眠っていた植物たちが目を覚まし 芽吹き始める 命の始まりの季節 春の土 それは雪国の人にとって 「土恋し」と焦がれる存在 ぬかるんだ泥も「春泥」と 讃える言葉も存在します 雪から土へと見える景色が変わる季節 春の喜びを感じる季節がやっ

うおこおりをいずる

2月14日は 七十二候の第三候 「魚上氷(うおこおりをいずる)」 立春も末候になり 凍った川や湖の表面も そろそろ割れ出す頃 春先に薄く張った氷は 「薄氷(うすらい)」などとも呼ばれ 春の訪れを感じる光景のひとつです 吹く風も少しずつ柔らかく 水も少しずつ温かく 水の中ではゆらゆらと魚の泳ぐ姿も 薄氷から透けて見え始める頃でしょうか 「魚上氷」はそんな魚が 水面から飛び跳ねる様子を表しています

うぐいすなく

2月9日は七十二候 第二侯 「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」 日本の三鳴鳥でもあるうぐいすが 鳴き始める頃になりました ほーほけきょ 独特で美しい鳴き声ですが その年の初めに鳴く時には 「ほーほー、けっけっっけきょ」とぐぜり鳴きで調子を整ていきます そんな年初めの鳴き声を「初音(はつね)」と呼びます そんなうぐいすの鳴き声ですが 実はオスしか鳴きません そして なんと 「うぐいす前線」というものがあり うぐいすの初鳴きを 毎年 気象庁が観測しているそうです そんなうぐい

にわとりはじめてとやにつく

1月30日は にわとりが春を告げる時期 七十二侯の七十二番目 「雞始乳」 にわとりはじめてとやにつく と読みます。 今は卵に季節を感じることはありませんが 本来 冬の鶏は ほとんど卵を 産まなくなります その鶏がふたたび卵を抱いている姿を見ることは 昔の人々にとって 長い冬が終わりを告げる印であり 大きな喜びでもあったことでしょう ついに春が近づいてきました 春の足音が聞こえてきます あなたの幸せを 願っています

さわみずこおりつめる

明日1月25日は七十二侯の七十一番目 「水沢腹堅」 ↑さわみずこおりつめる と読みます。 厳しい寒さで 沢の水も凍る時期。 この時期は日が少しずつ伸び 陽の光も力強さを増し 昼間にはすこしだけ 氷が溶け出す様子も 見ることができます。 沢や川や池では 氷が溶けたりまた凍ったりを繰り返すことで 1年でいちばん氷が厚くなる時期であることから 「水沢腹堅」と名づけたのでしょう。 子供の頃 池でスケートをしたこと 今 ぼんやりと 思い出しました。 またやりたいな

本日大寒です

1月20日 本日大寒です。 また七十二侯では七十侯にあたる日です。 動画にまとめてみましたので よかったらご覧ください。

今日から「冬の土用」始まりました。

今日1月17日から立春の2月3日まで「冬の土用」です。 夏の土用はよく知られてますが 冬だって、土用はありますよ。 夏は「う」のつくものを食べますが 冬は「ひ」のつくものや赤いものを食べると良いと言われています。 私は今日は「ひじき」と「トマト」を食べました。 なぜ「土用」というのか、の由来は、、、 動画を見てみてくださいね。 土用だからといって何か特別なことをしないことが 冬の土用では大切なこと。 寒さでちぢこまりがちで体調も良くなかったりすることも多いこの時期。