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34歳美容家。不妊治療で第1子を授かりました。

理系美容家かおりは、本日で34歳の誕生日を迎えました。
同時に、現在妊娠4ヶ月で、お腹に第一子を授かりましたことをご報告させて頂きます。

タイトルの通り、一年間の不妊治療を経て体外受精のステップでようやく授かることができました。
まだまだ安心はできませんが、とりあえず暗く先の見えないトンネルのような治療生活を終えたことに心から安堵しています。

正直、33歳の記憶は「不妊治療大変だった」しかありません笑
ちょっと盛りましたが、それくらい自分にとってはハードな一年間でした。

そのような中でも、これはやってよかった!ということもありますし、
不妊治療の理解を広めたいという思いが芽生えている間に備忘録を残そうと思います。

愚痴満載ですし、長文になりますので斜め読みだけでもして頂けますと有り難いです。

尚、本記事はざっくりこんなことを主張しています。
✔キャリアと妊娠・出産のバランスって難しいよね
✔不妊治療がこんなに大変って、なんで教えてくれなかったの?
✔不妊治療をオープンにすることで、気持ちがぐっと楽になる

1.不妊治療から得た学び

1-1.不妊治療でかかった金額

急に生々しいですが、お金の話です。
2022年4月から、人工授精等の「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」について、保険適用されることとなりました。

それでも、体外受精のステップまでにかかった総額は40万円。(助成金補填費用含む)
※人工授精までは10万ちょっとでした。

それだけでなく、通院にはかなりの時間と頻度を要します。3時間待ちは当たり前。
身体の周期に合わせて「明日来れますか?」「5日後来れますか?」などと予定も急に入るため、仕事をガチガチに入れることができません。

通院による経済損失も合わせたら、100万じゃ済まないのではないかと思います。
(実際、昨年の売上はガッツリ下がりました)

通院頻度は治療により異なりますが、多い時は月に5回通うこともしばしばでした。

1-2.身体と仕事のバランスをどうとるか?

不妊治療の費用を捻出するために、あくせく働く。
でも、身体に無理をすると元気な卵が育たないかもしれない。
治療を優先にしたからと言って、必ず授かれる訳ではない。
治療にどこまでストイックになるべきか、仕事と両立していけるのか?

先の見えないトンネルをどんなペースで進めばいいかわからないのが不妊治療の最も難しいところです。

我が家の場合、主人と私は同時期に起業しており、今まさに成長しんとする超重要なタイミング。
スタートアップとして日夜賢明に働く主人に「わたし、治療するからお金はよろしく!」なんてとても言えませんでした。

結論、私は治療を優先することにしました。
不認治療は長引けば長引くほど妊娠率が低下するからです。

引用元:http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa22.html
妊孕率は、女性1,000人あたりの出生数(17~20世紀のアメリカ、ヨーロッパ、イランなど10ヶ所のデータ:Henry, L. (1961). Some data on natural fertility. Eugenics Quarterly, 8(2), 81-91.)を元に、20-24歳を100%として計算した。年齢の増加に伴い(特に35歳以降)妊孕率の低下が認められる。データは平均±標準偏差で示した。(2016年12月12日一部内容を改訂)

不妊治療がこんなに大変だと知っていたら、もっと早く妊活を始めていたかもしれません。
後述しますが、私の不妊の原因が過去の“頑張りすぎ”にあったことも知っていたら・・・
良い意味でも悪い意味でも、今と違った現実が待っていたに違い有りません。

1-3.やってよかったこと~意外と多いぞ、不妊治療!~

大変は大変だったのですが、私の場合は泣き崩れたり、自暴自棄になったり、
知人の妊娠報告を聞いて落ち込んだりなど、精神不安になることは殆どありませんでした。

その理由として、大きく2つのことに恵まれたからだと思います。

1つ目は、治療に協力的な主人の存在。
不妊治療は、その原因が男性にあったとしても通院の負担を背負うのは女性です。
そのことで負い目を感じる必要は決してありませんが、大変なもんは大変なのです。

仕事の時間が確保できずに売上が下がっていく焦りや、ホルモンバランスから生じる体調の変化や治療の痛みなど、気持ちが落ち込むことはどうしてもあります。

そのような中で、人工授精前の精子提供やタイミングの提案などに理解を求めるのは大変エネルギーのいること。
その点、主人は一度言えばできるだけ協力しようとしてくれました。
治療を諦めようかと思ったときにも、「もう少し頑張ろう」と前向きな言葉をかけてくれたのは、本当にありがたかったです。

2つ目は、不妊治療をオープンにすること

不妊治療の大変さは、わかってくれという方が難しいと思います。
過去の私なんか妊活に興味さえ持っていませんでしたし、そんなに時間がかかるものと知りませんでした。

だからこそ、不妊治療の日記をInstagramのstoriesで「親しい人」への限定公開をしていました。

長時間待たされたことの文句、心の変化、治療の痛み、飛んでいく諭吉様。

思ったことを取り留めもなく書き綴っていると、毎回何かしらのメッセージを頂きました。

「偉い、頑張ったね!」「ご褒美してね!」などというお励みや、
「そんなに大変なんだね!教えてくれてありがとう」「不妊治療を考えていたから、励みになった」という若い子からのお便り、
「私も治療していて、辛かった。焦らず自分を大切にしてね」「安産祈願の神社があるから、息抜きに行ってみて!」「現在治療中で、同じステップです。一緒に頑張りましょう!」といった不妊治療の先輩・仲間からのメッセージ。

一番驚かされたのは、実は不妊治療をしていた方が予想以上に多かったことです。
一見、順調満帆そうに見えていた友人も(失礼)、複雑な家庭事情の中治療を続けていたり、
キラキラママインフルエンサーかと思いきや、仕事も辞めてやっとの想いで授かったお子さんがいたり。
 
最近、少子化対策に様々な“無償化”がありますが、それも大切だけど
その前に子どもができないんですわ!!!

頑張っているのは自分だけじゃない。
たくさんの友人に応援してもらっている。
私の発信が役に立っている人がいる。

不妊治療をオープンにすることで、本当に心強い励みを得ることができました。

そして、妊娠がわかった時も不安でしょうが無い自分よりも喜んでくれる友人の存在のおかげで
「お腹の子を信じてあげよう」という気持ちになれました。

先輩ママたちから、つわり軽減のアドバイスや共感・心配の声ももらえたり、産後のことをいち早く相談できたりと、気持ち的にも、知識的にもとっても助けられました。

不妊治療をオープンにすることで、一人で戦わずに済んだことが、一番大きなメリットです。

1-4.後悔していることと、不妊の原因

我が家の不妊の原因は主に私にありました。
要因の一つは、卵巣機能が落ちていること。実年齢より、卵巣年齢が進んでいるようでした。

こればかりは個人差もあるので何のせいとは言い難いですし、
結婚破棄とかいろいろあって結婚はしたくてもできなかったのですから(笑)、年齢については後悔していません。

とはいっても、治療を進める度に、年齢によって算出される妊娠率にはすごく落ち込まされたので、早いに越したことはないと思います。

年齢別生殖補助医療の治療成績
引用:http://plaza.umin.ac.jp/~jsog-art/2017data_20191015.pdf
ART:人工授精、 ET:胚移植
33-34歳は生存率と流産率が同程度でビビり散らかしていました。

キャリアはいつからでも始められるけど、子育てには制限めいたものがあることを
知っているだけでは駄目
だと、強く実感させられました。

不妊の要因2つ目は、過去の無理にありました。
実は、4年ほど前の年越しに、腹膜炎で入院したことがあります。
当時は毎日3-4時間睡眠は当たり前で、美容家としての独立のために奮闘していた時期でした。

腹膜炎自体は原因不明でしたが、婦人科系に原因がありそうとのみ言われ、精密検査はしていませんでした。
不妊治療では人工授精でもなかなか着床せず、要因として挙げられたのが過去の腹膜炎の既往だったのです。。。

当時は、「死ぬこと以外かすり傷」理論で突き進んでいたため、入院のことはちょっとした武勇伝程度に思っていましたが、
まさか若い頃の無茶が、かすり傷どころか傷跡になっていようとは。

当時はそれくらい頑張らないと不安で仕方がなかったものの、身体の重要さをこれほどまでに感じたことはありませんでした。

若くても、無理は禁物。健康第一!
声を大にして言いたいです。

2.不妊治療体験記

2-1.健康診断とブライダルチェックが後押し

私が不妊治療に踏み切ったきっかけも2つあります。

1つは、健康診断でF判定が出てしまったこと。
病名の公表はここでは避けますが、
「妊娠を考えているのであれば、1-2年で産んだほうがよい」
との宣告を受けたことが治療開始のきっかけになりました。

2つ目は、東京都の不妊検査等助成事業の存在、いわゆる「ブライダルチェック」です。
詳細については各自治体にお問い合わせ願いたいのですが、私の住む東京都の場合は法律婚・事実婚の夫婦に対して上限5万円の不妊検査費用の助成があります。

助成金対象となる病院が限られることや、夫婦1組につき1回に限るなど様々な条件はあるものの、
結果的には不妊検査の費用が約5万円だったので、手出し少なく不妊検査へ踏み切ることができました。

これがきっかけでそのまま治療へ突入する方も多いのではないかと思います。
助成金は後払いなので始めは自分で支払う必要がありますが、ご夫婦となられた方には是非お勧めしたい検査です!

2-2.とにかく長い病院の待ち時間

フライングで愚痴ってしまいましたが、とにもかくにも待ち時間が異常に長かったです。

私は他の病気もあったので大きな大学病院だったことも要因ではありますが、
知人いわく、産院でも2時間待ちは普通という方も。
と思えば、別の知人は大学病院でも待ち時間ほぼゼロだったそうなので、一概には言えません。

私の場合は時間がネックで、採血のある日は検査結果が出るまでに1時間かかるため、通常の待ち時間+1時間強で酷いときには5時間ほど病院にいたこともあります。

しかも、待合室ではWi-Fiが使えず、仕事もままなりません。
もちろんwebMTGなんかできません。

仕事をしていれば5時間なんてあっという間なのですが、病院ではテーブルの無いお席もありますし、支払いやお薬の受け取りに並んだりと作業効率は圧倒的に悪かったです。

2-2.身体は仕事に合わせてくれない

当然ですが、生理周期を始めとして自分の身体は仕事に合わせてくれません。
多忙な時期に排卵が重なることもあります。
また治療中はホルモン値や排卵の程度を見ながら進めていくので、「明日来てください」「3日後に来てください」「予約の空きはここだけです」「空きが無いので早めに来て待っていてください」なんてことがザラにあります。

そこで仕事を優先すれば、チャンスは来月に。
また通院をして排卵チェックやら何やらしなくてはいけないのです。

厚労省は「不妊治療と仕事との両立のために」という取り組みの中で、不妊治療を受けやすい環境づくりの推進をしてくれています。
なんでも、不妊治療を経験した方のうち16%(男女計(女性は23%))が、不妊治療と仕事を両立できずに離職しているのだそう。

各企業の経営陣の皆様は全力で不妊治療支援に取り組んでいただきたい気持ちです。

2-3.結構早めに体外受精へ ~一回休み~

タイミング法から始まった不妊治療ですが、
私の場合は妊娠を急ぐ必要があったためタイミング法3回、人工授精3回ずつで早々に体外受精へ進みました。

・・・とはいっても、人工授精が終わる頃には気持ちが疲弊していたので、2ヶ月ほど治療をお休みしました。

体外受精を始める前には膨大な量の書類の読み込みと大量のサインが必要で、気持ちがついて行かず目を通すことができませんでした。

主人の励ましのおかげで、年末に二人で書類を整理し、年始に一緒に受診へ。
いよいよ体外受精スタートです…!!

2-4.自己注射と諭吉と私

体外受精は、自己注射によるホルモン療法を伴います。
この頃から、割りと頻繁に諭吉が飛び始めます汗 注射薬って高いんですね…
お会計が1万、2万、3万の日と続いて、1月の出費は約6万円でした。
2月の出費は約10万円…!!!泣きそうです笑

加えて、家で夜な夜な注射をします。
普段、採血の時も注射の針が見られないくらい苦手なのに(´;ω;`)

注射は2種類あって、針の短いものはまだマシですが、長いものは注射感がばっちりあって結構怖かったです・・・

ホルモン剤で排卵を誘発したら、いよいよ採卵です!

2-5.採卵で一喜一憂 ~卵子凍結について思うこと~

採卵は静脈麻酔で行うので、寝て起きたら終わっています。

この頃から、私のネイルは8本塗りになりました。
麻酔中、指で酸素濃度を測るためネイルレスな指が1本ずつ必要なのです。
これでも一応、美容の仕事なので、一本だけクリアネイル風素ネイルデザインになりました笑

小指だけクリアネイル風

採卵の結果としては、9個の卵が取れました!👏
先に治療を終えた女性が7個と仰っていたので、ちょっと多めに取れて喜んでいた私。

「体外受精のチャンスが9回ある…!!!」

採卵はお金がかかるし、採卵後の痛みや体調不良など負担も大きめなのでもう二度とやりたくなかったのです笑

そんな喜びもつかの間。
採れた卵9個のうち、受精胚まで進んだのがたった3つ
しかも内2つはグレードが低く、実質のチャンスはたった1回だったのです汗

不妊治療前はなんのこっちゃだったので簡単にご説明をさせて頂くと、
採卵して採れた卵子は、シャーレ上で精子を振りかけるか、針で注入するか(顕微授精)の方法で人工的に受精させます。
私の場合は5個がシャーレ、4個が顕微受精の処置でした。

その後、胚培養で無事に育ったもののみ胚凍結するのです。
凍結費用は1個あたりにかかるので、9個凍結したら、と思うと少し恐ろしいです(苦笑

ですが、こんなにも胚が育つことが奇跡的なのかと、かなり驚かされました。

昨今、若いうちに卵子凍結をする方も増えていると聞きますが、
そんな受精はそんなに簡単じゃないぞと、声を大にして言いたいです2

2-5.テープ地獄と膣剤の日々

採卵の次は、胚移植です。
卵を戻すために、子宮膜をふかふかにする必要があります。

私の場合、胚移植に至るまでの方法は2つありました。
一つは身体の周期に合わせて移植をする方法。この方法だと、費用は抑えられるものの通院回数は多くなり、タイミングが休院日と重なってしまった場合には、チャンスは翌月に繰越となります。

2つ目は薬剤を用いた方法。貼り薬と膣剤でホルモン値をコントロールすることで、胚移植日をコントロールします。

この方法はお金はかかるものの、仕事との調整がしやすいメリットがあります。
実際、胚移植日は2-3日くらいしか融通は効きませんでしたが(苦笑)、迷わずこちらをセレクトしました。

そして始まった薬剤生活。

まず、めっちゃ痒いです笑
お腹かお尻にテープを貼るのですが、位置は少しずつずらすものの、2日に1回テープストリッピング(業界用語)しているようなものなので、バリア機能がサゲサゲです。

「保湿クリーム塗ってくださいね」と言われはするのですが、そうするとテープがすぐに剥がれて余計にお金もかかってしまうので悩みどころ。

そして、もう一つの膣剤は7時、15時、23時と投薬時間が定められており
これまた仕事の調整やら睡眠時間の調整やらが大変です汗

土日もゆっくり寝られないし、出先でも時間を気にして投薬しなければなりませんでした。
こんな生活が約2ヶ月続きます。

2-6.「ホルモン値、上がってますね」、じゃわからんわ!

胚移植から2週間後、採血で受精確認をします。
結果、私は1回目の体外受精で授かることができました。

ですが、それまでに幾度のトライで失敗していたので、正直期待するのが怖かったです。

診断では、「おめでとう」「妊娠してますよ」のようなドラマで聴くような言葉はなく、
「ホルモン値、上がってますね」が妊娠判定の言葉でした。

妊娠超初期は今後何があるかわからないので、「おめでとう」はいらないものの
せめてもう少しわかりやすい言葉を頂けたら嬉しかったです(^^;

長文になりましたが、以上が私の不妊治療記です。
個人の体験や感想盛りだくさんなので、正しい情報は是非公的機関の報告や、担当医から得てください。

出産を考えている女性やご夫婦、女性従業員のいる経営者、そして妊娠・不妊治療について何も知らなかった過去の私に届きますように。

お疲れ様!の気持ちでいいねをくださると嬉しいです。
お誕生日のプレゼントに、ねぎらいをくださる方はほしいものリストをからぽちっと頂けると嬉しいです。
産休・育休はとる気がないので、仕事の励みにさせて頂きます。

3.最後に

最後に、冒頭の「33歳の記憶は「不妊治療大変だった」しかない」は嘘です笑
昨年、保護犬のウエスティー「よつば」を家族に迎え、どちらかというと幸せな一年間でした🍀

子宮に穴が空いて放棄されてしまった繁殖犬をお迎えしました。
この子についてのお話はまた今度。

よつばという娘がいたからこそ、焦らずに治療を続けることができました。
毎日のお散歩はすごく良い息抜きになりました。

とても優しい子なので、よいお姉ちゃんになってくれるでしょう。

今日は一日、よつばとカフェをはしごしながらお仕事しています。
大好きよ❤

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