見出し画像

映画の字幕スーパー作りに初挑戦 

  古い友人がプロデュースした、30分のドキュメンタリー映画「骨を返せ、魂を返せ」に英語の字幕を付ける仕事を依頼された。今から約90年前、京都帝国大学の研究者が、調査のためと称して26人の遺骨を琉球の墓から遺族の合意なしに持ち出した。これを返して欲しいと京大に求めている琉球の人たち ー 琉球遺骨返還請求訴訟全国連絡会 ー のこれまでの活動を綴ったもの。本土でも琉球でも世間の関心は決して高いとは言えない彼らの訴えを、海外に発信しようと世界の映画祭に出品することにした。
  字幕作りは初めてだったが、30分ということで二つ返事で受けた。が、これが思ったよりはるかに大変だった。まず、日本語は全て英訳したが、これを字幕に置き換えると、字数が多くなりすぎて時間内に読めない、画面に二行では到底収まらないことが分かった。でもドキュメンタリーなので情報は全部伝えたい・・・。
  ハリウッド映画でもアテレコなら別だが、字幕は決して実際のセリフに忠実ではなく省いていい部分は訳していない。でもそれで決定的なセリフのイメージが変わったら残念だ。グレン・クロース主演の1987年のサイコスリラー「危険な情事」で、男への妄執に囚われた女が男に迫る場面で口にする ”I am not going to be ignored"。字幕は「捨てないで」。私なら「無視はせないよ」としたい。
  さて、今回の作品の日本語のタイトル「骨を返せ、遺骨を返せ」をすぐに内容を理解できる "Repatrite Now! the Remains of Rykyuans from Kyoto University"  (京大から琉球人の遺骨を今すぐ返還せよ!)として、アジアや欧米の映画祭に出品した。今のところ、嬉しいことに韓国短編映画祭でドキュメンタリー部門で優勝、他にもインドやベネズエラでも注目された。
大阪高裁で審議中。
  
                                             


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?