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日本語とドイツ語 バイリンガル教育①

現在小学4年生の長女は、1歳半から6歳までドイツのベルリンで育ちました。

日本の小学校入学直前に帰国した時点では、日本語よりドイツ語の方が強かったと思います。

現地での言語習得の様子と帰国後どのようにドイツ語を維持しているのかについて、2本立てで書きたいと思います。


1歳半当時
ベルリンに行った当初は、知り合いは日本人しかいませんでした。しかし、入居したマンションに、偶然にも娘と同い年の子供が2人いて、この家族たちと仲良くなることができました。その後、この隣人たちとの関係が、娘のドイツ語の習得に大きく影響したと思います。

最初は子供たちも小さく、ドイツ語で会話はできなかったので、単純に一緒に遊んでいる感じでした。それが週1回、2回とそれぞれの家で遊ぶようになり、お友達のお母さんが話すドイツ語やドイツ語のCDなどを一緒に聞いたり、少しずつドイツ語に触れる時間が増えていきました。

娘が初めて発したドイツ語は、挨拶のHalloです。親の真似をして、お友達にHalloと言えるようになりました。さようならのTschüsも比較的早く言えるようになりました。

また、娘が2歳前に現地のKita(保育園、幼稚園の総称)に入園し、さらにドイツ語環境の中で過ごす時間が増えていきました。

園では、

はい/いいえ Ja/Nein
水 Wasser
もっとほしい mehr
トイレ Pipi Kaka(赤ちゃん言葉)

くらいの単語で先生に意思を伝えていたと思います。


2歳
Kitaで過ごし始めてから2、3ヶ月目には、園で先生が歌うドイツ語の歌を部分的に家でも歌うようになりました。

この頃には、家で1人で遊ぶ時、ぬいぐるみにもドイツ語で話しかけていました。du nicht(ダメよ)やaufpassen(気をつけて)など、先生から言われる言葉を真似できるようになり、名詞以外にも動詞も少しずつ増えていきました。


3歳
3歳になる頃には、友達とドイツ語でコミュニケーションが取れるようになっていました。しかし、まだまだスムーズにとはいきません。

可愛かったエピソードは、園から帰ってきた娘が、

「ドイツ語で いいよ は言わない〜。」 

と言っていたので、何のこと?と思い、さらに話を聞くと、今日園でお友達の手が娘の唇に当たってSchuldigung(ごめんね)と言われたそうですが、本人はいいよ、大丈夫だよとドイツ語で言えなかったとのことでした。

そういう時はドイツ語で簡単に言える言い方を教えました。しかし、先生やお友達に言われているドイツ語はほとんど理解しているようでした。

ただ、ちょうどこの頃に、園の先生から娘の日本語の発音は問題ないのか、と聞かれました。おそらく娘のドイツ語の発音に気になるところがあったのでしょう。ただ、先生もそれが単純に発音の問題があるのか、日本語とのバイリンガルのせいなのかはっきりとしなかったようです。

本来は、小児科の定期検診などで発語や語彙数のチェックがあり、その時に問題があれば、Logopädieという言語療法に通うように言われることが多いと思います。

娘の園では、先に言語聴覚士が来て、それぞれの児童に発音のチェックをしました。その後、園長先生から小児科に行って言語療法に通うための処方箋をもらってくるように言われました。日本語補習校に通ってる多くの子供たちが、同じようにLogopädieに通っているのを知っていたので、特に驚きはありませんでした。

それから、言語聴覚士が週に1回園に来てくれて、娘もマンツーマンで発音練習をするようになりました。

Logopädieのおかげで発音はかなり良くなったと思います。特に日本人にとって難しいとされるrの発音などキレイに言えるようになりました。


4歳
4歳の時の大きな出来事は、転園をさせたことです。というのは、元々いた園は小規模で1歳から6歳まで合わせて20人ほどしかおらず、このまま日本の小学校に入った時にギャップが大きいと思ったからです。

それでも園の親御さんは良い人が多く、娘も特に園を嫌がっていたわけではないので迷いましたが、もっと人数も多く、施設や園庭が充実している園を選びました。

結果としては、転園してから6歳までの間にドイツ語がすごく伸びたと思います。話すのが上手になってくる年齢的なものもあると思いますが、やはり新しい友達、先生とのコミュニケーションや、園が終わってからもお友達と毎日のように公園に行くことで、ドイツ語環境にいる時間の方が日本語で過ごす時間より長くなりました。
転園前は、万が一娘が差別されたら、と不安もありましたが、子供たちはそのままの娘を温かく迎えてくれました。

また、日常的にマンションのお友達とも頻繁に遊んでいましたので、公園から帰ってきてからまた家でお友達と遊ぶという日もありました。5歳の時は園のお友達が家に泊まりに来たりもしました。

その後コロナが流行し、園に長い間通えなくなりましたが、仲の良いお友達との関係は続いていたので、ドイツ語環境がなくなるということはありませんでした。

このように娘の場合は、お友達との交流の中、ドイツ語を自然に身につけて行きました。6歳の帰国時点では、聞く方も話す方もモノリンガルのドイツ人のお友達とそんなに変わらないレベルだったと思います。ただ、帰国してから状況はガラッと変わりました。

続きます。

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