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長男1回目 1

男の子ふたり

すくすくと

虚弱体質だった幼少期から高校時代を経て、
理系の道に進んだ私は、
以降大きな病気もほとんどなく、
やっと大学で楽しい青春時代的なものを堪能する。
それなりに学業も頑張った気がする。
そして社会人となる。

おかげ様でふたりの大きめ男の子に恵まれた私は、
自分がなかなかできなかったスポーツを、
子供達には好きになって欲しいと思っていた。
幼稚園の頃からスポーツクラブやサッカーなど、
本人が「やりたい!」と言ってきたことは
積極的に経験させた。
だからといって無理強いすることはしなかったが、
ありがたいことに「やりたがり」な息子達は、
活発に成長していった。
長男だけは軽い小児ぜんそくがあり、
ステロイド吸入薬や薬を使ってはいたが、
次男はそういうこともほとんどなく。
夏場はチョコレート色に肌が光るほど
日焼けするふたりの姿は、
見ているだけで嬉しかった。 

明るいキャラでお馴染みの

父親替わりだった祖父が小6で亡くなってから以降、
女ばかりの家庭で育った私にとって、
「男の子」という生き物は謎だらけ。
本当にワケが分からない、
かわいい生き物だった。
(なお、祖父は寡黙なタイプだったので、
祖父が生きていたとしてもウチの小さい謎の生き物の
参考にはならなかったと思われる。)

私自身は、この謎の生命体と対話する時は、
小さい頃からあまり「子供扱い」
してこなかったように思う。
今振り返ってみると、
彼らに何か質問されたら彼らが納得するまで、
一緒に調べてみたり、詳しく説明したりしていた。
(長男曰く、自分が理屈っぽくなったのは、
母のこの性格によるものらしい。
知らんがな)
子供達がだんだん大きくなってきても
対話する姿勢は変わらなかった。
「男の子はあまり家で話さない」
とも聞くが、おかげでなんだかんだと
よく話す親子であるのは、
今も私にとって最大の財産だなと思う。

息子達は好奇心旺盛に明るく育っていった。
ただし特徴的なところは同じ兄弟でも
違っているのは興味深かった。
長男は、自分が疑問に思ったことは
周りの大人にもすぐ尋ねたり調べたり、
いろんな物事に広く興味を持つタイプ。
次男は、比較的こだわりが強く、
面白いと思ったものをとことん突き詰め、
その間の集中力はえげつないようなタイプ。

ふたりとも物怖じせずに誰にでも話し掛け、
誰とでも遊べる、そしてほとんど学校も学童保育も休まず、
友達が多い。
そんな子供だった。

異変 

最初に異変が起こったのは、
長男小学校4年の9月。
季節の変わり目にぜんそくが悪化することは
よくあったが、その年は追い打ちをかけるように
溶連菌にも罹ってしまった。
やっと熱が治まって、
これで登校できる!と思ったが、
長男の調子がなかなか上がらない。
まだしんどい、だるいと言う。

「ぜんそくも引っ張ったし、酸欠っぽくなってるのかな。」
「熱もしばらく続いたから、体力が消耗しているのかな。」
当時はまだ新型コロナの出現前で、
私もフルタイムで仕事をしている身。
多少の風邪症状でも子供たちは登校していた。
(だいたいの働く親はそういう経験あると思う)

しかしそのうち、保健室に行く回数が増えたり、
微熱が出たり、朝から体調を崩すことが多くなっていった。

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