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モノを作る楽しみ


いろいろハマってるモノがあるのだけれど

ハマるを超えて、徐々に私の一部となりつつあるもの


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古いお盆を再生したもの 中央には寒冷紗を張った 布目が塗りに表情を与える この黒と赤の取り合わせが目下のお気に入り


漆を使ってモノを繕ったり、元々のものから全く別モノに再生したり、そんな作業に没頭できる時間と環境を、ここ数年時間をかけてゆっくりと育ててきた

その作業は私の当初の想像を上回って、本当にいろんな刺激を与え続けてくれる

たとえば・・・

漆は塗る作業もだけれど、磨く作業もまた同様に重要というのも習って始めて知ったり(これは作品に大きく影響する)ほとんど全く何も知らずにとびこんだから、文字通りのビギナーマインドを毎回経験してる

古い物を繕う場合、繕いとそのままの味を残しておくところのバランスで出来上がりの表情がかわる(そこは作り手の感性による)ので、工夫する機会、良い塩梅を探すという課題が与えられる(センスを常に磨く)

さらに、漆の作業ではちまちまと、そう、とても細かいレベルで、材料の無駄をなくし、大切に扱うから、モノの扱い方から、気を配ったり思いやったりすることの実践につながる(日常の場面でそうした意識がどれだけ使えてないかがよくわかった…)

などなど・・・

ここのところ、漆つくろいの作業を超えて、古い素材を再生し新しく創造する作業に魅了されている


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古い小箱を再生したもの 下に粗い麻布を貼り付け、Negoro をヒントに朱が浮き出すようにした 色味が落ち着くように赤呂をかけた


金継ぎをしたいと思ったのは

割れたりかけたりしたものをまた使えるように直したいということがあったのだけど

同時に、実用性だけじゃなくて、そこに装飾ということとは別の、新しい美しさが生まれるというところにいたく惹かれた

つくろったものは、それがどんなに影のように寄り添ったものだとしても、やっぱり元の状態とは違うテイストを持つようになる

その手をくぐると、微かだろうが鈍かろうが、別の輝きが加わる

そこが魅力的に感じた


最初は壊れたものを修理する技術を学べたら・・・って始めたのだけど

今では、それに関わるありとあらゆることが楽しく興味深いので時間はあっという間に過ぎる


教室のクラスメートたちと

「このテイストはすごくいいね」とか

「その工程では手間でもこの作業がやっぱり必要だね」とか

「・・・ギャレリーでおもしろいのがあったよ」とか

「あのクラフトナイフはあそこで手に入れるのがいいよ」とか


いろいろ言葉を交わすのも楽しい

同じことに興味を持って集まってるから知りたいことも共通してる、そして、情報は互いに惜しみなくシェアする

良い集まりだ

そして、そんな場所では、夢も可能性も膨らむ


しばらく遠ざかってた物を作るということ、それがもたらすパワーを久しぶりに実感してる


創るって本当に喜びだなって思う

そしてそれは生命の糧だとも思う