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釣りをするくらいには

以前、戸の建て付けを直したり壁を直したりしたお宅が、もうちょっと直して欲しいところがあるとのことで再訪。
引き戸が閉まらないとのことだった。

実家もそうだけど、昔は冠婚葬祭も家でやったから、家の間取りはたくさんのお客さんが来る仕様になっている。ちょっと前まで地域の祭りの日は家にたくさん人を呼んで御膳を並べて・・ってやってたけど、高齢化の上コロナで壊滅したんじゃないかと思う。
このお宅も、とても広いのに核家族化しているので、使っていない広いお部屋が何部屋もあり、そこの戸が閉まらなくなってる部分を直した。こんなお部屋が能登全域で何部屋あるんだろうね。先日お邪魔したお家も、おじいちゃんおばあちゃんが亡くなって広い母屋を全く使わなくなり、現段階ではコンパクトにまとまった離れで暮らしていた。これから少し変えていくようだけど、母屋はもう使わないようだった。
時代の変化が早かったのかな。建てる段階はここまでの変化は考慮しないよね。時代に合わせて建て替えられるようなものならいいのになあ。

そして、これは同級生とも話していたんだけど、能登の家って壁がないよねと。本当そう。全部戸。戸を外せば広く使えるからなんだろうか。とにかく戸が多い。実家の居間も壁が一面弱しかない。あと三面ちょっとは戸。寒い土地なのにね・・
そんな4部屋ほぼ全面引き戸みたいな箇所を直した。総枚数9枚。敷居もカンナで直していた。



また、ガラスの戸が割れてしまったので捨ててしまった箇所に壁を立てた。

家はまっすぐ&直角でできていると思ってしまうけど、経年の歪みや木の反りや縮みがあるので、壁も全然長四角ではない。それがどれだけ歪んでるかを測ってぱちっとぴったりはめ込むのは大変だなあ・・と思って見ている。


次の日は息子さんのお部屋の壁が落ちたところを直した。綺麗なベニヤをピシッと貼って、部屋が一段階明るくなった。壁が落ちていた時と比べると、心の持ちようが違ってくるなと、暮らしてないけどそう感じる。スッキリして気持ちいい。


Before
After

いろんなところに隙間がまだまだあり、コーキングというボンドみたいな隙間を埋める材料を奥さんが自分で打つとのことだったので、余った分をお渡しした。コーキングの打ち方のレクチャーをしていると、この家の猫がやってきてゴロンとしていた。人懐こくて、たまに現れては去っていくこの猫ちゃん。戸を長時間直していた時とか、この猫ちゃんにどんだけ癒やされたか。


1日目終わった時に、ちょうどこの家のご主人と息子さんが釣りから帰ってきた。作業の合間に私は奥さんといろいろ地震の影響とかのお話をしていたけど、「ほら今日釣りに行けるくらいには楽しめているよ」とのことだった。
このお宅は能登牛を育てる専業農家をされているんだけど、楽しめていると言いつつも、この時点ではまだ牛舎の復旧見込みがなかったりなど、やっぱり以前の状態になんて全然戻ってはいないよなあと思う。

帰る頃に、釣りたての真鯛をいただいた。一番大きいものを。それとわかめ。うまいよ!と言われて、家でゆがいたものを食べたら、本当にプリプリと食べ応えがあっておいしかった。
真鯛も母が、半身はお刺身に、半身は焼き魚にしてくれて、贅沢な食べ方に感動しながらもりもり食べた。


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