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不育症検査に踏み出す


1.ネット世界で不育症を知った

身近に流産経験者がおらず、人に言えないこともあり、ショックと悲しみ、絶望感をどうして良いかわからず、ネット検索魔になりました。
そこには同じように続けての流産経験、後期流産、死産等を経験した人などが沢山いることがわかり「一人ではない」と安心しました。

そして、調べていくうちに「習慣性流産」「不育症」という言葉を知ることになります。

2回目の妊娠が12週での後期流産だったので、産婦人科の勧めもあり、赤ちゃんに染色体異常がないかの検査をしましたが、正常の染色体で異常はありませんでした。
赤ちゃんに異常がない=自分が原因で子供が育たなかったのかもしれないと、罪悪感しか感じられませんでした。

産後検診の際、不育症の話を出しました。
「確かに『不育症』というのもはある。でもまだ2回だし、検査しなくてもいいと思う。でも、新横浜に専門の先生いるから、気になるなら紹介状書いてあげるよ」と。
既に「不育症の検査に行く」と決めていましたが、紹介状がさらなる後押しをしてもらった気がして「紹介状、お願いします」と即答しました。


そして何より、検索魔であった私は「新横浜の専門の先生=杉ウィメンズクリニック」であることも既に調べていました。
東海大学病院におられた不育症権威である杉先生が不育症専門病院として、新横浜に立ち上げられたクリニックです。
非常に通いやすい場所にあること、専門クリニックであること、紹介状を書いてもらえること、行くべき条件が全てそろっていたことは、本当にありがたい気持ちでいっぱいでした。

2.憧れの?杉先生


すぐに初診の電話をしました。その時点で、3か月待ち。
今から10年前ですが、既に同じようにたくさんの方が悩んでいる、専門病院が少ない、というのを実感しました。


キャンセル待ちができる、ということでキャンセル待ちをしていたところ、「数日後に空きが出たけど、受診されますか?」と電話がありました。
この受診日が、なんと私の誕生日だったんです。
3ヵ月待ちだったのが、2ヵ月も短縮され、実質1ヵ月しか待たず、これは誕生日プレゼントだ、と思い「行けます!」返事をしたのを覚えています。


新聞記事、SNSなどで杉ウィメンズクリニックの情報収集をしていたので、杉先生のすごさを感じており、先生に会った瞬間、「杉先生だ!」と心の中で勝手に盛り上がっていました。
杉ウィメンズクリニックに行かれた方は、わかるかもしれません(苦笑)


診察室で問診票を見ていた先生から、開口一番に「ん?ずいぶん最近の流産だね。初診3ヵ月以上待つのに、1ヵ月?それラッキーだよ(笑)」と言われ、この会話で緊張していた私の肩の力が一気に抜けました。


「う~ん・・・う~ん・・・双子と12週か・・・」


「双子は、まぁ、元々リスクあるから
不育症と言うかどうか・・・」


「でも、12週は気になるねえ・・・う~ん・・・」


「うん、検査しよう!あなたの場合、何かあるはずだから!」

と、先生が頭を悩ませつつ、検査が決まりました。
採血をし、検査代約10万円を支払い、病院を後にしました。


あくまで私の勝手な印象ですが、先生は良い意味でドライな感じです。
流産死産などの本当の原因を解明して、本当に有効な治療をしたい、そのために検査を重要視し、妥協しない、という徹底した研究者タイプな先生だと思います。



3.まさかの異常なし


「あなたの場合、何かあるはずだから」と言われていたので、自分のせいで子供たちが育たなかったのでは、という恐怖と不安を抱え、約1週間後、検査結果を聞きに再受診しました。



「驚くほど健康体そのものの数値」


「微妙という数値もない」


「どこか無いかあら探ししたくらい」

「ここまで基準内の数値だと、
異常なし、無治療と言うしか無いなぁ」




と、かなり頭を悩ませていらっしゃいました。
「赤ちゃんの染色体異常でもないとなると、内臓疾患(心臓とか)だったのかもしれないね」とも。
いずれにせよ、この段階では原因は見つからず、次の妊娠に関しての治療はない「無治療」になりました。


おかしいかもしれませんが、異常がない、不育症(この時点では)ではないという結果について、この時はとてもほっとしたのを覚えています。
自分のせいだったら、、、という罪悪感がとても大きく、検査結果に異常がないことで、出産ができる、と安心感が大きかったんです。

ただ、この5年後、まさか8ヵ月での原因不明の死産を経験し、原因不明の不育症で悩むことになるとは思いませんでしたが、この時はこの時で、出来ることをやったと思っています。




****Kao****

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