ママのこと⑲旅立ち

その日の早朝、おばさんが仕事前、気になるからとママの様子をみにきた。

酸素濃度を測って足の指先を見ると、チアノーゼが出ている。

末妹を呼んたほうがいい。 

と冷静に言われた。

もうそろそろなんだ。しかしパパはいない。

しばらくして、妹2人来て3人で交代でママを看たた。
ママの好きな番組をテレビで流したり、好きだった音楽を流したり。

ママはすうーっと吸って、しばらく止まっては〜と吐くというような感じだった。

足の指先を見るとやっぱり紫だ。

まだいかないでよ。
となりでひざまづいてママにくっついていた。

ママの好きだったものを食べさせてあげようよ!っという話になり、なんでも好きだったけど、あずきバーを買ってきて、ちょっとだけスプーンにのせて口に入れた。

味わかったかな?寝ているのか起きているのかもわからなかった。

熱も出ていた。死の間際発熱があると聞いていた。冷やしてあげるといいよ。と昼間の訪問看護さん。


そのうち夕方になり、子供たちもパパも夫も帰ってきた。
おばさんも仕事帰りに寄ってくれて
「まだ大丈夫そうだね。もしかして仕事中にいっちゃうかと思ってた。」
といって一回家に帰っていった。

私がスーパーの惣菜で夕飯にしようと準備してたとき、

「ねえね!!」

と妹が呼んだ。

えっと思ってママのところへ行くと、ずっと瞑っていた目を見開いて
「あーあー!」
となにか叫んでいた。
丁度パパもお風呂からあがったところ。

急いでばあばとおばさん、おじさんを呼び戻した。

そして看護師さんを呼んだらすぐにきてくれた。

看護師さんは、
「うん、もうすぐだと思います。先生をよびます。みなさん声をかけてあげてください。」

みんなでママを囲んで

ありがとう。
がんばったね。
大丈夫。
ありがとう。

みんな涙涙涙。

ママはずっと天井をみてあー!と叫んでいた。何を言いたかったんだろう。何が見えていたんだろう。

そのうち声が出なくって。

あっ

ておばさんが言った。
もう息をしてなかった。

あぁいってしまった。いなくなってしまった。

しばらくみんなで泣いていたけど、ママの半開きの目が気になって、私が
「あの、このままなんですかね。閉じてあげてもいいですか。」

と聞いたら、看護師さんが

「そうですね。きれいにしてあげましょう。」

と、

私と妹たちとで着替えさせて体を拭いた。たくさん汗をかいていた。
また暖かかった。

あったかい。

あったかいのになぁ…。

ママ、がんばったね。つらかったね。劇的な1ヶ月半。
ビックリしたよね。

しばらくして先生が到着して死亡確認。
パパ最初で最後の先生と対面。

2021年1月21日 20時頃

家族みんなが集まるのを待ってママは旅立ちました。

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