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移動式書店が示すローカルコワーキングの開業プロセス:今日のアウトテイク#211(2024-06-16)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ、殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」

※まずはポップアップで試してみよう。

#今日のBGM

#今日のコトバ

"私はAIに洗濯や皿洗いをやってもらいたい、 私が芸術や執筆をするために。私が洗濯や皿洗いをして、AIが私の芸術や執筆をするのではなく。"
(Joanna Maciejewska)

#cosacベータ版リリース、テスト参加いただくコワーキングスペース募集中!

このたび、全国のコワーキングをネットワーク化し、イベント情報の共有と収益の分配を実現するアプリ「cosac」のベータ版がリリースされました。

そこで今回、ベータ版リリースに際しまして、ベータ版テストに参加される「コワーキングスペース」を募集しております。ベータ版テスト用アカウントは無料です。

参加ご希望のコワーキングスペースの方は、ぜひ、以下のページからお申し込みください。

よろしくお願いします!

#移動式書店が示すローカルコワーキングの開業プロセス

またまた書店ネタで恐縮だが、是非、参考にしていただきたいので共有する。

山形県のある町で移動式書店をはじめた地域おこし協力隊の女性がいる。このページのビデオをまずご覧いただきたい。

記事にもあるように、年々、書店は減り続けている。昨今、独立系の独自の選書を売り物にする個人経営型の書店はじわじわと増えてきているものの、この町のようにいわゆる新刊書店が姿を消す町は後を絶たない。

そこに、こうした移動式書店が巡回してくるのは、住民にとっては非常に有り難いことだと思う。確かに、ネットでも本は買えるが、このマルシェにやってきた人が言うように「買ってみて違うこともあると思うので、実際に見て買えるのはいいと思う」というのは誰もが感じていることだろう。

で、肝心なのは、その店頭で交流が起こるということだ。実際、ビデオでも多くの人が立ち寄り、交流の場にもなっているのが判る。もちろん、ネットではあり得ない。

「本を手に取れる場所は身近にあってほしい。みんなが集まって交流が生まれるようなゆっくり話しながら過ごせる書店コミュニティスペースが出来たらいい」

そうそう、本屋はただ本を売ってるだけではない。そこが人と人との接合点にもなってる。前述の独立系個人書店が各地でなぜ生まれてきてるかというと、ただ売り物の本を置いているだけではなくて、その店主の選書する本を介して共通の価値観や世界観でつながる場にもなっているからだ。

で、これはそのままコワーキングに置き換えても同じ。

コワーキングはワークスペースではあるけれども、ただパソコンでパチパチ作業するためだけにあるのではない。人と人をつなげ、そこであらゆる個人の目的や地域の課題を共有し、コトを起こして実現と解決のために前に進める仕組みであり装置だ。デスクやWi-Fiはパーツに過ぎない。

そのテーマとなるものは山ほどある。それを示したのが「コワーキング曼荼羅」。

僕がこの記事にビビビと来たのは、この方が、将来、空き店舗を借りて書店を開業したいと語っているから。移動式書店はそのためのトレーニングであり市場調査でもあり、というか、もうこの時点でファンづくりになっている。

記事をよく読むとこうある。

川村さんが販売しているのは、絵本や図鑑のほか、エッセーなど多種多様。町民にアンケートを取り要望に応じながら、大学時代に通っていた東京の書店に協力してもらい本を仕入れています。

つまり、事前にアンケート調査をしてニーズを掴んでいる。持ち込める本の数も限られているからだろうけれど、きちんとプロセスを踏んでいるのはさすが。

この点は、ぼくがいつもコワーキング開業のご相談を受ける際に勧める手順と同じだ。

コワーキングのことで相談に来られる方は、よく不動産物件の図面を持ってこられたりするが、最初から場所(不動産物件)を決めないで、まずイベントでポップアップ式のコワーキングを開催して、人を集めてみることをオススメしている。場所はあとから決めればいい。ハコありきより、人ありき。

ここでいう移動式書店は、つまりポップアップコワーキングだ。

で、そこに集まってきた人たちと訊いてみる。「なぜ、来たのか?」この答えが、驚くほど人によって違う。各人がコワーキングというものに持っているイメージが全然違う。それはそれぞれの目的が違う、ということを意味している。それらは、だいたい先の「コワーキング曼荼羅」に分類される。

一方で、自分が実現したいコワーキングのことを語る。双方でこんなコワーキングがほしいという像を結んでいく。その中から、どういうコワーキングが必要なのか、理想なのかが見えてくる。

このプロセスをスルーしないほうがいい。これを繰り返していくうちに、コワーキングを作る共同体ができてくる。そこからコアユーザーになるコワーカーと、ついでに運営を手伝ってくれる仲間が現れる。

これからは、どの町にも最低1箇所はコワーキングがある社会になる。現代版公民館とでも言うべきか、ローカルにはローカルを活性化するためのエンジンとしてコワーキングが必要。で、それはただ利用するだけではなく、地域住民が運営にコミットするローカルコミュニティとしても機能するはずだ。

個人経営の書店については、ローカルコワーキングの参考になる点が多いので、今後も取り上げていく。

ということで、今日はこのへんで。

(カバー画像:freddie marriage


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