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ここにホンマの神戸があります:今日のアウトテイク#212(2024-06-17)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ、殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」

※素のままのローカルが楽しい。


#今日のBGM

#今日のコトバ

これが自由というものかしら
自由になると寂しいのかい
やっとひとりになれたからって
涙が出たんじゃ困るのさ
やっぱりぼくは人に揉まれて
みんなの中で生きるのさ

人の心は温かいのさ
明日はも一度触れたいな
独り言です 気に留めないで
ときにはこんなに思うけど
明日になるといつものように
心を閉ざしているぼくさ
(吉田拓郎『どうしてこんなに悲しいんだろう』)

#思わず泣いてしまうCM映像

話題になってたので、ちょっと覗いてみるつもりが全部読んでしまった。というか、この映像を観て、泣いてしまった。

正直、携帯電話の進化にそれほど関心があるわけではないが、筆者の徹底的にテーマを追求した書きっぷりについつい引き込まれてしまって、映像の細かいところまで目を配った解説に「ほーほー」と頷くばかり。

そのおかげで判ったのだけれども、まあ、このCM映像が実に周到に製作されていることに感心してしまった。そんなこととは知らないでも、泣かされてしまう。もうCMというより映画。

で、これが7年前。
皆さん、いい仕事してたんですね。
7年前か。
ぼく、何してたかなぁ。

あ、「Beyond the Coworking」を始めたんだった。

#ここにホンマの神戸があります

9年前に単行本で出た『神戸、書いてどうなるのか』の文庫版が出た。迷わず買って、また読んでるが、やっぱりオモシロイ。

著者がぼくとほぼ同じ世代で、同じエリアを行動範囲としているので、余計にシンパシーが働く。まるで、高校の時の同級生としゃべってるみたいだ。

何がいいって、帯にも書いてるが、ガイドブックに載ってるようないかにも「神戸」をイメージするオシャレでスマートでカッコいいよそ行きの神戸はひとつも出てこない。

ではなくて、日常の普段着のまま、素のままの神戸がここにある。そこに暮らし、働き、飲んで、食べて、笑って、泣いて、歌う、市井の人々を優しく包んでくれる街としての神戸がある。

2ページで一話が完結する。だから、250ページほどに108本も収録されてる。どこから読んでも読めてしまう。ついダラダラ書いてしまうぼくなんかは、このスパッとまとめてしまう力量に感服する。見習わねばと思う。

単行本から10年近く経って、なくなった店も多い。屋島食堂も丸玉食堂も、今はない。海文堂書店もメトロこうべ古書のまちもない。それをノスタルジックに浸るのでもなく、まだそこにあるように読んでる自分がいる。不思議な感覚。

中に、陳舜臣のこんな言葉が出てくる。

「神戸の町の性格をひと口でいえば、その海洋性のあかるさにある。といってよいだろう。裏がえしていえば、陰翳の欠如であろうか」

ああ、言えてる。基本的にオープンだ。
それと、こうも。

「伝統の重圧がないから、新しいものを取り入れるのが容易だった。刀よりピストルのほうが便利だとわかれば、誰憚ることなく、刀をすてることができたのである。ときには、かわりにすてる刀さえ、はじめからなかったのだから、よけい都合がよかった」

これを読んで、誰だったか、神戸は城下町でなかったのが大きい、と言っていたのを思い出した。確かに侍の町ではなかったからか、あまり上下関係にやかましくない(と思う)。どことなくのんびりしている(気がする)。

そのくせ人付き合いは如才ない。他人のプライベートな領域にズカズカと入ったりはしない。そのへん、絶妙な距離感を保つ。

陳舜臣はこうも書いてる。

「開花の門である神戸の人間は、新しいものにたいして、一種の鑑定人たることを要求された。では、鑑定の貴人がなにか?
ーーーこれはおもろい。
ーーーこれはおもろくない。
伝統の尺度がない以上、個人の実感にたよるほかなかった。」

これは今でもそうですね。「個人の尺度」は割と尊重されてるのではないかしらね。この本も、そうした著者の神戸人らしさが随所に現れている。素顔の神戸を知りたい方、ぜひ、一読をオススメする。

ぼくが各地のコワーキング、とりわけローカルのコワーキングを訪ねて回るのは、もちろん、日本中のコワーキングをつなげたいという想いがあるからだが、コワーキングでなら普段着で素顔のローカルに出会えるから、でもある。

コワーキングにやってくる地元の人たちと接することで、着飾らない、よそ行きでない、その地の日常に触れることができる。そこではじめて友だちになれる、つながりが持てる。コワーキングツアーの醍醐味がそこにある。

それにしても、このタイトル。かの内山田洋とクールファイブのヒット曲『そして、神戸』の歌いだしからモジッてる。こういうセンス、好き。

と、いつもより短めにまとまたつもりだが、どうだろう?

あー、久しぶりに「相一軒」で蒸し鶏でビールを飲みたくなってきた。

ということで、今日はこのへんで。


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