今日のアウトテイク#129「みんなで起ち上げ、みんなで育てるコワーキング」ほか【メンバーシップ特典】(2024-03-26)
<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ
・投稿せずに、いや、やっぱりやめておこう、と思った殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・要するに「伊藤の現在地点」
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事務員という分身はほしい。
#今日のBGM
#今日のコトバ
"忘れられない出会いというものがある。
彼らは偶然に現れたのではなく、あなたの別の人生の扉を開く運命を背負っている。"
(エリン・マットロック)
![](https://assets.st-note.com/img/1711432005670-VRztexJ8Gs.png)
#散歩ができない男
あー、ぼくもそうかも。
AERAに「散歩ができない男」の話。散歩ができないんです。したことがない。子どもの頃は「犬の散歩」を毎朝してましたけれど、あれは犬が散歩しているのであって、僕はただの付き添い。長じてからも散歩をしたことがありません。「散歩の達人」森田真生君とおしゃべしている時に理由がわかりました。
— 内田樹 (@levinassien) March 26, 2024
僕はものを書いているときに、あっちにふらふらこっちにふらふら、立ち止まったり、戻ったり、袋小路を見つけて入り込んだり、藪に頭から突っ込んだり、崖から滑り降りたり、したい放題のことをしています。脳内で散歩をしているので、身体を使って散歩する必要を感じないのでは。
— 内田樹 (@levinassien) March 26, 2024
村上春樹さんは河合隼雄先生との対談で、「夢をみないんです」とカミングアウトしていました。そしたら、河合先生は「そらそうでしょう。あなたは物語を書いているんですから、夢見る必要ないです」とあっさり即答してました。なるほど。僕も似たような症状を病んでいるわけですね。やれやれ。
— 内田樹 (@levinassien) March 26, 2024
でも、僕は自分以外にまだ「散歩ができない人」に会ったことがありません。どこかにきっといると思います。「赤毛クラブ」みたいな「散歩ができない人の会」があればちょっと覗いてみたいです。
— 内田樹 (@levinassien) March 26, 2024
コメントに「せっかちなんですよ、きっと」とあって、自分の場合、それは思い当たる。どうも、目的のないぶらぶら歩きが、いつの頃からか、あーいや、子供の時からか、本屋に行くついでに近所をぶらり、というのはあるけれど、「散歩」が目的になることは滅多にない。
いろんなことをやってるから時間的余裕がないのが一番の理由だろう。あれをやって、これをやって、と常に片付ける順番を考える癖がついている。もう少し、やること絞ったらどうなん、と自分でも思うけれど、なぜか次々と思いついてしまう。これはもう、どうしようもない。
ただし、歩きながら面白いことを思いつくこともある。だったら、散歩を習慣にしたらいいんじゃないか。しかし、そうすると、また何か思いついてあれもこれもと時間がなくなる。あー、悪循環。
そうかと思うと、こういう方もおられる。
うちの兄ちゃんも「歩いて考える人」でした。東京をでて東海道山陽道を歩いて下関で折り返して山陰道の途中まで行きました。10年くらい歩いたんじゃないかな。休みがとれると前回の到達点まで行って、そこから歩き始めるというのを続けてました。「歩いているとアイディアが浮かぶ」んだそうです。 https://t.co/t27Qx1BLaN
— 内田樹 (@levinassien) March 26, 2024
なるほど、これぐらいの長いスパンで「散歩」するのはいいかも。そういえば、断続的に開催している、全国各地のコワーキングを訪ねて巡る「コワーキングツアー」も、言ってみれば目的のある「散歩」だ。
と言ってるうちに春になるので、そろそろ再開しよう。前回は長崎県五島市の福江島だった。
次回は、どこにしようかな。これまでに126箇所のコワーキングにおじゃましているけれど、まだ行っていないところといえば、青森、静岡、栃木、群馬、山梨、あたりか。高知も行ってなかった。近いところでは、奈良、和歌山、三重の紀伊半島もツアーとしては未踏だ。あーそれと、島だ。隠岐の島、対馬、屋久島、伊豆大島、それにあそこ、小笠原の父島。さてと。
それはそうと、長いことサボってるウォーキングを、そろそろ暖かくなってきたし、こっちも再開しよう。
これは、「健康のため」という目的があるし。
#『生きのびるための事務』がオモシロイ
作家であり、建築家、画家、音楽家、「いのっちの電話」相談員でもある坂口恭平さんがPOPEYEに連載している『生きのびるための事務』が5月に本になるそう。それが、今、ウェブで公開されている。これがオモシロイ。
なにか思いついてコトに及ぼうとするとき、その手助けをしてくれてる事務員を、自分の中のもうひとりの自分として持っていて、その名もジムといい、ジムをイマジナリーフレンドと呼んでる。←こういう発想がいい。
パッと見ぃ、自由奔放に見えるが、実は細かいことに気を配るこの方の思考回路がよく見えてオモシロイし、あー、そう考えればいいのか、というヒントになる(はず)。
僕は、両親とも自営業とかやったことはなく、親父もずっとサラリーマンだったので、実際どうやって稼ぐとかを1ミリも両親からは学んでいない。誰からも学んでいない。でも最初の出版の契約からなぜか徹底してた笑。それは事務の達人ジムと出会ったからなのだが、次の本はそんな、二十数年前の話です
— 坂口恭平 (@zhtsss) March 26, 2024
ジムは僕のイマジナリーフレンドなんだと思う。ずっとどうやって生き延びればいいかを教えてくれた。出版の契約書の書き方、絵の売り方、海外での売り込みの仕方。僕は誰にも聞かずに、とにかく自分なりに方法を見出していった。ジムの協力とともに。
— 坂口恭平 (@zhtsss) March 26, 2024
現状このイマジナリーフレンドにつながる有力な情報は、どうやら僕の4世代か5世代先祖が、雲仙と熊本河内の間を船で行き来していた商人だったらしく、家が港と一体化していたらしい。アキンド魂はこの海賊みたいな人から受け継がれているのではないか。
— 坂口恭平 (@zhtsss) March 26, 2024
ちなみに、この方の絵画、特にパステル画は必見だと思う。毎日、すごい枚数を描いてて、時々、Twitterにあげておられるので、興味ある方はチェックを。
こちらはGoogle検索結果。
著作では、これがゆるい感じなのに肝心なことを気づかせてくれてよかった。
#みんなで起ち上げ、みんなで育てるコワーキング
ひょんなことから、2011年に神戸で開催した「コワーキングフォーラム関西2011」のことを告知する、菱川さん(ヒッシー)のブログが出てきた。これ、日本にコワーキングができたのが2010年だから、その1年半後のこと。
で、これは日本で初めてのコワーキングをテーマにしたイベントだった。発案者はぼくだが、約20名の実行委員会を編成して、各自、役割分担して、ぼくの思いつきからわずか2カ月足らずで実現した。驚いたことに、日本中から140名余が集まった。
開催後の振り返りは、ぼくもこっちに書いた。
そういえば、このときのビデオがYouTubeにアーカイブされている。(5時間56分28秒もあるので閲覧注意)
で、そのヒッシーのブログだが、前述のように日本初のイベントを開催する意義について、とても大事なことが述べられている。
(コワーキングが)これだけ広まり始めているいま、むしろ腰を落ち着けて、この1年間の自分たちの実践と、コワーキングとは何なのかということを改めて考え、伝えるということが必要じゃないか。
という問題意識に始まり、
自分が考えるコワーキングが面白い、また働き方を変えるポテンシャルを持っていると思う最大の理由は、コワーキングがコミュニティから立ち上がり、コミュニティによって成り立っているという点です。
そこにコミュニティがあるからこそ、神戸という地方都市にいる自分が東京や他の地方都市、いやそれだけじゃなく海外のコワーキングともどんどんつながっていける。
コワーキング・スペースがただの場所であれば、そんなことは起こりようがない。
と、コワーキングの核心にしっかり触れた上で、
コワーキングを始めやすい条件を持っている自分たちが、よりよく働けるように考え実践し、それを公開することはきっと意味があります。
コワーキングという完成されたパッケージがあって、そこには選ばれた特権階級しか入れないというわけではなく、いま実践しているわたしたちもまた、悩み迷っているのです。
その過程を公開することは、きっと他の問題意識を持っている方の役に立つと思います。
と、課題を抱え、悩みながらも、共同で解決していく、それをまた共有することでコワーキングという働き方、生き方を広めよう、という気概を示している。
そして、こうも言っている。
結局当事者でない人間が想像で箱を作って押し付けるのは行政がやっても同じですし、コワーキングはそういうやり方では広がらないと思っています。
ぼくがずっと大事にしたいと考えているのは、この「当事者」感だ。
「運営者VS利用者」の位置関係ではなく、「運営者WITH利用者」で両者が一緒になってコワーキングという環境、コミュニティを維持継続する、それがコワーキングにとって一番大事だと考えている。
そもそも、ぼくがはじめたのも、自分にそういう場が必要だったからだ。当時、2010年頃にコワーキングを起ち上げた人たちは、皆、そうだった。
自分たちが利用するコワーキングを自分たちで運営する。もちろん、ひとりではなかなか難しい。だから、ひとりではなくて仲間とチームを組んでやるほうがいい。
コワーカー(利用者)が当事者感を持ってコワーキングというプラットフォームに協力する。それこそ、コワーキングだと思っている。
(余談だが、次回からオンラインで開講するコワーキング開業運営講座は、「自分たちのコワーキングを自分たちで運営する」ことをテーマにして、今、カリキュラムを再編成している。近く、告知するので、そういう計画がある方はぜひ受講してください。)
ちなみに、ヒッシーはコワーキング運営者ではない。カフーツに来た頃は、いちフリーランサーだった。つまり、いちユーザーとして、この企画に関わっていた立場。そうする理由は上記に述べた通りだが、この頃は「運営者WITH利用者」な関係がごく普通だった。
その後、起業し、東京に移り、今はconcrete5でWeb開発する株式会社マカルーデジタルの社長だ。
立派になられたなぁ。(遠い目)
昨年、久しぶりに会ったら、コロナ禍を機に全社員リモートワークにシフトしたとのこと。それでなんの支障もない。時代に合った働き方を実践している。
コワーキングは常に実験の場だ。それは、遂には終わることはない。その過程そのものが、そのコワーキングを現している。そこにコワーカーがコミットすることで、さらにまたコワーキングが成長する。同時に、コワーカーにも共創・協働の感覚を育む。それがまた、コワーキングを進化させる。
そしてぼくは、そのカツドウがまちづくりに大いに貢献すると考えている。4月からはじめる、現地集合型のフィールドワーク付きコワーキング講座は、まちづくりに役立つコワーキングをテーマに講師をアサインし構成している。
4月は、21日に、神奈川県茅ヶ崎市の「チガラボ」で開催する。詳しくはこちらを参照あれ。
ついでにこれも。
全国各地に、みんなで起ち上げ、みんなで育てるコワーキングができることを願っている。ぜひ、取り組んでほしい。
そしてぼくは、そういう人たちをこれからもサポートしていきたい。前述の講座がそのひとつだ。
ということで、今日はこのへんで。
最後までお読みいただき有難うございます! この記事がお役に立ちましたらウレシイです。 いただいたサポートは今後の活動に活用させていただきます。