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CCCの提携関係によるデータ収集と隠れた収益モデル:今日のアウトテイク#262(2024-08-06)

<アウトテイク>
・SNSに投稿するのではなく、これを自分SNSとした投稿
・記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」
・いずれKindle本にまとめる予定


#今日のBGM

#今日のコトバ

"生きるということは、いずれにせよ傷を持つということだ。"
(ジョン・スタインベック)

“To be alive at all is to have scars.”— John Steinbeck

Posted by Philosophors on Saturday, August 3, 2024

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#CCCの提携関係によるデータ収集と隠れた収益モデル

昨日、ショッピングセンターやホテルにもコワーキングが開設されることが多くなってきたと書いたが、

あ、そういえば、と教えてもらったのが、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が東急リゾーツ&ステイと提携して「SHARE LOUNGE(シェアラウンジ)」をオープンしたというこの話。

CCCといえば、ぼくらの世代は蔦屋書店と言うほうが判りやすい。で、そのシェアラウンジとは、要するにその書店に併設された共用ワークスペースだ。調べたところ、全国に48箇所ある。

このサイトを見ていただければ判ると思うが、いろんなタイプの席を用意し、電源もWi-Fiもあり、アメニティも上品で、カフェとしても使えるし、本や雑誌もあるので実に居心地がいい。

ただし、コワーキングとは言っていない。

シェアラウンジは、ラウンジの居心地と本による提案、オフィスの機能性を兼ね備え、訪れた人に「新しい発想を提供する場所」です。

なので、そこにコミュニティがあるかというと、なさそう。ま、ラウンジだからそれでいいのか。

5月に高松に行った際、JR高松駅のビルにあるシェアラウンジを見つけて、電車の時間まで利用した。

広々としたフロアに適度の間隔を開けて座り心地の良い席とデスクが並ぶ。見ると、オンラインミーティングしている人や、真剣に勉強している人や、居眠りしてる人など、見た目はコワーキングという感じだった。

はじめての利用だったのだが、なんと「アルコールコース」という料金メニューがあるではないか。もちろん、これにした。

そのビールも冷蔵庫から出すのかと思ったら、その裏にタップが並んでてお好みのビールを自分で注ぐ方式だった。これはこれで気分が上がっていい。

と喜んでたのだが、シェアラウンジに詳しい方の話によると、シェアラウンジのポイントはとにかくセルフサービスだということ。つまり、ほとんどお客さんにさせて極力人件費を削減している、と。

なるほどね。ま、コワーキングも、基本、そうだ。確かに、ぼくが行ったときも従業員は2人しかいなかったと思う。

で、本題はここから。その「なるほどね」はそれにとどまらない。

ご存知のようにCCCにはVポイント(以前はTポイント)なる全国の店舗やネットショップで購入すると1ポイント=1円のポイントを付与し、提携店でそのポイントが使えるビジネスを展開している。

会員はこのVポイントが貯まるカードを持っているのだが、当然ながらそれには会員の名前から居住地、年齢、職業その他の細々とした会員データが紐づけられている。

つまり、ぼくが高松のシェアラウンジでこのポイントカードを使うと、5月13日に神戸に住む伊藤というオッサンが高松のシェアラウンジでアルコールコースを選んで滞在した、ということが判る。(ぼくはそのカードを持っていないので、これはあくまで例え話)

そういうデータをその地域の店舗で収集し、それを分析すると、その地域で消費活動をする人の属性なり傾向なりが見えてくる。30歳代のサラリーマンか、20歳代の女性か、年配のお父さんか。

CCCには約1.3億人の会員データベースと年間26億件の購買トランザクションデータをかけ合わせてマーケティングソリューション事業を展開するデータ分析会社があるんですと。シラナカッタ。

そのデータをもとに近隣の店舗と提携して、その属性にマッチするクーポンを発行して、その店舗へ誘導する。

例えば、30歳代のサラリーマンなら牛丼の吉◯家、20歳代の女性ならエステやドト◯ル、年配のお父さんならカメラのキタ◯ラ、といった具合。

しかもそのクーポンも従業員がいちいちその人の属性を確認して引き出しから出してくるのではなくて、決済のときにレジから自動的に出てくるんですって。ますます人が要らない。

あるいはデータによると、毎週金曜と土曜に他府県から来るサラリーマンが多いと判る。すると、宿泊施設がその属性にターゲットを絞った宿泊プランを開発したりする。

それが販促になり、売上を上げられた店舗側からマージンを得る。つまり、データの(言い方が悪いが)狩り場を作っておいて、集めたデータを売って収益を上げているというのが真相。

まったく、なるほどね、だ。

ちなみに、CCCがスタバと提携するパターンの場合、本はあくまで人を集める道具であり、粗利は原価の安いコーヒーのほうで儲ける、という収益構造になってる。

そこにシェアラウンジを掛け合わせて、時間と空間を売る。しかも、追加のスタッフは要らない。で、ここでもデータ収集できる。うまいぐあいに全部が一つの輪になってグルグル回って売上に貢献している。

まったく、なるほどね、だ(3回目)。

ただ、もう少し突っ込んで聞くと、そのポイントカードにも陰りが見えてきたという。CCC自体のレンタルビジネスが終焉を迎え、ポイントが流動しなくなった。

加えて、QR決済が台頭してきたこともTポイントの衰退要因になった。ソフトバンクとTポイントが連動したが、PayPayに取って代わられた。つまり、ポイントを貯めて使うということに魅力がなくなってしまった。

そこで、CCCは住友VISAと合弁会社を設立した、と。←今、ここ。

まったく、なるほど…、もういいか。

こういう大資本のコラボ話は、ピンとこないかもしれないが、しかし、何にせよ、要はどこと組むかということだ。

話をコワーキングに戻すと、他業種とコラボを組むというのは、ローカルにおいても、というか、ローカルならむしろやるべきだと思う。

困っているところ、痛みになっているところ、欠けているところ、を協業、協働、共創で、コラボでリカバリするということを考えてみるのは決して無駄ではない。

そして、そこから得るデータをどう活用するか。規模は小さくとも、ゆくゆくどういう展開になるとも判らない。そこは常に意識しておきたい。

ということで、今日はこのへんで。


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