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コワーキングは自然発生的にコトが起こることを勧奨する:今日のアウトテイク#309(2024-09-22)

<アウトテイク>
・SNSに投稿するのではなく、これを自分SNSとした投稿
・記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」
・1ヶ月ごとにKindleでコラム集にまとめていってます


#今日のBGM

#今日のコトバ

"アリストテレスは、真の余暇(それは彼にとって内省と哲学的思索を意味していた)こそが、あらゆる美徳のなかで最高のものだと論じている。なぜなら余暇は、それ自体以外に目的を持たないからだ。戦争で勇敢に戦うことも美徳だが、それは勝利という目的のための手段に過ぎない。ラテン語で仕事を意味する「negotium」は、直訳すると「余暇がない」という意味になる。つまり、余暇を楽しむのが人間本来の姿があり、仕事はその例外ということだ。"
(オリバー・バークマン『限りある時間の使い方』)

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#ハイブリッドワークは永遠に解決しない巨大企業のジレンマを露呈する

先日のAmazonの一件、やっぱり向こうでもガンガン非難されている。そりゃそうですね。

もう、いちいち雑訳しないけれど、いわく、

・このアプローチは、生産性、従業員のパフォーマンス、および定着率の点で、フルタイムのオフィスワークよりもハイブリッドワークモデルを支持する実質的な研究結果を無視しているように思われる。

・画一的なオフィスモデルにこだわることで、Amazonは全体的な生産性を向上させるどころか、むしろ低下させてしまう危険性がある。

・Amazonのトップダウンのオフィス限定ポリシーは、否定的な結果を招きそうな時代遅れのアプローチとして際立っている。

・出勤を義務付けることで、コラボレーションや創造性が高まるという期待は、しばしば裏目に出て、かえって憤慨や離反を生み出す。

・Amazonは、オフィスに物理的に存在することで、コラボレーション、ブレインストーミング、イノベーションが促進され、同時に企業文化が強化されると主張している。しかし、この考え方は、対面でのやりとりが自動的に良い結果につながるという、一部のエグゼクティブがいまだに抱いている時代遅れの信念だ。

とまあ、まだまだ続くけれど、散々な言われようだ。でも、そうなんだから仕方がない。

ハイブリッドワークは、単に従業員のわがままではなく時代の要請であり、かつ有効であることは、さまざまな調査結果が示唆している。

『Nature』のような一流の科学雑誌に掲載された研究を含む研究では、リモートワークとオフィスワークを融合させたハイブリッドワークモデルが、従業員のパフォーマンスとエンゲージメントを向上させることが一貫して示されている。
例えば、ハイブリッド型勤務の従業員は、完全にオフィス勤務の従業員よりも、注意散漫になることが少なく、病欠も少なく、生産性も高い傾向にある。ハイブリッド型はまた、Amazonのような競争力のある企業にとって重要な要素である、優秀な人材を惹きつけ、維持するために必要な柔軟性も提供する。

そうそう、これからの時代に沿った人材確保という点でも、ハイブリッドワークを放棄するのは企業の死活問題に発展する可能性が高い。

別の調査では、「完全週休2日制よりもハイブリッド勤務の方が、生産性と仕事の満足度を最大化するために最適なバランスであることが示唆されている」。この「仕事の満足度」が大事。働くのは人間だから。

ただし、AmazonがいかにIT企業の看板を掲げようとも、物流会社であることに変わりがないことを考えれば、社員のリモートワークに限界があるのも容易に察しがつく。

パンデミックでネット通販が急増してあわてて従業員を増やして対応したものの、それが一段落すると逆に余剰人員として持て余すことになり、そこはアメリカ企業だからさっさと首を切ってきたわけだが、労働集約型産業の宿命としては常に人件費が大きくのしかかる。

とすると、今回のハイブリッドワーク禁止令は、多くの社員から反発されることを見越した、いわば体のいい馘首とも考えられるがどうだろうか。

とかなんとか言ってたら、いやいやいや、これは税金が絡んでるんだよ、という情報が元Amazon社員からもたらされた。いいねの数がスゴイ。

最後の部分にこうある。

Amazonはオフィスを構える市や州から多大な減税措置を受けている。理論的には、この仕組みはこうなるはずだ:

Amazonは税制優遇を受け、人々は職を得、(シアトルのような)活況を呈するハイテク・タウンとなり、住宅所有者は利益を得、地元関係者は利益を得、地元企業の経営者は利益を得、誰もが潤う。

しかし、オフィスが空いたままとなり、繁華街が荒れ果てた廃墟と化し続ければ、市や州はAmazonを無税で放置し続けるインセンティブを持てなくなる。

Amazonがリモートワークを可能にし続ければ、税務署がやってきて、何億ドルもの賠償責任を負うことになるだろう。

結局のところ、Amazonの厳格なオフィス回帰方針は、イノベーションやコラボレーションの促進だけが目的ではなく、マクロ経済学とミクロ経済学に基づいた戦略的な動きなのだ。

従業員を物理的なオフィスに集約することで、税制優遇措置を最大限に活用し、運営コストを削減することを目指しているのだ。

なるほどね、これはAmazonのような大企業なら大いに有り得る話。というか、ずばり、これやね。

そうすると、あながちAmazonのエゴとばかりは言えない、かもしれないが、こういう行政と企業との持ちつ持たれつの関係を維持するために、余計なコストかけてオフィスを使い、通勤を義務化し、あたら有能な人材を失うことになるのは、それこそ本末転倒じゃないのかしらね。

こうして、巨大化した企業のジレンマは永遠に解決しないのだろうな。そう思ったら、なんか気の毒になってきた。

頑張ってね、Amazon。

#コワーキングは自然発生的にコトが起こることを勧奨する

昨日は、三々五々、カフーツにやってきた人たちで、ゲリラ的に「コワーキングキャンプ飯部」が発動した。

先日の、毎月第3水曜日に開催している「コワーキングキャンプ飯部」で残った食材が冷蔵庫にあったので、山﨑ケンちゃんがおもむろに道具を出してはじめたら、あとから来た人もごく普通に合流して、それぞれ飲み物や食べ物を持ち寄って、そういうことと相成った。

ちなみに今日のカバー画像は、森本さんが持ってきてくれたスムージー入りのビール。スゴイ色してるけれど、いかにもスムージーでオツな味でした。

ぼくはそういう、自然発生的にコトが起こるのが好きだ。あらかじめ綿密に企画して、告知して人を集めて、しっかり時間守ってやるのもいいけれど、時には、誰ともなしに動き出したら、それをフォローする人が出てきて、ワイワイ飲んだり食べたりして、いくつも話題が入れ替わり、そこそこ時間が経つとひとりふたりと自然に解散していく、そういうのがものすごい好き。

これは、例のデレク・シヴァーズのファーストペンギンと最初のフォロワーの話にも絡む。

こういうことは、しばしの間そこに一緒にいることに満足している時に起こり得る、というか、そこに居合わせる者同士がお互いに尊重し合える価値観を持つからできると思ってる。

で、コワーキングはそういう場所であることが望ましい。

予定調和なんかない。
同調圧力もない。
各自が自律的に発想して、自由に行動する。
それを気に入った人がまた自由に参加する。
コワーキングは、それが公序良俗に反しない限り、そしてコワーキングの基本理念に反しない限り、すべて受容する。

実は「コワーキング曼荼羅」はそういうことも現している。

コワーキングはコワーカーの自由な発想とカツドウを勧奨する。
ぼくはそう思って、カフーツを運営している。

ということで、今日はこのへんで。


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