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区境歩きのすゝめ

こんにちは、寒桜です
この記事では、私が昨年から続けている長距離街歩きの1つ「区境一周」について紹介します
内容の説明から始まり、実際に一周した例、区境を歩くことの魅力やおすすめの持ち物まで書いているので、ぜひ興味を持ってもらえればと思います!


「区境一周」とは?

文字通り、1つの区の境界線歩いて一周する長距離歩きです
ただし、海岸線は立ち入れない場所が多いため、内陸の境界線のみを歩いています(そのため沿岸の区はルートが短くなります)
私は横浜市内をメインに歩くため、西区・神奈川区など「横浜18区」を対象にしています
昨年10月、フォロワーさんの保土ケ谷区を一周した報告に触発されて始めました 2024年5月の時点で西・中・瀬谷・栄・南・神奈川の6区を一周達成しています

横浜18区の地図

ルートの見つけ方

区境一周には境界の場所を示すガイドラインが必須ですが、私はGoogleマップを使っています
アプリを開いて、例えば「神奈川県横浜市南区」と検索すると、南区の輪郭が赤い点線で表示されます

地図上に表示された南区の境界線

検索窓を消さない限り境界線は表示され続けて、拡大や回転も自由にできるため、事前のルート検討や移動中のガイドに大きく役立ちます

区境の通りに歩けない場合

本来は境界線を正確に歩きたいところですが、区境が私有地や高速道路を通っていたり、そもそも区境上に道がなかったりする場合があります
そのときの対処法を、引き続き南区を例に地図上で示しながら説明します

①区境が高速道路を通る場合

北北西に伸びる区境が、高速道路(横浜横須賀道路)を横切っています
当然高速道路は横断できないので、この場合は一番近い道を選んで迂回します

南区南西部の別所IC付近
高速道路を渡れないため、青で示した迂回路を選択

②区境が私有地・立入禁止区域を通る場合

今度は一見普通の地図に見えますが、実は右下の斜線エリアが「根岸住宅地区」と呼ばれる米軍住宅跡地で、現在も立入禁止です
そのため区境通りにまっすぐ進むことができず、このエリアを避けるように大回りしています
区境から大きく外れる場合もありますが、こればかりは仕方ありません

立入禁止の根岸住宅地区(赤斜線)と迂回路

③区境上に道がない場合

これが最も多いパターンです
①②と同様に一番近い迂回路を探すことになりますが、道がない箇所が複数連続する場合も多く、適切なルートの選択が必要です
特に悩ましいのは「区境通りに道があると思ったら行き止まり」の場合で、引き返すしかありません
このような"袋小路トラップ"を避けるため、場合によっては数百メートル先まで通れるか確認する必要があります
起伏の多い横浜市では、高低差によって道が分断されるのはよくあることです

①の高速道路を含めて、通れない区境が4箇所連続する難所
「袋小路トラップ」も2箇所あるため、事前の把握が重要

区境歩きの魅力

色々な歩けない区境のパターンを見て「めんどくさい…」と思われた方もいると思います
しかし、区境歩きにはそれを補って余りある魅力がいくつもあります!

①普段行かない場所を歩ける

駅から遠く離れた道や閑静な住宅街など、通常まず訪れない場所に行けることが1つの魅力だと思います
日常生活をふりかえると、普段訪れる場所は居住地と勤務・通学先の最寄駅周辺、あとは行きつけの店くらいで、思った以上に狭いエリアに限られます
その中で「区境歩き」をきっかけに訪れた場所で、隠れた絶景スポット美味しい店など新たな魅力を発見し、自分の世界を広げられるのは素敵なことではないでしょうか

神奈川区境より みなとみらいを望むキャベツ畑
南区境より 統一感の見事な住宅街
瀬谷区境より みかん畑と美しい夕焼け
神奈川区境で見つけたインド・ネパール料理店
味もボリュームも大満足!

②様々な区の特徴を一度に楽しめる

境界線上を歩き続けるため、一周している区自体はもちろん、すべての隣り合う区の街並みを眺めることができます
南区の場合、西・中・磯子・港南・戸塚・保土ケ谷の6区と接しているため、合計7区の景色を楽しめました
各区の景色を通して多様性を実感することで、地域への興味が一層深まるのが魅力と言えます

↖東戸塚のタワマン(戸塚区) ↗根岸競馬場(中区)
↙沿岸の工業地帯(磯子区) 上大岡の京急百貨店(港南区)↘

③道のりの記録が区の形になる

個人的に区境一周最大の魅力だと思います
GPSの足跡を地図上に記録するアプリ(※詳細は後述)を起動して歩くと、最終的に「区の形そのもの」が完成します
自分の歩いた成果がはっきりと目に見える形で残るのは他にない魅力であり、長い道のりでも「区の形を完成させたい」というモチベーションが支えになっています

南区一周の記録
自分の足で区の形が完成する喜びはひとしおです

区境一周をやってみたい方へ

ここからは、今まで6区を一周してきた私の経験をもとに、事前準備や当日の持ち物、歩き方のアドバイスを示します
区境一周に興味を持った方はぜひご覧ください!

①事前準備

まずはGoogleマップで境界線を表示して、ルートを地図上で予習しましょう
行き止まりや私有地などの歩けない境界線を確認して、事前に迂回路を考えておけば、当日迷うリスクを大きく減らせます
また、区境一周は長期戦になる(横浜の区の場合平均約30km、所要時間6時間程度)ため、前日はしっかり休んで体力を満たしておきましょう
合わせて、飲食店のチェックも推奨します
たくさん歩いた後は一層美味しく感じますし、後半戦の活力にもなります また、普段訪れないエリアで店を探すのも楽しいひとときです

②当日の持ち物

・リュックサック
長時間歩くことを考えると、荷物は重心が偏らないリュックサックが一番です
またルート確認や水分補給の際、両手を自由に使える利点もあります

・飲み物
長距離歩きには必須 水筒かペットボトル2〜3本は持っていきましょう
残り少ないときは、近くのコンビニや自販機で補充します
歩くのに夢中になっていると、水分補給を意外と忘れがちです 喉の渇きを感じる前に、少なくとも30分に一度は水分を摂りましょう

・お菓子
昼食前の小腹満たしや、終盤のチャージに
手がベタベタせず、コンパクトで腹持ちの良い饅頭羊羹が特におすすめです!(無印良品の6個入り饅頭が個人的ないちおし)

・ルート記録アプリ
「区の形が記録に残る」という大きな魅力を味わうため、ぜひ活用したいです
Googleマップの「タイムライン」機能でも確認できますが、私は記録に特化したアプリ「ルートヒストリー」をおすすめします

アプリのホーム画面で右下の「+」を押して、マップが開いたら「開始」を押して記録開始!
バックグラウンドで記録してくれるので、移動中アプリは閉じて大丈夫です
ゴール時にホーム画面の「+」→マップの「終了」を押せば記録完了 記録一覧はホーム画面からいつでも確認できます
簡単な操作で高精度な記録ができるので、区境歩きにはうってつけのアプリです!

「ルートヒストリー」の操作画面

・モバイルバッテリー
こちらも長距離歩きには必須のアイテム
充電しながら起動するとバッテリーに負担がかかるので、充電中は次に曲がる場所の確認程度にとどめ、撮影やSNSへの投稿時は一旦外すと安心です

・履き慣れた運動靴
何万歩も歩くので、靴擦れしないように一番相性のいい靴を選びましょう

・帽子、タオル、塩飴(夏期)
高温多湿の夏期は暑さ対策が欠かせません
特に強い日射しはダメージが大きいので、帽子でしっかりガードしましょう
また汗で塩分が抜けてしまうので、塩飴やタブレットで補給することも大切です

③歩き方

「早くゴールしたい」と張り切ってしまうと、途中で疲れて辛い思いをしてしまいます
そのため、普段と同じか少しゆっくりしたペースがおすすめです
また坂道では、上り下りいずれも歩幅を小さくすることで足腰への負担を減らせます

長距離歩きは大変…という方へ

区境一周は30km以上歩く場合もあり、ハードルの高い人も多いと思います
そこで、近所の町丁から歩いてみるのはいかがでしょうか?
Googleマップで区境が表示されると紹介しましたが、実は町丁単位でも出すことができます

一周1km未満〜数km程度なので、無理なく歩けると思います
また、普段通らない道を歩くことで、近所で思いがけない新発見があるかもしれません

町丁一周に慣れてきたら、区境歩きに挑戦してみましょう!
はじめての区境一周として、私のおすすめは横浜市中区です

中区の地図 南の根岸駅付近から歩くのがおすすめ

おすすめポイントは、まず距離の短さです
三方が海に面しているため、区境は西部の10km程度(所要時間2~3時間)に限られます
また、ルートの両端が駅の近く(根岸・桜木町)のため余分に歩く心配もありません
さらに、南の根岸駅付近をスタート地点にすると、ゴール地点がランドマークタワーになります
目標がはっきりと目立つうえ、進むごとに大きく見えてくるのがモチベーションに繋がります
根岸の起伏や自然に富んだ住宅街→伊勢佐木町の繁華街→桜木町の観光地と、様々な街並みを楽しめるのも魅力です!

最後に

結構長くてマニアックな内容になりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました🙏
「区境歩きって何?」と思っていた方にも、興味を持ってもらえればうれしいです
皆さんも近所の町丁一周から始めて、ぜひ区境一周に挑戦してみてください!


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