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『次回作』フランス国旗の意味について考えてみた『考案中』

 私は大学の卒業論文でフランスのことを書いた経験もあり、以前、フランスについてかなり調べたことがあります。フランス国旗は「三色旗」(Tricolore)と呼ばれ、3つの縦のストライプから成ります。それぞれに意味があるので簡単にご紹介します。


自由(Liberté)を象徴します。この色はパリ市の伝統的な色でもあり、フランス革命時の象徴とされています。

  • 平等(Égalité)を象徴します。白はフランスの旧王室の色であり、王権と革命の和解を表すとも言われています。

友愛(Fraternité)、博愛を象徴します。赤はフランス革命時に使われた旗の色であり、革命の精神と民衆の血を意味します。

フランス革命と言えば、王政を倒した革命とされていますが、しっかりと国旗にフランスの旧王室の色を残すことで、王室の象徴(白)と市民の象徴(青赤)を融合させたことで国内の統一と安定を図る意味もあったとされています。

自由は勝ち取るもの

 この国旗に込められた意味として、自由は戦って勝ち取るものという点があることがあります。革命の精神である赤、これには民衆の血という意味も含まれていることから、自由を勝ち取るためにいかに血を流したかを表しているのだと思います。

自由は意識して守る必要がある

 この「自由」という意味について、私たちはもっと意識的に考える必要があります。自由は勝ち取るものという意識を持つことは何もフランス人だけではなく、我々日本人にとっても重要なことです。この意識がないと、例えば「治安維持法」のような国民の自由を大幅に制限する法律ができても気づかない。「国家総動員法」のようなものができても誰も逆らわず、盲目的に従ってしまう。ということが起きかねません。

自由というものは意識的に守らなくてはいけないのです。

先日、発表した作品ではこの治安維持法についての小説、そしてそれに抵抗しようとする組織の話を書きました。

この組織そのものは架空のものですが、戦中、戦前には実際に治安維持法というものありました。

治安維持法とは

 治安維持法(ちあんいじほう)は、1925年に日本で制定された法律で、国家の治安と秩序を維持することを目的としていました。この法律は、特に共産主義や社会主義の活動を抑制するために使用されました。
 「国家の治安と秩序を維持する」ということはとても重要なことです。そのため多くの人は賛成してもおかしくないですよね?当時は第一次世界大戦後の社会不安や、ロシア革命の影響で共産主義思想が世界的に広がった時期でした。そのため政府や国民にも不安に思う人も多かったはず。でも、これに大きな罠があるのです。
 1930年代に入ると、治安維持法はさらに厳格化されました。特に1935年の改正では、罰則が一層厳しくなり、共産主義者や反政府活動家の取り締まりが強化されました。
 作中でも触れたように、平和主義者、労働運動、反戦運動のように、当時の国家に不都合な主義・主張が次々と取り締まりの対象になりました。

特別高等警察(特高)

 この法律の施行に伴い、特別高等警察(特高)が設置され、思想犯の取締りを行いました。特高は、秘密警察として市民の監視や取り締まりを強化しました。
 作中でも触れましたが、彼らの取り締まり方は基本、「暴力あり」でした。拷問、殺害など、ちょっとここでは書けないような方法で取り締まりが行われました。
 こうなるとマスコミから国民までが政府の言いなりにならざるを得ない。むしろ、マスコミは政府に都合のいいことしか言わなくなってしまいます。そしてそれに国民が煽られる。当時のマスコミの論調を見てみると、戦争に突き進んでいく日本は軍や政府もそうですが、マスコミや国民が戦争を煽るわけです。まあ、鶏が先か卵が先かみたいな話で、どちらでもいいような気もします。要は誰も反対しない、というか反対できなくなり、戦争に突き進んでいくわけです。

現代の特高警察?

 この特高警察についていろいろ調べていてものすごく怖いと思ったことがあります。ちょっと引用します。

GHQによる人権指令により、特別高等警察に在籍していた官僚警察官は、公職追放の対象になったものの、戦争犯罪人として指定され、問責・処罰の対象となった者は、内務省・特高警察関係者には1人もいなかった。(略)
1946年(昭和21年)1月3日、アメリカ人ジャーナリストのマーク・ゲインが、山梨県警察部大月警察署の署長に対して、「特高警察が解体されて、破壊分子を監視する機関がなくなったのはまことに困ったことではないか」と質問したところ、署長は「それはたいしたことではない、なぜなら特高警察の仕事は県庁の公安課の司法官の手に引き継がれたから」と説明している。(略)
GHQ参謀第2部(G2)は、特高警察関係者の中から、公職追放された者を多く雇用して、元特高警察官の知識や経験を情報収集や謀略活動に利用しており…

特別高等警察 - Wikipedia

特別高等警察は戦後すぐ廃止されますが、その仕事はそのまま引き継がれている。しかもGHQですら完全に解体できず、むしろ昔の特高警察関係者が似たような仕事に再雇用されている。こんな「陰謀論」的なものが‘Wikipediaに普通に書かれていたのでちょっと怖くなりました。さすがに拷問や殺害といった捜査手法はもう行われていないと信じたいです。

今の日本はどうですか

 1945年の敗戦により、この治安維持法も特高警察も廃止されますが、約20年間も国民は自由がなかったのですね。恐ろしいことです。今の日本は大丈夫ですか?何か既存の法律が拡大解釈されるとか、気がつくと自由がなくなるといったことはありませんか?

次回作のテーマは「レジスタンス」

 そんなわけで次回作はこのフランスについての本を執筆中です。舞台は第二次世界大戦中のフランスを考えています。第二次世界大戦のフランスと言えば、国家存亡の危機。ナチスドイツに占領されたフランスはレジスタンスという活動を通じて自由を勝ち取ろうとします。ぜひご期待くださいませ。



 



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