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臨床診断学まとめ

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診察、検査、鑑別など実臨床で用いる診療の医学
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2020年8月の記事一覧

臨床診断学 診察 神経編

脳神経診察視野→片目を手で覆った状態で一点を見てもらい、その状態で視界の端の指がみえるかを確認する 眼球運動、眼振→眼前50cm程度に示指を立てて眼で追ってもらう 眼裂観察→眼瞼下垂、左右差など 遠くを見てもらいながら行う 瞳孔観察→縮瞳、散瞳、瞳孔不同の有無 瞳孔・対光反射→ペンライトで瞳孔に光をあてる 眼底→眼底鏡を用いる 右目は右目、左目は左目で観察する 顔面感覚→三枝領域を区別して領域ごとに左右差と領域差を確認する 顔面筋→額にしわ寄せしてもらい観察する 両目を強く

臨床診断学 診察 救急編

周囲の安全確認 感染対策に手袋装着(今だとマスクも必要か) 反応の確認→揺さぶったりはしない 周囲に協力者を呼び、医師、AEDなどの手配を依頼する 気道確保、呼吸・脈拍確認→10秒以内 下顎骨挙上する時軟部組織を圧迫しない 胸骨圧迫、人工呼吸→30:2 2人以上いれば分担可 AEDがきたら交代してもらう→胸骨圧迫が途絶えないように AED操作 ①電源入れる ②パッドを装着 ③解析、放電時は離れる ④すぐに圧迫再開 医師到着時は簡潔に状況を伝える 死線期呼吸 終末期・心

臨床診断学 診察 腹部編

ベルトなどは緩めてもらい、タオルをかけて準備する 視診仰臥位、膝を伸ばして行う 形状、腫瘤の有無 皮疹、着色斑、瘢痕、静脈怒張、皮膚線条の確認→痛みの部位は事前に聞いておく 聴診腸蠕動音の確認→聴診器は軽く温めておく 腹部血管確認→腹部大動脈、腎動脈、総腸骨動脈の順に確認 (振水音確認→イレウス時は聴取される) 打診中指の中節骨部をもう一方の手の中指でスナップを効かせて叩く 全体確認→手は温めておく  9領域に分けて打診する  痛みのある場所は最後にまわす 肝臓打

臨床診断学 嘔吐、胸焼け、吐血

嘔気、嘔吐嘔気:胃の内容物を吐き出したいという切迫した不快感 嘔吐:腹圧上昇により胃内容物を食道、口腔通して排出すること ※必ずしも嘔気先行するとは限らない 主な原因疾患 絞扼性イレウス、急性虫垂炎、急性胆管炎 急性冠症候群、大動脈解離 髄膜炎、クモ膜下出血、脳出血、小脳梗塞 糖尿病ケトアシドーシス、急性副腎不全 妊娠、腎盂腎炎 ジギタリス、急性緑内障 病態 主に四つの経路で嘔吐中枢が刺激されることで生じる 嘔吐中枢:延髄背側、第四脳室底付近の神経核ネットワーク ①