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⑮病気なんかに負けにゃい!

保護猫シェルターのネコリパブリックさんが、猫エイズの猫さんのことを「りんご猫」とよび、猫エイズの正しい知識の普及につとめるため、12月12日を「りんご猫の日」と提唱しているそうです。

グレぽんの「ぽん」は単に響きがかわいいのでいつからかそう呼んでいましたが、フランス語でリンゴという意味なので、それに掛ける意味でもぴったりだなと、呼び名が定着しました。

もうひとつ、気が付いてしまったことがあります。。。
母の命日は2013年の12月12日でした。。。

グレとおなじ自己免疫疾患でプレドニンを処方されていた母。

その命日が「リンゴ猫の日」・・・

なんだろう、もう、これはわたしの運命というか。
そのことに気づいたあたりから、すこしづつ、わたし自身の心の整理もできてきたように感じます。。。
この世で起こることは、すべて、「必然」だと思っていて。
先祖も子孫も、血のつながりがない人たちも、生き物の種すら超越して、すべてのいのちが個々に完結しているのではなく、ゆるやかにつながっているような、うまく言えませんがそんな感覚をおぼえていました。
「どうして母が」とか「どうしてグレだけが」とかあてのない恨み、絶望の感情をもっていましたが、すくなくとも、いま、グレは生きていて、病気と必死に戦っているのだから、わたしはもう、ただ、グレの生きる力を信じるしかない。グレのそばに寄り添ってあげられる存在は、私たち以外、いないのだから。
母は娘の私からみて、超能力者じゃないかと思うくらい勘がするどくて感受性の強い人でした。そんな母のメッセージのようにも感じられました。

母の分まで、グレは生きるのだ!

人間もそうですが、動物は、敏感に、雰囲気とか語気とかを感じるはず。
だから、わたしはグレの前では悲しい顔や声を出さず、常に明るく楽しい雰囲気をつくってグレを励ますことにしたのです。
・・「心配」ということばは、負のエネルギーに満ちていると思います。
相手に、「心配だよ」と言うくらいなら励ましの言葉や元気づける言葉をかけたほうが、どんなにプラスになることでしょう。
それでわたしは、先日みなさまからいただいたグレへの応援メッセージを、グレに読み聞かせることにしたのです!
耳をピクピクさせて、聞いてくれているように私には感じられました。
それ以外も、日常的に、
「グレは強い子」
「グレはぜったいよくなる」
「グレは病気なんかに負けない」
「グレは猫界一、ラッキーな猫さん」
「グレはえらい子」
「グレにはわたしたちがついてるから絶対大丈夫!」
・・・
「ことだま」というと何やら宗教的に感じるかもしれませんが、まだ言葉のわからない人間の赤ちゃんは、親の顔の表情や声の雰囲気で感情を読み取りますよね。動物もおなじで、野性的感覚でもっと敏感に、感じ取ってくれるはず。そう思って、何十回も何百回も、グレに言葉をかけました。笑顔で楽しそうな語気ではなしかけました。

それでも、毎日、仕事から戻ったとき、朝起きたとき、丸まって目を閉じているグレの体をみて、祈るような気持ちで、息をしているかどうか確かめるという、なんともみじめな日々はつづきました。。。

3月。生命に恵みをもたらす、穀雨。
雨は、木にも雑草にも、地上にも海にも、すべての生命に平等にその恵みを与えてくれます。
グレにもいのちの力を分けてください。
こんなにも雨が尊く感じたことはありませんでした。

雨をまとって美しく輝くハナミズキ



(つづく)



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