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ちび黒誘拐犯 初日

2020年4月21日ちび黒がやってきた。

1本の電話とフラッシュバック

知り合いからLINE電話がワン切り状態でかかってきた。

一瞬、数年前に亡くなった方からの名前に思えてビクッとした。
その人も猫好きで黒猫を飼っていた。里親探しも手伝ってくれたりした。
一人暮らしで役所勤めでウィスキーの好きなおじさんだった。

橋下知事だった時代に入れ墨のある人は役所首切り条例が出た。上腕にポイント入れ墨を入れていたおじさんは、自ら手を挙げて役所を辞めてしまった。丁度、愛猫が死んでしまってなんとなく色々パワーダウンしてたんだろう。そして、その後、時々は行きつけのBarに現れていたけど仕事をしているのかどうかは誰も知らなかった。何がきっかけかは、わからないけれど、そのおじさんは、暫くして自ら命を絶ってしまった。

その知らせを聞いた時、なんとなく気持ちはわかるな。と。
「何故?」ではなく「うん。。。そか。」だった。
一人暮らしの猫好きで不安定な暮らしをしている私としては共感しかなかった。

駐車場にポツンとちび黒

電話が掛かってきたのは、勿論別人で、滅多に電話が掛かってくることはない。というか初めて電話がかかってきたかもしれない。

「仔猫が鳴いているから電話してもいい?」とのLINE。

即(LINE)電話して、事情を確認する。

駐車場で仔猫が1匹だけで泣き叫んでいる。
周りに他の仔猫や親猫もいなさそう。
今にも道路に出ていきそうで車に轢かれそうで危ない。
ご飯も食べてくれない。で、黒猫やねん。と。

とりあえず、仔猫用の餌を買って駐車場に向かうつもりで場所を聞いてたのだけれど、連れてくわー。と、仔猫の方が我が家にやってくることに。

スーパーで仔猫の餌を買い揃えてるうちに電話がなった。

車で移動されたので、そっちの方が早かった。

ということで、みに行くだけのつもりがもう来てしまったので
今更戻せないしと腹を括って、猫の状態を確認してみた。

病院代は出してね!としっかり交渉に抜かりはない 笑


ちび黒とご対面

黒猫仔猫はかなり小さい掌サイズ。
そして、片目が目ヤニでふさがっていた。

これが原因で親猫たちを見失ってしまったのかも?

濡れたティッシュで目ヤニを拭き取ってやったけど、
目が真っ赤に腫れ上がってて開かない状態。

それ以外は、痩せてもいないし、元気あるし、大丈夫。
多分はぐれて1日も経って無さそうだった。

片目のちび黒

時間は20時。
普通の病院は閉まってしまったとこ。
救急なら開いているけど、治療費はかなり高くつく。
どうします?と確認してOK取れたので救急病院へ。

有難いことに、動物救急病院は我が家と目と鼻の先にある。

病院も何度も費用のことを確認してくる。
「とりあえず目を!」ってことでちび黒を預ける。

すると、目薬ひとつで開眼!!

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まさか1回でここまで効果あるとは!
結膜炎だったそうだけど
腫れも引いて赤いけど普通にひらいた。
失明しなくて良かったー!よかったー!

病院連れていったから、一瞬で治ったけど、そのまま暮らしてたら、やっぱり失明してしまうことだってあったかもしれない。そう思うと、捕獲されて私の元に来てこの子はよかったんだ。捕獲した人は眼のことは気付かずに事故を気にしてのことだったけど、これも運命だと自分を納得させてみた。

体重30g 生後1ヶ月ほど。黒猫男子♂
痩せてもおらず、肉付きよし。健康状態には問題なさそう。

「色々他に検査もできないこともないけれど、目薬だけだしとくねー。」
「明日、普通の病院連れてったげてー。」と診断書を受け取り、1.2万円。

ま、予測の範囲内。って私が払った訳ちゃうけど。
合う目薬を出してくれたことで、その功績はGood JOB👍


外猫3年🐈家猫20年

目薬は1日3回射さねばならない。翌日も病院へ。
猫を飼えないアパート暮らしだっていうし、まあうちで預かるしかないわな。と。電話が掛かってきて、連れてくる!って言われた時に覚悟はしてた。20年を背負う腹を括ってた。

気軽に電話してきたのだとは思う。きっと今頃ことの重大さに圧倒されてるのかもしれない。仔猫を親猫と引き離してしまった時点で、その仔猫のこれからの人生(猫生?)を背負うことになるのだ。親猫の確認も出来ていない乳飲み子を野良に戻すことは不可能。

猫寿命は、外猫で3年。家猫で長くて20年といわれている。

永く生きれば幸せだというわけではないけど。

外猫が不幸で、家猫が幸せ、なんてこともないけど。

このちび黒は、これからは家猫として生きる道を整えてやらねばならない。

なかなかの器量よしだし元気いっぱいだ。
生後3ヶ月以内で健康なら貰い手が出る可能性は高い。

ちび黒のこれからの20年を幸せなものにするために
まずは、持病がないことを祈ってる。
良き里親様が現れることを祈ってる。

私自身、今を生き抜くことにいっぱいいっぱいではありますが、ちび黒を見捨てるようなことは絶対にしないのです。なんとかしますよ。なんとか!魔法を使ってでも。

誘拐されたちび猫😾

ちび猫はずっとずっと鳴き叫んでる。

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そりゃ、そうだ。彼にとっちゃあ、迷子になったと思ったら、今度は見知らぬ人間に拉致されて色々身体を調べられ、何度も眼の中に液体を打ち込まれ、ひとりぼっちで建物の中に監禁されてるのだ。これはもう誘拐だ。

お母ちゃんに会いたいし、兄弟に会いたいし、ここはどこだよ。僕を帰して!みんなのところに返して!寂しいよ!帰りたいよ!ここから出せー!

きっとそう言いながら叫び続けてるのだ。私は彼にとっちゃあ誘拐犯。

なのに、怒る先も私なら、甘える先も私なのだ。なんだか気の毒だ。

今日もまた誘拐犯の膝の上で寝落ちして1日を終える。

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