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Walcom TD3Proを使う理由

2021年末に注文して1月半ぐらいで到着

真剣に塗装ブースを選ぶように吹き付ける空気も真剣に選んでますか?

どんなブースなら快適に塗装ができるんだろう?と、塗装する空間を考える人は多いと思いますが、塗装に使う空気自体はどうでしょう?

いくらハイスペックなブースを使っても塗装に使う空気自体が汚れてたり温度ムラがある状態では意味がありませんよね。
さすがにコンプレッサーから直。なんて人はいないと思います。

ドライヤー、フィルターを通してクリーンな状態にし、塗装用に使用するのが普通でしょう。
だけどその状態は一年中一定の気温、湿度が保たれているような気候の場所なら。という条件でしか機能しないのではないか?と前々から疑問に思っていました。
空気は圧縮すると熱くなり、反対に膨張させると冷たくなる。という性質があります。コンプレッサーで圧縮された時点では熱を持っていますが、エアーとして放出されるときは圧から解放され膨張するため冷たくなります。

機能性の高いブースは塗装環境を最適な温度に保つことができますが、供給されるエアーはコンプレッサーや配管の設置する環境で左右されるのでは?

夏はぬるく、冬は冷たい空気。というように供給エアに温度ムラが生じていればせっかくブース環境を整えても100%その性能を引き出せてないのではないか?と考えていました。

四季がある日本では各地で気候の違いもありますが、冬は寒く乾燥し夏は暑く高湿度というのが実際の塗装環境です。

じゃ、季節で変化する塗装環境に対応するにはどうしたらいいのか?
一つはブース
一つはエア
ということになります。
そして多くの人は塗装できる空間(ブース)を重視して考えるのではないでしょうか。
ブースは塗装する環境を整える道具です。

一方エアは塗料そのものの性能を引き出すための道具だと思います。
ガンやブース、塗料にこだわるのと同じようにエアの温度や質にもこだわりがほしくないですか?

例えば、高級米をどぶの水で炊こう!なんて人はいませんよね。せっかくだったら「なんちゃらアルプスのおいしい水」とか使いませんか?
自動車用塗料だって最適な温度のキレイなエアで塗装した方が本来の性能を引き出せると思いません?

大枚をはたいて拘って作った風呂場にお気に入りのシャワーヘッドを取り付けて「よっしゃ最高のお風呂だー!」と蛇口をひねったら冷たい水しか出ないのでは本末転倒じゃないですか。
開口一番、「お湯でねーのかよ!」と突っ込んで、満タンに冷水を貯めた大理石の浴槽でむせび泣きます。
真冬にキンキンに冷えた水をいいねー!と浴びる人はいません。それは変態です。
だったら風呂場のスペックを上げるより、まずはちゃんと思い通りの量で最適な温度のお湯が供給されるようにする方が風呂本来の機能として大事なんじゃないの?と自分は思ったわけです。

それと同じで塗装のエアも季節に合わせて温度調整出来たらいいな。と考えていた時、コレ買いだな‼️と思った訳です。

乾燥モードで手元のエアー温度の設定は最大70℃

寒い冬でも塗装に使うエアは塗料の性能を発揮できる25℃(調整可能)で吐出できます。(塗装モードはMAX35℃ 乾燥モードはMAX70℃)
35℃で塗装しているとガンのボディ自体も暖かくなります。

もちろん最高のブースでピュアで適温のエアを使える環境が整っていればそれに越したことはありません。
でも、一人二人でやっているような小さくスペースも限られた鈑金塗装店にリスクを取ってそれだけの設備投資をできる人は少ないのではないでしょうか。

当店も塗装ブースはカーテンタイプを使用していますがミストの集塵能力や室内の温度調整ができない等、欠点を挙げればきりがありません。
それでもカーテンを開ければ広く作業スペースとして使える点を気に入り使用しています。異なる2つの機能を兼ねているのですから当然一つひとつの能力は箱ブース単体や各作業専用のスペースに比べて劣るのは当たり前です。
そんなことわかっているけど何とか塗装品質を少しでも引き上げたい!
と思い購入したのがTD3Proというわけです。

端折っていえばブースを新調するのに比べれば低リスク低コストで塗装品質の向上が期待できる物。という事です。
とはいえいくら低コストと言っても激安格安の部類の道具ではありません。むしろ買うのに躊躇する金額の道具です。
ちゃんとお金をかけて買った分以上の働きをするだろうという見込みとか観点が無いと無駄な買い物になります。
あくまでも超高額商品のブースを買う前にTD3Proを導入して試してみるのはありなんじゃないかな?と言いたいのです。

当然ですが塗装専門のスタッフがいて、入庫が大量にあり毎回全塗装や大面積を塗装したり大量のパーツを同時塗装で捌いてかなければならない場合は有無を言わさず絶対いいブースを買った方が得策です。絶対いいブース買ってください!

かたや自分のような超小規模な個人店で自ら鈑金も塗装もする場合、どうしてもブースを遊ばせている時間というのが出てきてしまうし工場のスペース的にも箱を置いてしまうと邪魔になり生産性が落ちる。なんてこともあります。
だったらカーテンブースでスペースを確保しながら不足する機能は材料や機材に補ってもらうというスタイルが合います。
その機材の一つがTD3Proというわけです。

ほんとは国産メーカーでこういうイケてる道具をリリースしてくれれば一番いいんだけど何やってんだろうなーって感じですよね。
目の付け所がいまいちすぎて残念です。


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