KANTA

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  • 今も二十歳の君と

    完全フィクション。でもどこかの街ではノンフィクションかも

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俺の話

本当に何度も消して書いてを繰り返した 小説の時は多少のフィクションとオチを考えればスラスラと文字が書けるのに、自分の実話ってなると中々綺麗な言葉が見つからない そんな話がやっと書けた 理由は自分でも分からない 大人になったから? HighLandをオープンするから? もしくは何かが吹っ切れたから? 理由はともかく、 これが俺のバックグラウンドで 毎日想ってることで 信念で 俺の話なんだ 中1の時 幼馴染の女の子に恋をした 生まれた時からずっと一緒

    • 恋音part3

      朝起きるとキッチンからいい匂いがした 枕元にメモが置いてある 「至急キッチンに来るように。美味しい美味しいご飯が待ってるよ」 くだらないメモだった 「Kおはよ。やっと起きたね〜もう昼だけど」 そう言いながら音は目玉焼きを作ってる 『俺半熟でよろしく』 「言われなくてもわかってるよ〜てか、K目腫れすぎ…泣いたんだな〜可愛いやつめ〜」 『茶化すなよ。お前も泣いてたろ』 「何の事〜?それよりさ、食べたら海行こうよ」 お互いに、いつも通りを演じてるのはわかってたけ

      • 恋音part2

        所々記憶がない きっと自分で記憶に蓋をしてるんだと思う 最近は昼も夜もすぐに気持ちが落ちてしまう 今はまだ横にいる音が もーすぐ居なくなるって考えると… あの夜 音が居なくなるって知った後 放心状態の俺に樹が色々聞いてきたのは覚えてる 音と付き合えたか? そんなことを聞かれ、あいつはもーすぐ居なくなる それだけ返して布団に潜った気がする 回りくどい話を省くなら、音が居れば幸せだと思った 修学旅行から帰るなり親に問い詰めた 音が居なくなることは知ってた

        • 恋音 part1

          いつからだろう 朝、目が覚めると苦しくなったのは いつからだろう 乗りもしない駅のホームに行きたくなるのは いつからだろう 一人で夜の海に行くようになったのは 今どこで何をしてるんだろう 今日は何を食べて 何処に行って 誰を想ってるんだろう 君と過ごした日々を思い出しながら 俺は今日も生きてる 20XX年中3の俺 両親が共働きで朝早く家を出てたから 寝坊して学校に遅れるなんて事は日常茶飯事 気づいたら10時で先生からの不在着信 またやっちまった

        俺の話

        マガジン

        • 今も二十歳の君と
          7本

        記事

          今も二十歳の君と 最終話

          前回はここから↓ 頭じゃ分かってるのに体が追いつかない そんな毎日を一年くらい過ごしてた 有名になるには金持ちになるのが一番の近道だと判断し,色々と試しては失敗を繰り返した クールで余裕を気取ってる今の俺からは想像もつかないかもしれないが、何万回も失敗してるし才能なんて全く無い 周りから野次られて,悔しくて、ムカついて 借金も膨らんだし人生賭けてるつもりだったんだけど、この頃の俺は覚悟が甘かったんだろう 昔は悪さだけに知恵を使ってたから、いざ悪事なしで稼ぐとなる

          今も二十歳の君と 最終話

          今も二十歳の君と part6

          前回はここから↓ 疲れ果てた俺が目にしたのはテーブルの上に置かれた一枚の手紙だった 手紙と呼ぶには汚すぎるノートをちぎって書いたあいつらしい手紙 「k君。色々と助けてもらったのにずっと黙っててごめんなさい。わたし親の借金返すために闇金から沢山お金借りてて,返しきれなくて東京に逃げてきたの。でももう逃げきれないみたい…k君にこれ以上迷惑かけるわけには行かないから私一人で行くね…最後にk君に会いたかったけど時間が無さそうだから手紙だけ置いて行きます。本当にありがとう。大好き

          今も二十歳の君と part6

          今も二十歳の君と part5

          前回はここから↓ あの日の事はいまだに思い出す お世辞にも美味しいとは言えないラーメンを食べている時に、 静寂の中で雨の音だけが聞こえる夜に、 どんな時でも付き纏う後悔が 俺を鎖で繋ぎ、過去に留める。 中村さん達に挨拶をし、俺は急足で家に向かった 予報には無い雨が降り出す だが、夕立が止むまで時間潰すという選択肢は俺には無かった びしょびしょになりながら、まるで映画の中のワンシーンの様に走った 家で待つ望のところに向かって 雨漏れなんて当たり前ってほどボ

          今も二十歳の君と part5

          今も二十歳の君と part4

          前回はここから 俺と望の共同生活は平穏そのものだった。 お互い人に言えないような事をしてはいたが これといって目立ったトラブルもなく 強いて言うなら隣人が俺らの痴話喧嘩にうるさいと文句を言ってきてた事くらいだ。 そんな平穏な日々も長くは続かなかったがな。 今でも忘れもしないある満月の夜。 望が仕事が休みだって言うから寿司を食いに出掛けて DVDを借りて家で映画鑑賞をしてた。 ドンドン 壊れるんじゃないかと思うくらいの勢いで誰かがうちのドアを叩いた。 望を

          今も二十歳の君と part4

          今も二十歳の君と part3

          前回はここから 「お前いつ出て行くんだよ?いつまでも此処に居られたら迷惑だ」 そう突き放した俺に、望は貯金が貯まったら出ていくと言った。 家事や掃除には自信があるから、寝床だけ貸してくれ。 無邪気な顔でそんなことを言ってくる望に、どーやって稼ぐんだと聞いた。 知り合いの風俗店の店長が好条件で働かせてくれるらしい。 「結局身体か。ったく女ってやつは」 何故かムカついた。 「K君ありがとう。じゃあ私今日から勤務だから行くね。電話するから帰ってきたら絶対鍵あけてよね

          今も二十歳の君と part3

          今も二十歳の君と part2

          前回はここから 1Kのボロい俺のアパートに着くと同時に望が言った。 「あのさ...泊てもらうお礼ってさ、お掃除とかじゃだめかな?」 自分自身の体に値段を付けられた事のある女じゃないと出てこない台詞だと思った。 それくらい18の俺でも分かったし、今にも消えて無くなりそうな女の目を見れずにこう言ったんだ。 「誰もお前なんか抱かねぇよ。骨と皮の女に欲なんかねぇよ」 あの時のあいつの顔は今でも忘れてない。 真冬に凍りついた空気の中、俺が続ける。 「腹減ったからコンビニ

          今も二十歳の君と part2

          今も二十歳の君と part1

          K君今日何食べたい?  不器用で愛想もない俺に満面の笑みで語りかけるお前が居なくなってからもう何年経つかな。 あの日は朝まで安酒を飲み散らかしてて、最悪な気分で家に帰ったら お前はもう居なかったんだよな。  毎日居場所を探して飲み歩いては喧嘩を繰り返す日々。 18歳の俺には金もなかったから運び屋やったり悪徳な店のキャッチやったり 肩で風を切って歩いてた。 ある日いつもの様に街歩いてると、中村っておっさんが声をかけてきた。 このおっさん相当な悪で、家出少女を風俗

          今も二十歳の君と part1