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"開放と閉鎖"が絶妙なゲイバー

ゲイバー初入店

最近、"ゲイバー"の人気が上がり続けている気がする。「ゲイバーが面白い」という声を何度も聞いていたからだ。ゲイバーとは、名の通りゲイの人が経営しているバーである。ぼくも1度はゲイバーに行ってみたいと思っていた。たぶん、1年以上は思っていた。

そんななか、きのう、一緒に飲んでいた友達が「行きたいゲイバーがあるから2軒目そこに行こう」と言ってきたので、もちろんぼくは秒速で「いいね、行こう」と返した。やっと念願が叶った。

ぼくたちが行ったのは大阪梅田のゲイバーで、連れて行ってくれた友達は2回目の入店、ぼくは初めてという感じだったのだが、期待通り、いやそれ以上におもしろいところだった。

ゲイバーという業態

ぼくらが行った店は、金曜と土曜は基本的に朝まで満席で、調子が良いときは立ち飲みの人で店が溢れるような繁盛店らしい。しかし、そのときは月曜日の夜10時ごろだったので、ぼくら2人以外お客さんは誰もいなかった。つまり、貸切だった。そのおかげもあり、ゲイバーという業態についても色々お話を伺うことができた。

まず驚いたことに、梅田近辺にゲイバーは200軒ほどあるそうだ。そして、店主はご近所さんとも繋がりがあり、近くのお店の状況とかはなんとなくわかるそう。じぶんの店が繁盛しているためか、他店から冷やかしに来る人とかいるそうだ。

また、ゲイバーには大きく分けて2種類あるそう。ひとつはLGBTの人以外入店ができない「閉じたゲイバー」で、もうひとつは入店制限のない「開かれたゲイバー」である。ぼくたちが昨日行ったところは「開かれたゲイバー」で、どんな人間に性的な魅力を感じるどうかは全く問われない。完全に門戸が開かれている。むしろ、「門戸が開かれていて」かつ「ゲイバー」なので、人間特性による閉鎖性はほぼ無い。あるのは、少し入り組んだ道のビルの奥にあるという地理的な閉鎖性だけだ。

そのせいか、聞いた話によると、客層はかなり雑多な感じになるという。男性に飢えた女性がたくさん店に群がったり、美人なため男性からの誘いが止まらないけどレズで全然男性に興味を示さないという女性がいたり、性に関心のある処女のための性講座が朝5時から始まったりと、ほかのバーでは聞いたこともない話が店主の口からたくさん聞けた。「そりゃ、繁盛するわ〜。」と思った。だって、また行きたいってなるもん。つぎは金曜土曜あたりに行こうかな。

で、なんでこんなに雑多で面白い店が出来上がるのかを考えたところ、開放と閉鎖のバランスが絶妙なところにあるんじゃないかと思った。

"開放と閉鎖"が絶妙

さきほども書いたとおり、ある程度フットワークが軽くないといけないような「地理的な閉鎖性」がある一方、ゲイバーだけど入店制限はないという「人間特性に関する開放性」がある。

また、店主はSNSによる情報拡散を全くしておらず、ネットに対しては「閉鎖」している一方、店を好きになった人が友達を呼び、その友達がまた友達を呼ぶという感じで、"ゆるさ"と"人情"を兼ね備えたネットワークを使って情報を「開放」している。

そういった感じで「開放」「閉鎖」のバランスが絶妙なため、アットホーム感を残しつつも、日本特有の"同調性"を排除した解放感ある居場所が出来上がっている。というか、1回しか行ってないのに"居場所"なんて言っちゃった。それくらい「肩の力が抜けた歓迎感」があり、また行きたい、行こう、となる。

ほかにも、店主がお客さん同士をつなげるハブになって、全然知らない人同士をつなげて最終的に結婚したという事例が2件もあったりなど例を挙げればきりがないほど、「なにが起こるかわからんけど面白いことが起こる」店なのだな、と感じた。

なんか、ゲイバーについてというより、昨日行ったお店をべた褒めするだけの感じになったが、とにかく「開放」「閉鎖」のバランスが良ければ雑多で面白い場所は生まれるんだな〜、なんてことをおもった。

おしまい


里芋です。