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イーロン・マスク氏をインサイダー取引疑惑で州年金基金が提訴か

こんばんは。

投資は、人によって方針が異なります。
クセと言っても良いかもしれません。

私はある程度の柔軟さが大切だと思っているタイプですが、それでも色々なクセがあります。
その1つに、このnoteでも何度もお伝えしている通り、「TESLAには投資しない」というものがあります。
厳密には、TESLAそのものではなく、「イーロン・マスク氏には投資しない」という事になります。

以前の記事でも、TESLAはこれからも成長する可能性があることに触れつつ、それでも私はTESLAには投資しませんと書きました。

現在TESLAはロボタクシー事業に注力しています。
素晴らしいですね。
実現すれば、パラダイムシフトに近い強烈なインパクトがあると思います。
そして、イーロン・マスク氏あってのTESLAですので、私は個人的にイーロン・マスク氏なら何かしら形にしてくる可能性があると思っています。

TESLAにも、そしてイーロン・マスク氏にも、世界に変化を加えることができる可能性を感じさせる夢があります。

しかし、私は投資はしません。

こんなにベタ褒めするくせに、なぜなのか?

理由はずっと変わっていません。(増えはしました)
1つ目は、「投資家を大切にしない」という姿勢です。
2021年末、テスラの業績悪化IRが発表される直前に、イーロン・マスク氏がテスラ株を大量に手離した(利食いした)ように見えると、以前の記事で書いたことがあります。
その後にIRが発表され、テスラ株は急落しました。

その時は、私の指摘が正しければインサイダー取引で訴えられるので、私の勘違いなのではないかという指摘を複数いただきました。
それに対して、私は言い返すことは出来ないと書きました。
私もそう思うからです。
しかし、タイミング的に、何故大丈夫なのか不思議でした。

今になって、米国にてちょうどその頃のマスク氏の利確がインサイダー取引であったとして、提訴されたニュースが出ています。
業績悪化IR発表の直前に大量に株を売却したと記載されています。

真相は分かりませんが、州年金基金が提訴するほどの根拠があるとのことですので、やはりあれは疑わしかった事は間違いないようです。

2つ目は、「従業員を大切にしない」という姿勢です。
Twitter買収時も、そして現在業績に陰りが見えてきたタイミングでも、まずやることはリストラです。
そして、そのやり方は、メール1本で通知して翌日には社員ページにログイン出来なくして追い出す方法です。

米国では日本とは社員に対する考え方が違いますので、米国の社会的に許されている行為のようです。
なので、社会的倫理観がどうかという話はするつもりはありません。
現地には現地の「正しさ」がありますので、部外者の私の「正しさ」が現地のソレに勝ることは有り得ません。

しかし、セミリタイアしたとはいえ、私は現在も会社の最高責任者です。
同じ社員を雇っている立場の者として、個人的にこのような行為は「嫌悪感を伴ったドン引き」に値しますので、社会通念など関係無く、個人的な感覚として相容れません。

業績が上向かない時、その責任は当然社長にあります。まずは社長が責任を取るべきです。であるからして、最高責任者なのです。
真っ先に責任を取るから最高責任者なのであって、先に責任を一般社員に取らせる(解雇する)なら、最初から一般社員を最高責任者にすべきです。

社員は使い捨てて当たり前のスタンスは、米国で認められていても、私は経営者としても投資家としても理解を示す気になれませんので、やはり投資対象にはなりません。

3つ目は、「客を大切にしない」という姿勢です。
ご存知の通り、テスラは販売業績が悪化すると度重なる値下げで対応してきました。
これ、日本の車業界では有り得ない行為です。

車業界では、売った車は客の資産であることを理解しています。
中古車市場があり、保有されている車に値がつくものですので、当然です。
つまり、メーカー側の「この車の価値はこのくらいです」という保証は、その車の保有者にとっては、そのメーカーへの信頼となります。
具体的に言うと、販売業者が商品の市場価値をある程度保証しているということです。
これは、高級腕時計なども同じです。
商品の社会的価値を維持するため、ロレックスは値下げしません。

客が車を買う時、乗り潰すつもりがないのであれば、その車のリセールバリューは大切な判断要素です。
そのリセールバリューを維持してこそ、信頼のおける車会社と言っても過言ではありません。
少なくとも、社会に向けて「価値の無い車を高く売りつけるようなことにならないようにします」という姿勢の表れとなりますので。

同じものを値下げしていく行為は、それ以前に買った客(顧客)に「実はこれ、あなたが買った値段の価値は無い物なんですよ。私に上手く騙されましたね」って言ってるようなものです。
転売元が、「その商品の価値を維持するつもりはサラサラ無い」と主張していることになります。
リセール市場が発達してない業界ではさほど問題になりませんが、車業界では大きな問題です。

この姿勢は海外でも問題視されているため、海外の大手レンタカー業者がテスラを一斉に手放すなど、販売元が商品価値の保証をするつもりのない車を保有するリスクは許容すべきじゃない事を主張しています。

これらの3つの方法で、イーロン・マスク氏は世界トップレベルのお金持ちをキープし、今現在も多額の追加報酬を要求しています。
つまり、TESLAは「投資家」「従業員」「客」を消費することでイーロン・マスク氏だけが儲けるシステムを構築した会社という印象です。

私はこれらを素晴らしく効率的なシステムで、ビジネスマンとして非常に優秀だと感じています。
そして、先述のロボタクシーなど、世界を変える可能性を秘めた夢のある会社だとも思っています。

以上、TESLAは優秀なトップがいる効率的で夢のある会社ですが、これからも私の投資対象にはなりません。


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