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初心者投資家の聖域、ドルコスト平均法すら嘘にまみれているという事実

この記事は、
前々回の記事「9割の人が騙されている嘘の投資情報が蔓延しているので、注意喚起です」
前回の記事「積立投資は時間のリスク分散にはならないという事実」
の続きとなります。

3連投の記事となりましたが、今回で完結です。

このテーマの記事で最後にお伝えするのは、否定すると猛批判を受けるであろう、初心者投資家の聖域であるドルコスト平均法の嘘です。

投資に参加し始めた頃、多くの人は損失への不安にかられています。
巧妙にもその不安を解消した気にさせるために使われる言葉が、ドルコスト平均法です。
積立投資を始めた初心者の方で、ちゃんと勉強しようとするタイプの人からは100%この言葉が口から出ます。
実際、どの程度有効であるかなど把握していないのに、積立投資が一括投資に対して、いかに有利であるかの証明として、ドルコスト平均法という言葉が使われています。

例えば、楽天証券が出しているトウシルの記事でも、ドルコスト平均法について誤解を招く表現をしています。

最近の記事でも、「30年前から毎月5万円S&Pに積立投資していたら、ドルコスト平均法の効果で1億3901万になっている計算になる」と書いてます。

ドルコスト平均法が凄く優れていたような表現ですが、ここで気をつけないといけないのは、ドルコスト平均法の効果が得られない一括投資だった場合、2億円を超えているという事実です。

つまり、正確にこの記事の意味をお伝えすると、ドルコスト平均法の効果(悪い意味での効果)で、数千万円の利益を目減りさせたという意味になります。

これこそモノは言いようだなと感じるのですが、この記事の文章は、ドルコスト平均法の良いことは何も語っていないのに、ドルコスト平均法が良いもののように読み取れる文章にしています。

このように、多くの記事で読み手にミスリードさせるために使われる、もはやちょっと悪意のある単語になってしまいました。

さらに面白いことに、数式にすると、「少なくとも定口よりは定額のほうが有利である」という最低限の優位性すら否定しうるものが出てくるのです。
まぁ定額か定口かという判断が致命的な投資リスクに繋がる事はないので、そこまでマニアックになる必要はありませんが。
何よりこの数式を理解するのは、投資で成功するより遥かに難解ですので、趣味の世界となります。(ググればヒットします)

なにはともあれ、ドルコスト平均法には大きな損失を埋めるような効果は無く、積立投資という時点で、リスクが全投資期間中で極限に達した最後に大きく下がれば確実に損失になります。

何故かこの事実に触れているのは、ごく少数の投資家と経済評論家のみです。

しかし、安心してください。
履いてま・・・じゃなくて、たとえドルコスト平均法に優位性が無くとも、投資で利益を出す事自体には何の影響もありません。
そんなものを心の拠り所にしなくても、利益は出ます。
それを実証してるのがこのnoteのあるべき姿です。

最後に、この連載記事の最初(前々回)にお伝えした、この連載記事の趣旨である、情報の信憑性を精査する方法をお伝えして終わります。

それは、前々回の記事で説明した、「他の前提と矛盾していないかどうかを考える」ということです。

積立投資がドルコスト平均法で最強みたいな表現が溢れてますが、長期投資が優位であるという前提が正しいなら、運用期間が半分になってしまう積立投資が優位であるはずがないのです。
このように、難しいことを考えなくても、複数の前提を照らし合わせてみて、それらが矛盾していれば、何かが間違っているという事に簡単に気が付けます。

有名な投資家がよく言う言葉が、「投資の世界では少数派こそ正しい」という内容です。
アメリカの大学院で広く使われる書籍にも記載されていました。

日本の相場の格言でも、「多数派は常に間違っている」という言葉があります。

相場の格言ということは、投資だけではなく投機も含まれます。

これらも、考えてみれば当たり前なのです。

株やFXは、ほとんどの人が儲かっているものである。

なんて話を聞いたことがあるでしょうか?

逆ですね。
ほとんどの人が成功しないという話なら、いくらでも聞いています。

多数派が正しければ、そんな事にならないはずです。
勝ってる人間が少数派の時点で、つまり多数派が間違っていると考えるのが自然です。

バフェットも、意味のニュアンスこそ違いますが、最も危険な言葉は「他の誰もがやっている」だと公言しているため、少し共通するものを感じますね。

みんなが積立投資が最高とかドルコスト平均法が素晴らしいとか言っていても、正しいとは限りませんので、投資をするなら、大衆に飲まれず自分の頭で考える必要があります。
長いものにまかれるのではなく、ちょっと人と違うことを言ってる人の話を聞くべきです!(私の自己アピール?)

では、なんの為にリスク分散にも利益増大にも優位性の無い積立投資をするのか?

答えは1つです。

「お金がないから」

これだけです。

どんな世界でも、お金がある方が有利です。
当たり前ですね。

一括投資は、お金がないと出来ません。

お金が無いと、嫌でも積立投資をする以外に選択肢がないのです。

誰もが取れる選択肢と、一部のお金持ちしか取れない選択肢。
どちらが有利であるかなど、本当は考えるまでもないのです。
そしてこれも、少数派が有利な構図です。
だから裕福な人間ほど儲かって、そうでないほど儲かりづらい世界が出来上がってるわけですので。


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