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積立投資は時間のリスク分散にはならないという事実

この記事は、前回の記事「9割の人が騙されている嘘の投資情報が蔓延しているので、注意喚起です」の続きとなります。

前回の記事の最後で、「積立投資は時間のリスク分散になる」というのも嘘であると書きました。
今回の記事では、何故それが嘘になるのかを詳しく説明します。

積立投資がリスク分散になるという言葉は、「リスク分散」の概念が全く理解できていない人の主張です。

理解しやすいように、まずは金額の分散投資の説明をします。
当たり前の話なので、皆さんご存じだと思いますが、実は当たり前だと思っているのに理解ができていない人が多数派なのです。

①A社に3万 B社に540万 C社に1080万

②A社に541万 B社に541万 C社に541万

①は偏りすぎていて、C社が倒れたら終わりです。
②はどの会社が倒れてもリスクは同じです。

当たり前過ぎますか?
当たり前過ぎますね。でも、もし本当にこれが当たり前だと思うほど理解できていたら、「時間分散は一括投資でしかできない。積立投資をしたら時間分散は不可能になる」という言葉に納得できるということになるんです。

不思議でしょうか?説明します。

先ほどの例に時間のリスク分散の概念を当てはめてみます。


1ヶ月目で3万・・・10%の変動で±3000 
15年で540万・・・10%の変動で±54万 
30年で1080万・・・10%の変動で±108万


1ヶ月目で1080万・・・10%の変動で±108万
15年経過で1080万・・・10%の変動で±108万
30年経過で1080万・・・10%の変動で±108万
いかがでしょうか?

①は、30年間毎月3万円を積み立てた場合の元本です。
②は、同額を一括投資した場合です。

①は、例えば序盤に100%値上がりしても、終盤で1%値下がりしてしまったらトータルでマイナスになるのが分かります。
終盤の変動リスクは序盤の300倍を超えています。
序盤でどれほど利益や損失が出ても、終盤にどう動くかに全てがかかっているということです。 
ギャンブル性の高さが伺えますね。
金額のリスク分散の例を思い出して見てください。
リスクがかたよっていて、分散できていないということが分かります。

②は、いつでも変動率に対する変動額が一定です。
つまり、前半に上がった場合も同額の含み益となるため、終盤に下がったとしてもリスクの増大は無いということです。
どの時点でも変動リスクが同じということは、時間のリスク分散ができているということです。

ここで分かるように、時間のリスク分散とは、全投資期間の変動リスクが一定である事を指します。
全投資対象の金額が一定である事を金額のリスク分散と言うので、それと合わせて考えれば分かりやすいです。
ということは、投資期間中に常に元本が変動していく(リスク資産にまわした元本の総額が増えていく)積立投資では、変動した時期によって変動額が強烈に変わる(30年で300倍以上)ので、時間のリスク分散は不可能ということになります。

積立投資は日を追うごとにリスクが増大していくということです。

簡単に言うと、前半にリスクを取らないで、後半にすべてのリスクを取るのが積立投資です。
積立投資とセットで言われるドルコスト平均法で多少の恩恵があったとしても、後半に下がれば結果は同じです。

また、乗った利益にさらに利回りが発生する現象が起きるので、複利効果という言い方をされますが(投資信託に複利効果という表現は適切ではありませんが、便宜上使われます)、積立投資では序盤の利益などないに等しいので、その効果も序盤の利益が後半と同じ利益になる一括投資の方が圧倒的に効果的です。

ドルコスト平均法の平均取得単価を下げるという効果も、下落してしまってもこの効果で相殺できて利益が維持できるなんていう大きな効果はありません。
気休め程度のものですので、実際の損益への影響力は圧倒的に後半の下落のほうが強烈です。

また、先ほどの例を見て、10%で108万の変動リスクが大きいなと感じた方は更に注意です。
積み立てていくうちに、自分では許容できないリスクの大きさを気付かずに取ってしまうことになるということを意味しています。

このように、積立投資は開始当初のリスクの低さ(投資効果の無さとも言えます)に気を取られて、次第に大きくなっていっているリスクの実際の大きさに気が付きにくくなるというデメリットも内在しています。

いかがでしたでしょうか。
現実では積立投資には利益を増大させたり、損失リスクを減らしたりする効果はありません。

ここでもう一つ。
先ほど少し触れました、ドルコスト平均法を誤解している人達が大きいことが気になります。

ドルコスト平均法は、初心者投資家にとっての聖域です。
もうこれを頼りに投資に参加した不安を解消しようとしているといっても過言ではありません。

なので、否定すると大変な批判を受けるのが今の現状です。 

しかし、私は当時の真実を知ってこそ、投資で利益を出し続けることが出来ると確信していますので、このnoteでは事実を伝えます。

次回の記事では、このドルコスト平均法の報道すら嘘まみれである事に触れていきます。

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