マイク

M1王者ミルクボーイに学ぶ「型」の大切さ

M1史上最高得点

私はお笑いが大好きだ。

笑うこと、笑わせることは人を幸せにすると思う。

どれくらいお笑いが好きかというと、

M1がテレビでついていたとしたら見るくらいだ。

ほなお笑い好きとちゃうかーー!

とまあしょうもないネタはこれくらいにしておこう。
全然面白くないのがバレてしまうので。


2019年12月22日。
M1グランプリ15代王者が決定した。

コンビ名は「ミルクボーイ」

正直誰それ?状態だった。
少なくともわたしの中では完全ダークホースだった。

おそらく多くの人がそう感じていたと思う。
失礼ながら他の実力派コンビが優勝するだろうと思っていた。

「コーンフレーク」

このワードを見るだけで印象的なツッコミが頭の中で再生されるのは私だけではないはずだ。

このネタが会場の空気を一つにしていた。
比較的テンポの緩やかな漫才が会場を何度も沸かせた。

審査員の面々の表情を見れば結果は明らかだった。

合計得点は 681点。

15回にわたるM1の歴史上最高得点をたたき出した。

そしてその勢いそのまま決勝で、同様の型を用いたネタ「もなか」を披露。

審査員7人の内6票を獲得し、見事優勝した。


ミルクボーイ最強の型

なぜ彼らの漫才が多くの人の心を掴んだのか。

それは彼らの漫才には最強の型が存在するからだ。

M1終了後、YouTubeでミルクボーイの他のネタも見たが、どのネタも大筋の型は同じだ。

簡単に彼らの漫才の型を説明しようと思う。

その前にまだミルクボーイの漫才をご覧になったことが無い方は、
こちらからぜひどうぞ↓↓


ボケ「オカンが好きな○○の名前を忘れた」

ツッコミ「ほな一緒に考えたげるから特徴言って」

ボケ「(○○の特徴を言う)」

ツッコミ「その特徴は完全に○○やないか」

ボケ「いやでもな、(○○のではない特徴をいう)って言うねん」

ツッコミ「ほな〇〇とちゃうかー、〇〇言うたら(〇〇に対してのあるあるや特徴を言う)やもんね」

(この下りを何回か繰り返す)

ボケ「でもな、オカンが言うには〇〇では無いねん」

ツッコミ「どんな気持ちで聞いてたん?」

ボケ「オトンが言うには△△やないかって」

ツッコミ「いや絶対違うやろ」

END


ざっくり過ぎて彼らの面白さが全然伝わらないかもしれない。
それは私の責任だ。

ただ、改めて、この型は最強だと思う。

〇〇に単語を収めるだけで素人でも簡単にネタができる。

この型を使ったツイートやネタをいくつか見たが、大抵面白い。

ツッコミに皮肉とユーモアが自然と入って、
素人が使っても面白くなる型なのだ。

これが彼らの型の最強たる理由だ。


彼らはこの研ぎ澄まされた1つの型を持って、
M1の大舞台で優勝という人生を変える成果を成し遂げたのだ。

その型を作り上げるまでの過程の努力は計り知れない

この型にたどり着くまでにいったいどれほどの漫才を作り上げ、練習を積み重ねたのだろうか。

きっと何本もネタを書いた上に行き着いた、彼らなりのゴールに違いない。

きっとそれは彼らだけではないだろう。

M1に出場した数多くのコンビがそれぞれの型を持ってあの舞台に臨んだ。

ただ、その中でミルクボーイだけが優勝を掴み取った。

最強の型で。


「型」の重要性

安定した高い品質のものを生み出そうとする時、型は欠かせない。

ここまでは彼らの漫才の型の重要性について言及したが、それは漫才に限った話ではない。

資料、プレゼンテーションなどの文書作成。
パン、麺などの食品工場。
挨拶、マナーなどの文化。
柔道、剣道などのスポーツ。
かめはめ波、ゴムゴムのピストルなどの必殺技。

あらゆるものに型が存在する。

それはなぜだろうか。

毎回0から何かを作ろう、覚えようとすると大変な時間と努力が必要になるからだ。

型を作る、覚える方が圧倒的に効率がいい。

型は体に染み込ませることで淀みなく、迷いなく実力を発揮する上でも重要だ。

そして型はブランドにもなる。

あの型と言えば誰、というようにイメージがつけば、
その人、組織に対する信用はぐんと高まり、ファンも付く。

このように型こそすべてという訳ではないが、メリットだらけだ。


終わりに

ミルクボーイの素晴らしい漫才から、型の重要性を改めて実感した。

といっても、型は彼らの良さの一部分でしかない、

良く通る声質の良さ、
誰にでも聞き取りやすいテンポ、
あるあるな共感を呼び起こすワードチョイス、
アイスブレイクの掴み、などなど。

完全に素人からみての感想だが、様々な要素が噛み合って、素晴らしい漫才を作り出しているのだと思う。

素晴らしい物にはちゃんと理由がある。


彼らはあの型でどこまで行くのだろうか。

それともあの型を派生させるのだろうか。

はたまた別の型を身に着けるのだろうか。

いずれにしても、M1王者の肩書に気負うことなく、
彼らなりの型を武器に、これからも活躍をしてほしい。


私もこの人生の中で、たくさんの事を経験し、学び、
自分なりの生き方の「型」を身に着けていこうと思う。

たくさんの笑いと気づきを生んでくれた芸人さん達に感謝

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