日本初の記事!?世界のiPaaSを一挙紹介~貿易商社の現役社内SEガ綴る中小企業がDXで失敗しないための記事~

※2021/09から元貿易商社勤務になりました

中小の貿易商社でDXを推進しているオートメーションエンジニア・つのはたです。

iPaaSを調べだすと、昔からあるIFTTTや、市場で先行しているZapierにすぐ行き着くかと思いますが、競合は他にもまだまだ沢山あります。
私の一連(予定)の記事で紹介している通り、SaaS系でできることは利用を開始してみないと分かってきません。しかも、それを使いこなすスキルを身に着けないといけません。そうなると、比較検討しようと思うととても時間がかかることなので、ぜひこちらの記事を参考にしてください。

Power Automate

―無料で始められて、ローカルRPAともコネクトできて、あらゆる業務の完全自動化を目指せる!

以前はMicrosoft Flowという名前だったり、利用できるプランがMicrosoft 365 Business Premium以上のプランだったりしたのですが、現在はGoogleアプリや各種ストレージサービス、SNSなどポピュラーなものであれば、お持ちのMicrosoftアカウントで無料で始められます。
無料でありながら、自動レシピの稼働回数や所要時間などに対して特にすごく気をつけるほどのリミットがないことも特徴です。後述しますが、他の有料iPaaSと組み合わせて使うと費用が抑えられると思います。
あるととても融通が利くHTTP get/requestとWebhook、kintoneやsaleforceなど主に法人が利用するSaaSに連携させたい場合は1,630円/月の有料プランが必要です。
なのでiPaaSに興味がある方はまずはこれを使ってみてください。
いつも決まった宛先から来るファイルをいつものところに保存、転送するなんてことがパッとできてしまいます。ついでに後処理をタスク管理ツールに自動で追加してしまいましょう。

欠点としては
他のiPaasと比べると、コネクターがやや少なめ
ポピュラーなものは十分抑えているのですが、どうも公式コネクターとして承認されるまでのハードルが高いようで、最新のWebアプリが加わるまでに時間がかかるようです。
学習リソースが限られている/分かりにくい
動作が不安定?
中長期的な使用を通して、エラーでなくともたまに動作しなかったり、4時間遅れで作動したりということが1、2回と言わずありました。OneDriveを使用していた時にデータが飛んでしまった経験もあるので、はっきり言ってMicrosoftに依存した上でのスケールのあるシステムを構築するのは個人的に不安があります。

Zapier

ーコネクタが多く、分かりやすいUIで初心者向け

IFTTT(イフト)では不十分で、社員一人一人にどんどんシナリオを作っていってほしい、という時にはZapierがいいでしょう。
筆者はTrialでしか使用したことはないですが、UIが非常に分かりやすくコネクタも多いので、すぐ始めてすぐ作れてある程度の満足がいく、初心者向けiPaasという印象です。
他のiPaasと比べると
料金が高め
無料でできることはどのiPaaSも限られる(PowerAutomateは例外?)ので、基本有料プランで運用することになると思います。その中でZapierの最安プランは$19で、本格的に使いたければその次に高い$49のプランは最低でも必要かなと思います。他と比較して、同じ料金で作れるシナリオの量が少ないです。量が少ないだけでなく、使用できるプレミアム扱いのコネクタが3つまで、シナリオ作動のインターバル15分ごと、など安いプランには制約も多いです
複数人で利用する場合はteamプランがあるので結果的に一人当たりの料金が安くなるかもしれませんが、自動化レシピを作成する人員はよほどの大企業でない限りIT担当だけで十分ではないでしょうか?

ロジックがシンプル
PowerAutomateや後述するIntegromatと比べて、例えばシナリオの条件分岐ができなかったり・・・
→Zapierにアップデートがり、これが$19プランでは3つの分岐までできるようになりました!
ただし後付けなので、シンプルなUIがコンセプトのような感じだっただけに、複雑なロジックを適用したい場合は逆に使いにくいと感じるかもしれません。変数や関数の代入も少々面倒です。

Integromat

ーコスパ最強、複雑なフローも思いのまま

コネクタの種類も十分最安プランが$9で始められて、料金を上げるごとに実行できるシナリオや扱えるデータの量が増えていくだけ、というスケーラブルな体系です。
アップグレードではなく単純に実行量を購入することも可能。
Zapierと比較して、より安い上にループや分岐、例外処理といった高度なフローを自由度高く構成できます。ZapierからIntegromatに移行すれば、おそらく対応できないことはほとんどないんではないか、というくらいプログラムlikeで、複雑な設定にも軽く対応します。
そのコスパ最強さから、新興のSaaSがまず連携するのがZapierとこのIntegromat、という感じになってきています。
PowerAutomateも複雑なロジックには対応するのですが、より平易に組めるという印象です。動作もより安定していると思います。

今のところ不満なのは、
・承認回収のモジュールがないこと(自動フローに担当者や上長の承認、確認を挟む等)
これは今後のアップデートに期待するとして、現状は承認を挟むフローはWebhookとHTMLで手づくりする、という難易度が高い方法しかありません。
・ドキュメントがイマイチ
Power Automateほどではありませんが、書ききってくれていない部分が多く、最初はちょっと苦労しますが、分かってくれば出来ないことはない!と自信がついてきます。

・複雑なロジックを組む際は多少のプログラミング知識が必要
特にJavascriptを触れるといいですが、Integromat上で学習していくことも十分可能だと思います。ただし、やっぱり知識が多少あった方が理解も早くできることが多くなりますので、やる気のある方はYoutubeとGASなどで勉強してみるといいんじゃないでしょうか。

Pabbly Connect

おそらくIntegromatにとって最大のライバルになるかもしれないPabbly Connect。
というのも、プラン毎の違いは月毎の実行タスクの量だけ!しかも、Triggerはタスクにはカウントされないので、例えばメールを5分ごとに監視しても、条件に合うものが見つかった時だけその後のフロー分がカウントされる、という太っ腹ぶり。しかも配列やルート分岐といったIntegromatが特徴とするプログラムLikeな機能も兼ね備えています。
今のところの欠点は
・コネクタの種類が他と比べて少ないこと
・使い方のドキュメントが少ないこと
・ZapierやPower Automateのように上から下に行く画面で一覧性がよくないくらいでしょうか。
Power Automateは無料ではビジネス系のアプリに対応していないところ、Pabbly Connectでは制約がないので、無料で試すのにはこちらでもいいかもしれません。

その他

以下は主に法人向けのものすごくお高い有料プランが基本で、筆者は使ったことがありません。なので細かな優位性を確認できていませんが、ざっと見た感じの印象とリンク先だけご紹介します。

Workato

ー大企業/Pro向け 4万種類のコネクター/自分の作ったサイトやアプリに埋め込める
https://www.workato.com/

埋め込み、オンプレ(オンプレ版は上記のiPaaSにもあります)、組み込まれたRPA、なんでもござれといったような最強ツール。セキュリティの高さも押し出され、日本にも大手向けにいくつか代理店があるようです。
ただ、RPAはUiPathを使えばSaaSと連携ができるし、ユーザー数のあるものの方が発展性が高いのでは?と思っています。

Tray.io

ーWorkatoのライバル、若干安く、自社サービスを持ってる人がまず検討すべき

こちらもガチPro向けですが、最大手とまではいかなくとも手が出せる範囲ではないかと思います。Workatoの方が承認モジュールが賢そうだったり、RPAがなかったりしますが、埋め込みに対応していて、セキュリティの高さも謡われています。

蛇足

他にもAutomate.ioやIntegratelyなど、紹介しきれないほど海外市場ではiPaaSが乱立しています。高いものも安いものもどんどん高機能なものが生まれていて、プログラムを知らなくともこれらのサービスを駆使して業務を自動化する業種も生まれているほど、自動化サービスはかなり活況です。
あんまり言うと怒られるかもしれませんが、国産サービスのAnyflowは3万、6万、10万+ですって・・・はっきり言って、皆さん英語ができないというだけでめちゃめちゃ足元を見られていると思います。
Youtube、Blog、Udemyなどを準備中なので、サービスに興味がある方はぜひnoteでフォローしてください。

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