職業、日本語教師です

日本人と初めて会った時に、何気に職業の話になりますよね?それで、「日本語教えています。」と言ったら、必ず言われるのが、「え〜、じゃ、英語話せるんでしょ?」とか「日本語教師は英語が話せないといけないでしょう?」ということ。いや〜、15年もやっているとマジでよく聞かれる。正直、オーストラリアの大学院で修士取っておきながら、英語は大して自信はない。理想が高いのかもしれないけど、中学、高校の英語コンプレックスを引きずっている。

それで、実際に日本語教師は英語が話せないとなれないか?というとそうじゃない。私が今まで教えた日本の認定校では、日本語を日本語で教える直説法だったから、英語が話せなくても教えることができるし、外国語が話せない先生もたくさんいた。そして思うのは、この直接法だけで教えることができたら、怖いものなしってこと。だって、どこの国の学習者にでも対応できるからね。教師が英語が堪能でも、学習者はわからないこともある。

もちろん、日本語教師が学習者の母語を話せたら、学習者も安心するし、初級レベルでの理解は早い。時間を節約できるし、誤解をうむ事も少ない。また、学習者の母語の特徴を知っていたら、日本語と比較をしながら、文法解説や語彙の使い分け、発音など説明できて、効率的だ。

最近、「外国人とコミュニケーションをとる=英語が話せないといけない」という社会の思い込み?をなくしたいと思う今日この頃。私は今まで12か国ぐらい旅行したけど、旅行する国へ向かう飛行機の中ですることがある。または、行くと決めてからすることがある。それは、その国の言語での挨拶、ありがとうなど簡単なフレーズを覚えること。やっぱり、外国に行ったら、その国の言葉でコミュニケーションとりたいと思うのだ。それがたとえ、挨拶レベルでも。私はそういう人。

でも、スリランカに行った時、このアイディアも良し悪しだと思ったエピソードを一つ。友達がスリランカに住んでいたから、「アダムスピーク」という山に登りに行った。友達はシンハラ語が話せるんだけど、私は全く知らない言語。友達も忙しいから、一人で行動することもあって、とりあえず、挨拶と買い物の言葉をマスターしようと思ったの。それで、覚えて一人で市場に行った時のこと。お店に入って、挨拶して、かわいいカバンがあったら、値段を聞いたの。シンハラ語で!そしたらさ、お店の人が、ベラベラシンハラ語で話し始めて、私、ポカ〜ンですよ???何言ってるか、全然わからなかった。だから、途中で、英語で「すみません、シンハラ語はわかりません」って英語で言ったら、みんなで大笑い。なんでも、私のシンハラ語の発音は上手だったらしい。それで、現地に住んでいる日本人と思ったって。

私がそんなスタンスだから、日本に来る外国人も日本語話したい人、いるんじゃない?って思うんだよね。だから、町で外国人に会ったら、最初は日本語で話す。でも、通じなかったら、英語に変える。英語に変えた途端、水を得た魚のように話し出す人もいるし、「あ〜安心した。英語が通じた〜」なんてことをいう人もいます。ちなみに私は福岡に住んでいます。でも、20年前と比べたら、日本語を勉強する外国人はものすごく増えたと思う。インターネットを使って、日本の情報も自国にいながら得られるし、日本のドラマや映画も見られるようになったし、日本に住む外国人も増えた。住んでいる人で日本語を勉強する人も増えた。それを考えると、やっぱり日本語で話すという手段を選んでもいいんじゃないかと思うんだよね。

そこで、今地味〜に広がっているであろう「やさしい日本語」。これを使える日本人が増えたらいいなあと思う。英語は世界の共通言語と言われているから、英語をここであげるけど、英語や外国語ができることはもちろんいいこと。でも、日本語でコミュニケーションを図るという手段があってもいいと思う。日本語学習者にとっては日本語でコミュニケーションが取れることが喜びになるし、それが日本語を勉強するモチベーションにつながる。日本人にとっては、気軽にいろいろな国の人とコミュニケーションを取ることで、世界が広がると思う。そこから、いろんな言語をもっと勉強したい、その国のことを知りたいと思う人も出てくるのではないか。なんか、これって、みんなHappyなんじゃね?

そんなことをぼけ〜と思った金曜の午後でした。

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