日本語教育能力試験練習問題解説(取り立て)

今私が月2回やっている「日本語の教え方」を受講されたことがある方から試験問題について質問がありました。

「格成分以外の取り立て」について

解説をしたので、ここにも載せてみようと思います。問題は「日本語教育能力検定試験 完全攻略版」からです。

まず、「主題」はどう言うことを指すかわかりますか?念のため、説明しますね。

主題は トピックとも言いますが、その文は何について話していますか?というものです。

日本語教育能力検定試験完全攻略ガイドのp54の例文を使います。

A象の鼻が長いです。

B象は鼻が長いです。

AもBも象のことを言っています。でも、
Aは「象の鼻」が長いこと
Bは「象」について、象の特徴を言っています。

Aの文で「象の」は「鼻」を説明しているから名詞修飾ですね。
その「象の」の部分を主題にして、

B 象は 鼻が 長いです

このBの文は各成分以外の取り立ての(1)名詞修飾型になります。


次にAの文で説明されている(被修飾)「鼻」を主題にすると

C 鼻は 象が 長いです。  

Aにおける被修飾語を主題にしたので、(2)被修飾名詞型になります。


次に 「広島が カキ料理の本場である。」

この文の述部は カキ料理の本場である  です。

この述部の前の部分を主題にしたのが、

D カキ料理は 広島が 本場である。  

この取り立てのタイプを(3)変則名詞修飾型と言います。


次に 「太郎が窓ガラスを割った」

格成分(窓ガラスを)と述語が一緒に主題になると

E 窓ガラスを割ったのは 太郎だ。  これを(4)分裂文 と言います。


では、問題p168を説明します。

この問題を解く時は、主題として取り立てていない場合、どういう文になるかを考えます。「〜の N(名詞)」の形になる文です。

①テニスは 英国が発祥地だ。 テニス:主題
 ?テニスの英国  ◯テニスの発祥地
 
 元の文→ 英国が テニスの発祥地だ。

 述部の前の部分を主題にしている→ (3)変則名詞修飾型

②日本車は 性能がいい。 日本車:主題
 ◯日本車の性能

 元の文→ 日本車の性能が いい。

 名詞修飾語を主題にしている→(1)名詞修飾型

③ワインは勝沼産がおいしい。 ワイン:主題
 
 元の文→ 勝沼産のワインが おいしい。

 説明される語を主題にしている→ (2)被修飾名詞型

④金メダルを取ったのは萩野選手だ。

 元の文→ 萩野選手が 金メダルを取った。
 
 格成分(金メダルを)と述語が一緒に主題になる→ (4)分裂文

⑤人魚は 海が 住みかだ。

 ?人魚の海   ◯人魚の住みかだ

 元の文→ 海が 人魚のすみかだ。
 
 述部の前の部分が主題になっている→ (3)変則名詞修飾型


こんな感じです。

日本語教育能力試験の勉強をしている人で質問があれば、どうぞ〜。わかる範囲で説明します。アメブロもやってるんで、興味がある方、見てみてください。今までの私の授業のこととか日本語教育について書いています。「Naoko 日本語教えています」で出るかな?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?