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他者著作物の感想など

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映画やテレビ作品や書籍やゲームなど、他の方の著作物に触れた際の感想やそれを発端とした様々を綴ったものです。
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#映画

『セクシー田中さん』が良ドラマ作品であった話を今あえてしたい -全ての創作劇と全ての創作者のために-

漫画作家 芦原妃名子さんの訃報でこのタイトルを初めて知られた方もおいでやも知れません。 事件は知っていても、実際の漫画には/ドラマには/もしくはそのどちらにも触れてはいないという方も。 大変な事が起きてしまった事件そのものと別途、怖いのは あの報道では、実際には原作を尊重し一個のドラマとしてもきちんとした内容で放送に至ったドラマ版『セクシー田中さん』なのに、「原作を踏み躙った酷い内容だったらしい」と捉える人も数多く出てしまうのではという事です。 実際、事件当初制作側や出版社

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ゆるふわガールズ殺し屋映画地上波なう..!

3年前に公開された『ベイビーわるきゅーれ』という映画をご存知でしょうか。 めちゃくちゃ独特な作風の、殺し屋女子二人暮し映画です。 設定として漫画やアニメでは結構そういうのもあるのかも知れませんが(※それこそ時期的や二人のビジュアルに『リコリス・リコイル』を思い出す人もおいでやもですがベビわるの方が先なんですのよ) 実写映画でこの切り口をあの描き方で焼き付けた、何より単純に非常に“面白い”完成度のフィルムでして。 その第一作が 今この時間にテレ東(系?)で地上波放映中です..

あなたにとっての藤野/京本は居てくれましたか -私自身の漫画を“描き続ける”こと/『ルックバック』映画化に添えて-

この劇場内に 全国の観客に やはり''当事者"は数多くおいでなのだろうと考えてしまう、私にとって映画『ルックバック』はそんな特殊構造の作品でした。 (※正確には"ODS"と呼ばれる"非映画コンテンツの劇場上映"扱いらしいのですが、便宜上”映画”と呼称します 原作は『チェンソーマン』の大ヒット作家・藤本タツキさん。 ”あの日” 2021/7/19という、2019年7月18日のあの事件の日を意図したと思われるその2周忌直後のタイミングでweb公開された読切漫画『ルックバック』に

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”機会”が実現させた何かに”また今度”は無いのよという御話 -映画『シン・仮面ライダー』定価5万円の限定版に迷うあなたへ-

2024/6/16に受注〆切となる 邦画『シン・仮面ライダー』の家庭用ソフトパッケージの流通限定ver.の完全受注限定版があります。 今回のBlu-ray/DVD化に際しての商品バリエーションの最上位。 その税込定価は何と51,700円。 個人的に2023年一番刺さった映画でBlu-ray発売も待ちわびていた私ですら流石に躊躇する金額です。 (△※単なる公式商品頁リンクでアフェリエイトとかではないです 同様に迷う人も多いと思われるこの一品。 案件でも何でもないので私に何か

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広島行きミスなか列車に乗って

ずっと大好きな作家さんの作品の映画化という感慨深い機会。 劇場映画『ミステリと言う勿れ』が2023/09/15封切となり、仕事のお休みも取って初日初回に観賞して参りました。 映画で初の方へも想定した作品の御紹介と、原作の田村由美先生ファンの視点として私自身が感じた諸々を綴ってみた次第です。(気付けば下書きのまま1ヶ月経過ですが逆に丁度にて今放ってみます。。 以下の見出し2個目以降は映画の内容にも触れます。 ご観賞まだの方はまずは1個目の御紹介だけでもお読みになって頂ければ

遠き銀色の友人との抒情詩 -”一般映画としてのウルトラマン”から紡ぐミリタリーsfとしての最新作-

あなたは"ウルトラマン"と聞いてどのようなものを思い浮かべるでしょうか。 もしも一作も触れた事がない、キャラクターのイメージしか知らない、そんな方にこそ観て頂きたい映画が2022年に公開されました。 身体の大きさから地球人とはまるで異る、銀色の美しい姿をしたその異星人との絆を紡ぎ エンドロールへと溶けゆく珠玉の112分。 映画『シン・ウルトラマン』とはそうした作品でした。 一般映画として そして全てが見事に”ウルトラマンという作品の根幹”を元に作られた”空想特撮映画”『シ

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其は”仮面”と”旅”と”真摯”の詰まったフィルム -映画『シン・仮面ライダー』-

まずは終映時に綴った記事で既に幾つかこの映画への想いを文章化出来ておりまして お先にそちらの記事も是非..! 未観の方へ向けた紹介記事でもあります▽ noteの年末年始お題企画の機会。 改めて、あの静かで優しい旅路の記憶を。 ※以下、映画全編の物語内容に深く触れます ◇ 其は”仮面ライダー”に向き合う”真摯なる邦画” 私がこの映画に興味を持った予告編の空気感。 この”映画”を観たい、そう感じた想いは裏切られませんでした。 予告編は先述の記事でリンクしましたので、よりそ

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再生

長年大好きな作家さんの作品が映画化されるのです。。

田村由美さんという作家さんを御存知でしょうか。 私が最初に知ったのは恐らく長編作『BASARA』で、そちらも勿論魅力的な作品なのですが、同時期に読み始めた短編集に物凄く惹かれまして..。 あまりにもストーリーテラー。作劇の語り口の見事さと、漫画としての構成力。 個人的に一番好きな連載作品は『BOX系!』です。これは全2巻と短く1クールドラマで構築出来なくもないと思うのでミスなかの勢いで実現しないかな〜〜と思う次第です。 劇場予告編動画が今朝公開されテンション上がりまくったところでこの記事を綴り始めましたが、この『ミステリと言う勿れ』は元々月9枠でドラマ化されていました。 そう まず長年大好きな作家さんの作品が、待望のドラマ化、しかもあの月9でって当時初報聞いてちょっと情報量多すぎてでした。。。。 ある一箇所を除き本当に見事なドラマ化でした。 簡単に言うと本来別の登場人物が居る御話に何故か特定のメインキャラが捩じ込まれるという酷い事態が何回もあり 只、それは本当に酷いものの何かの圧力だったのかなと思うほどそれ以外が非常に見事だったのでそこはあえてこれ以上触れません。 ※丁度直前に『7SEEDS』という田村さんの別の作品が冗談にならない程酷いアニメ化をされており、アニメ化というのは原作まであんな酷いものだと思われる諸刃の剣なので私は基本的にアニメ化警戒派なんですよね..(実際にそんな感想を幾つも見ました なのでそれに比べるべくもないほど見事な映像化だった『ミステリと言う勿れ』のドラマ化には私はまず感謝しかなく..! しかしこれあれですね 初めて動画から直にnote共有してみたのですが、255文字制限とあったので簡単に感想書くつもりがこれタイトルだけに255文字も使っていいんですね(何で??? そして本文はこうして無限に書けるのでこれなら普通に記事書いてもよかったかなと思いつつ やり直すとまた更に長々構築して公開が遅れると思いますので今放っておきます。 この映画で扱われるエピソードは原作にもある通称広島編という人気の一篇で、ドラマ版は構成自体が変則的で時系列も前後しながら放送が進んでいたので広島編は飛ばされたようなまだ描かれていないようなといった感じだったのでそわそわしていたのでした。 これをやらなかったというのは映画を想定してるのかな?と思っていたところ、正に..!! ドラマ版も見た目を似せるような方向でなくきちんとそのキャラを生身の演者さんが表現する見事な作りを結実しておりましたので、汐路ちゃん(※予告編で一際目立っている少女.広島編のキーキャラクターです)も初報で役者さんのビジュアルだけ見た時は何とも言えなかったものの、今朝の予告編でうわ〜〜〜〜〜汐路ちゃんだ..❢;;;ってなったのでした。 (※と言いつつ主人公の整くんの天パに関してはビジュアルから再現してますけど、これはキャッチーな見た目ですから作品の看板として正解だったと思うのです) 何だかんだ公開までもうあと2ヶ月を切りましたね。 楽しみ楽しみ..!! 恐らく公開前にドラマ再放送しそうな気が致しますので未視聴の方は是非是非。 公式サイトで原作試し読みも御座いますよ.。.:* https://flowers.shogakukan.co.jp/work/300/

遠い銀河のBONUS TRACK -本当の邂逅を果たした異星の友人との、その先-

令和に描く本格SFドラマとしての熱量が込められた、半年のTVシリーズが在りました。 2024/02/23、そのボーナストラックとも云える映画『ウルトラマンブレーザーTHE MOVIE大怪獣首都激突』が封切られました。 作りとしては”あえて”TVシリーズの延長戦。 ずっと歴代ユニバース連携が続いていた中でどれ程ぶりかの本当の意味での”完全新作のTVシリーズウルトラマン”であり、新たな未来に踏み出した野心作且つ、そもそもの『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』といった初期作の持っ

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史実とフィクションの怪物で希望を描くということ -映画『ゴジラ-1.0』公開一ヶ月に添えて-

『シン・ゴジラ』以来の邦画ゴジラの新作。 今作担当の山崎貴監督らしさも存分に詰まったフィルム、映画『ゴジラ−1.0(マイナスワン)』が2023/11/03公開となり、初日初回に仕事明けから足を伸ばし遠方でもドルビーシネマ上映を選び最高の環境でその結実を見届けて参りました。 (※当日書きかけた記事を下書きのまま放つタイミング逸することよくあります( 丁度1ヶ月ですね❢ そうこうしている内に本作は大ヒットとなり既に多くの方も御覧になっているかとは存じますが、折角書きかけていた記

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結末選択は物語にとってとても大きなもの -邦題『危険な情事』のtv放送に添えて-

先程tv東京『サタ☆シネ』枠でtv放送されていた1987年のアメリカ映画『危険な情事』(原題『Fatel Attraction』)、個人的にはその終わり方最悪じゃない..?で、言ってみればそこまでの表現の鬼気迫る感でヒットはしてもラストをそうしたという判断はどうなのかと感じる人は当然居て、ですが同時に多分に大衆映画としてはあの終わり方にはなるのやも知れず この映画には公開版と別のラスト(※ソフト化の際に特別盤に収録)が存在しており実際問題公開版が正解ではないはずながら公開版

美しい情景に彩られた 静かで強い想いと旅路の物語-映画『シン・仮面ライダー』の終映に添えて-

あなたは仮面ライダーの映画と言われてどのようなものを思い浮かべるでしょう。 私は本作を”仮面ライダー”以前に、予告の静かな邦画ロードムービーの空気に惹かれそうした”映画”を観られる予感に劇場に向かったのでした。 [公式]公開前最新予告 2023年3月17日から封切られたシン・仮面ライダーも同年6月4日で終映となります。 もしかしたら誰かの最後に劇場に滑り込める切掛となるべく記事を綴ってみた次第です。どんな印象を受けたか、に集約し、内容に触れる所謂ネタバレ含めたものは公開終