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13日の金曜日Part2

マグさんと見た!2人とも思いもよらぬ方向の感情を抱いて帰ってきた。

そういうことでいいのか

ざっくり一作目を振り返り早々に死んだ生き残りの女の子、マグさん曰く「人気すぎてストーカー被害なども合ったのでサクッと殺した」らしい。人気すぎるよ13日の金曜日。そりゃあ翌年に続編もでるよ。でも翌年に続編が出るの、これとシャークネードしか知らないんだよな…。

前作の対岸にあるロッジで指導員の研修をしているところから話が始まる。研修なので先生を含めて10人くらいの若者がクリスタルレイクの近くに集っていて、「多いな〜!!」以外の言葉を失ってしまった。出てくる人間全員死ぬと思って見てる映画の冒頭に人がいっぱい出てくると景気が良くて嬉しくなりますよね。スラッシャー映画なんて人が多いに越したことないですからね。

そして前作からの「見ている視点のカメラワーク」も現在だった。窓越しに人を見つめて、移動と共に揺れるカメラは「誰かがみている」って臨場感があるし、このカメラワークと悲鳴みたいなBGMが流れると13日の金曜日を見てるという実感が湧く。

前回はこのカメラワークが叙述トリックめいた真犯人隠しをになっていたけど、今回は早々に男性の手が映る仕様だった。ジェイソン、生きてたし普通にクリスタルレイクを徘徊してるしスニーカーにジーンズを着ている。前回のラストで幽霊みたいな扱いを受けてたけど普通に重力がある存在として実体を得ていた。…得ていたな。普通に生きててびっくりした。

ここ、なんか酔っ払ってる女性の「彼は生きてて、母親の蘇生を願っている」みたいな解説しか存在しない。これって「子供を監禁してた母親が溺死により顔が爛れた息子を息子として認識しなかったためネグレクトに移行、息子は息子で頑張って生きてた」とかでいいんですか?それでいいとなるとかなり見方変わってくるんですけどこの解釈を抱えたままPart3に行っていいんですか??

少なくともこれを書いてる間はその解釈でいくので、あとあと全く違うことが判明するかもしれません。

つまり13日の金曜日シリーズって、割と気の狂った母親しか知らない少年による復讐劇というより後追いの話になるってこと?自分を見てくれない母親が若者の殺害を繰り返しているのを遠くから見てたジェイソンの「それしか知らないから」による「母親の甦りの悲願」を達成させるための話であり、そのどこまでいってもどうにもならない殺人に毎度巻き込まれる若者たちの話なんですか??

しかも前作は「なんと一連の鮮やかな殺人の犯人は女性だった!」から「なんと恐れられた伝説の復讐鬼は殺人に手慣れてない少年だった!」に移行してもいるので、成長譚もやるっぽい。やるっぽいというか、2009年のリメイクを先に見てるのでこれからこのジェイソンが鮮やかかつクールに殺害を繰り返していくのを知ってているのでPart2のジェイソンに関しては「伸び代が…あるね…!!」という感じだった。状況によるスーパーラッキーに助けられながらほぼ全員を殺すものの、結構取り逃してる場面とかあるしラストは後ろをとったはずの女の子を生きて帰してたりもするのでかなり爪が甘い。

でもこの辺が13日の金曜日の真面目なところで、一作目も「中年女性なので正面からの掴み合いになったら負けます」みたいなパワーバランスを無視しないところはしっかり受け継がれていて、10代の子供が殺害を繰り返すにあたって後半はミスが増えるし経験が少ないので母親みたいな的確な選択で若者を追い詰めたりできなかったりしている。この映画、ジェイソンの存在以外の全てをかなり真面目に作っているのでこれから殺されるかどうかの瀬戸際を20分くらいやるのに「車のドアに押されてジェイソンが転ぶ」みたいなシーンで「ころんっ」って効果音がつきそうな感じで転ばせたりする。

あと、2009年版がそうだし前作もそうなんだけど死体を視線誘導のために使う。みたいなのも母から子に継承されてた。嫌な一子相伝。でも母親ほど効果的に使えてなかったりするのも妙に真面目だったし、2009年版はもっとしっかり「仲間の死体」を餌に使えてたのでこれから成長するんだと思う。

Part2、若者のを取り逃がしてからというもの私もマグさんもジェイソンに対して監督みたいな視線で見てしまい、「諦めないで!!」とか「ちゃんと狙って!!」とか声かけてた。感想戦も「最後の取り逃がしはいたかったな〜」とか言って彼女の生還を素直に喜べないところあった。私たちは君がもっとクールに人殺しができるの知ってるから期待してるんだよ…!!13日の金曜日ってこの楽しみ方で合ってるのかな。

でもジェイソンはしっかり後ろ取ったり、1ムーブ2キルとかも決めてたので爽快感は健在だった。爽快感というか、圧倒的恐怖というか。あと「ドアからくると見せかけて窓の外から回り込む」も2回やってて偉いな〜!と思いました。でも君の母親はそういう時に死体を窓から投げ込んでドアを開けさせたりしてたよ。そう思うとやっぱり映画のラスト15分まで死体を誰にも見つけさせなかった母親ってかなり大虐殺の才能があった。鮮やかな手口だったし、ラストに何食わぬ顔で助けに来るのもめちゃくちゃ怖かった。

がんばれジェイソン!!!母親の影に負けるな!!二重の意味くらいで負けるな!!でも2009年版を見てるから知ってるけど負けます!!!今回のセーター着て「ママだよ」されて一旦は殺戮の手を止めてしまった弱点、Part4でも勘付かれてるのでやっぱりジェイソンには殺戮と母親しかいないんだと思う。

車椅子

流石にミスリードだと思ったのにな…。この車椅子の彼がジェイソンを語る不審者じゃなかったらなんなんだと思ってたのに普通に車椅子なだけの青年だった。身体障害者に対して描写がフラットすぎる。

車椅子が階段を駆け降りるシーンが花かと言われるとそうでもないので本当に単に車椅子のメンバーがいてみんな何も言わずに彼と遊んでセックスに誘ったりしてたの、なんかすごくないですか?グッドオーメンズの天使陣営になんの説明もなく車椅子の天使がいたのくらいすごい気がしなくもない。わかんないな、色っぽい会話をさせたいために男性がもう1人必要だったけど縦横無尽に動き回る男を殺せるほどジェイソンが人殺しに熟達してない脚本の都合かもしれない。

無事にPart2が見れたので次回はPart3です。まだジェイソンに10作くらいは会えると思うと嬉しいし成長したジェイソンが次回何人殺せるかも楽しみにしています。

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