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社外役員はキャリアゴールになりえない


キャリアの出口戦略

昨年、社外役員となったあとの出口戦略を考える必要があるよね、という記事を書きました。

監査法人時代、退職して社外役員に就任するのが次のゴールになっていたことは否定しませんが、

その段階にくると、ほぼ、「では次は?」と、なります。

就任先会社の規模

上場している市場 未上場、グロース、スタンダード、プライム

役職 社外監査役、取締役監査等委員、社外取締役

プライムの中でも時価総額1000億以下の会社から日本を代表する銘柄

いくらでも上には上があります。

確かに素晴らしいけれど、「上」を目指すことは、少なくとも自分自身にとってはまったく「ゴール」ではないな、と思う今日この頃です。

地に足をつけて、自分の強みをどう活かすか、どう価値を提供していくか、そのためには何をすべきか、よくよく考えて日々を過ごさなければ危ないなとあらためて思う次第です。

成果を出すには

では、就任先でこれといえる成果を出すことができるでしょうか。

もちろん自身の成長であるとか、そとからは見えにくくても役員会への発言により何らかの貢献はあるはずですが、

相当コミットして従事したとして、執行をすることなくわかりやすい成果を出すのはなかなか難しいでしょう。

指名委員会や報酬委員会の委員長を拝命する、というのは外見的にわかりやすいかもしれませんが、年齢からくる重みも必要でしょうし、そんな外見のために委員長を希望されては迷惑でしかありません。

となれば、やはり、本業で実績を積んで、その結果が社外役員であるという順序でしかありえず、次の成果はまた本業で、となるので、結局社外役員はキャリアゴールにはなりえないなというのが今のところの結論です。

マウンティングする人にはさせておこう

会計士社外役員女子同士で名刺交換すると、 

「はじめまして。プライムの、監査役ではなく社外取締役をさせていただいてまして」

「あ、そうなんですね。私はどこどこ(世界で知られている大手メーカー)で就任しておりまして」

みたいな会話があったりします。

「取締役か監査役か問題」もよくあるトピックです。

タイムリーにKPMGのサイトで監査役の重要性についての記事がありました

本来、監査役が取締役を監査する立ち位置なのですが、やっぱり取締役会で議決権があるという点でやりがいがあるのか、取締役になりたい会計士は多いですね。

あと、会社の「格」というのはやはりあるようで。

この価値観は監査法人時代から変わりませんね。何をしているか、どう貢献しているのか、よりも、どこを担当しているかで評価されるという価値観です。

個人的には、問題山積で成長余力のある企業を担当し、その会社を大きく成長させることに社会的意義があると思うタイプです。

「規模が大きく」「リスクが低く」「報酬の支払い余力がある」クライアントを担当できるかたが評価されて昇進していく

そんな世界と序列が嫌だから抜けたのだとあらためて思い出しました。

出口戦略に自分なりの答えが出た

先日、女性社外役員の人選のメインターゲットは、専門家女性から、だんだん事業経験者の女性にと移りつつある、というお話を聞きました。

最近の「バブル」は、自身の経歴と得られる機会の裁定取引が存在した時代によるものでしたが、それなりに供給が進んだ結果、女性会計士だから社外役員に就任できるという時代は終わりつつあり、プラスアルファが求められる時代になってきたといえるでしょう。

社外役員の場合、あくまで執行側ではなく監督側ですので、必ずしも執行経験者である必要はないという前提の元、

できる限り本業(人によって、常勤役員でも、会計事務所経営であっても、社会貢献であってもよいと思います)で頑張ることを自身のゴールとしたうえで、社外役員に就任する、というハイブリッドキャリアを追求していこうというのが当面のゴール設定かなと考えています。

とはいえ言語化は上手なほうがよい

と、いうことで、

「私は私なりにがんばるわ」 的な価値観で日々過ごしておりますが、

そうなると「がんばった」成果を主張できるのは自分しかいない、ということになります。

キャリアの棚卸と文書化(言語化)が上手であるにこしたことはないですね。
このnoteも記録の一環ですが、講演や記事執筆など、機会を見つけてチャレンジしていきたく思っています。

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