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改正電子帳簿保存法[令和4年1月1日施行]国税関係帳簿【過少申告加算税の軽減措置】(3)-要件:関連国税関係帳簿との関連性-

改正電子帳簿保存法における国税関係帳簿の要件の一つ、関連国税関係帳簿との関連性の内容について見ていきます。


まず、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則(規5条⑤一ロ)では、

電子化した特例国税関係帳簿の記録と関連国税関係帳簿の記録との間に、相互にその関連性を確認できるようにしておく

とされています。


それでは、具体的にどのような場合が該当するのか見ていきましょう。


次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる情報が記録されるときは、要件を満たす(通8-11)

■一方の帳簿に係る記録が他方の帳簿の記録として個別転記される場合
 (個々の記録事項を合計したものを含み、例えば、日計や月計のように個々の記録事項を合計したものを含む)

 相互の記録が同一の取引の記録であることを明確にするための一連番号等の情報

■一方の帳簿に係る個々の記録が集計されて他方の帳簿に記録として転記される場合
 (上記に該当する場合を除く)

 一方の帳簿のどの記録を集計したかを明らかにする情報
 (他方の帳簿の摘要欄等に集計項目(勘定科目又は部門等)及び集計範囲(○月○日~○月○日)を記録する方法)


(図示すれば、こちらの図1から3のとおりということです)(問28)

出典:電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】(国税庁)(2022年1月14日に利用)
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_01.pdf
出典:電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】(国税庁)
(2022年1月14日に利用)
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_01.pdf
出典:電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】(国税庁)
(2022年1月14日に利用)
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_01.pdf


会計システム内や、販売システム・経費システム等と連動されていることによって、一連番号などで紐付けがされている形になっていれば良いかもしれないですが、システム利用料の負担が多くなったり、かえって手間がかかることもあり得ると思いますので、ご自身の会社の状況に応じて、満たすことが可能なのか検討をしてみると良いでしょう。


集計データのみの保存は、全ての取引に係るデータの訂正、又は削除の履歴が確保できないことや、帳簿間の相互関連性が明確にならないこと、などから要件が満たされない(問19)

 業務システムのデータの保存に代えて、販売等の個別取引が記載された売上帳(補助簿等)を書面に出力して保存する場合、適用を受けることはできない(問19)


このようにならないように検討を進めてみると良いでしょう。


関連条文等

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則第5条5項ロ

電子帳簿保存法取扱通達8-11
(電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明))

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/030628/pdf/01.pdf

電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】問19、問28

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_01.pdf


おわりに

帳簿間の相互関係性の要件を満たすかどうかは、システム導入が難しい場合、想像よりもハードルが高いかもしれません。

軽減措置を優先すると会社の方向性を見失うことも考えられるため、
自社にとってどのような管理体制を整えていくのが望ましいのか、
そもそも会社が目指しているものは何なのか、
を頭に入れて検討していくましょう。

法律が変わったから、という認識で管理をしていくよりも、ここでしっかりと管理できることを、他の管理にも活かしていく気持ちで進められると良いのではないでしょうか。

事業が継続・発展していくきっかけと捉えるのもよいでしょう。

随時更新をしていきますので、引き続きご覧頂けますと嬉しいです。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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