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プリティーシリーズの思い出。ただの退屈な自分語り。

 プリティーリズム・レインボーライブの3クール目くらいのとき、俺は思った。「このアニメ、俺の人生史上最高に好きなアニメになるかもしれん」。オーロラドリームの終盤では涙が止まらなくなり、最初微妙だと思っていたディアマイフューチャーも気付けば5周するほどハマっていた俺は、その総仕上げとなりそうなレインボーライブに毎週心を動かされた。

 当時の俺は社会人一年目、オンボロの寮で一人暮らし、雪深い田舎で心がぶっ壊れていた。偶然リアタイしたレインボーライブ1話をなんとなく気に入り毎週録画し、おとはのメルヘンティーパーティーのあたりでは完全に虜にされていた。辛い仕事もレインボーライブの後の展開を妄想することで乗り越えたし、家族も友人もいない土日はオーロラドリームとディアマイフューチャーを履修・復習することに費やした。オーロラドリームはかなめのCGくらいから異様にクオリティが上がっていったと感じたし、せれのんのかのんに俺はハマった(このあと、ムシブギョーやgdgd妖精で明坂聡美にハマるのは別の話だ)。かのん回も良かったですね。ディアマイフューチャーについても、2ちゃんねるで「ディアマイフューチャーは観なくても良い」と教えて貰ったことを無視して見始めた俺もミラージュジェットの頃には完全にハマっていた。かのんとチェギョンのダブル明坂聡美も良かった。

 そんなこんなでレインボーライブに深くハマった俺は、人生初のアニメイベント参加という経験をした。アニメイベントとは言っても、レインボーライブの声優ライブのことだ。しかも抽選落ちで泣く泣くライブビューイングだった。レインボーライブの声優ライブは今思えば凄いメンバーで、もうプリティーシリーズのライブに当時のメンバーが揃うことはないのだろうなとも思う。正直ライブビューイングは物足りなすぎて、もう映画館にペンライトを持ち込むようなことは一生無いなと思った。このときは。

 映画『プリティーリズム・オールスターセレクション プリズムショー☆ベストテン』でタツノコプロ感溢れるお祭り映画を観たときは、これが俺にとって初の女児アニメ映画単身突撃となった。ゴジラと同時上映されていたハム太郎の映画を家族と一緒に観た以来のことだ。だが、面白かった。低予算ながらもファンを喜ばせたいという工夫を感じたし、ミラージュジェットが入ってきたときはガチだなと思った。

 今思えば、このプリリズASSベストテンが後のオールスター展開の始まりだったのかもしれないし、過去作品を終わらせない始まりだったのかもしれないが当時は単なる思い出作りだと思ったし、その後に始まったプリズムASSもプリパラまでの繋ぎでしかないと思っていた。

 レインボーライブが素晴らしいラストを迎え、オールスターセレクションが思いの外面白かったまま始まったプリパラ。みあとらぁらの会話で既にらぁらのことを好きになっていた俺は、当然ながらプリパラにも容易にハマった。だが、1期中盤までの頃はプリティーリズムほどではなかった。プリティーリズムに対するプリリズロスが心を苦しめていた。無邪気に楽しめなかったのだ。

 プリパラ&プリティーリズム クリスマス☆パーティー2014。円盤化されない奇跡のステージ。このイベントでプリリズロスは5割消えた。オーロラドリームのBDというチケットで最前列をゲットした俺は、この後一度もプリティーシリーズのライブに出ないプリティーリズム声優達のライブを観ることができたのだということを当時は知らない。生アフレコやヒロコウジからのカヅキなどとにかく楽しくて、この先毎年のようにプリティーシリーズのライブに通うきっかけとなった。プリティーシリーズのライブのために飛行機に乗りまくり財政負担はヤバかったが。

 プリズムツアーズ。その発表はプリリズ界隈を変えた。プリパラのキャラがプリティーリズムの世界を覗くという発表。プリティーリズムはとっくに筐体が撤去されているし、アイカツに負けたコンテンツとまで言われ、あんなに丁寧にプリパラに繋いだのに、ここでプリティーリズムにまた注目する作り、しかも4ルートあるというし、ルートの違いはプリティーリズム部分だけという。商業的には意味がわからないと思った。だが、プリティーリズムロスのオタクの供養をしてくれるなら成仏のために観るしかない…。それは神映画だった。公開初日にルート1を観た翌日、俺はまたルート1を観た。頭がおかしくなったのかと思うほどプリティーリズムパラダイスのことばかり考えた。この映画でプリリズロスは5割消えた。

 プリズムツアーズでプリリズロスを補った俺はプリパラに集中することができた。神アニメだと思った。ファルル復活ライブで俺は泣いた。プリパラ2期も始まり、毎日が幸せだった。

 そんなときだ。キンプリが発表された。もうプリリズロスからも解放されていた俺は驚いた。レインボーライブの続編。それは夢にまで観たが実現されるはずがないと思っていたものだった。

 プリパラ2期は色々叩かれたが俺はかなりハマり、特にそふぃやシオンの思考の考察やひびきふわりファルルの一挙手一投足に心を囚われつつもアロマゲドンが好きだった。そんな中で公開されたキンプリ。公開初日、俺の隣には黄色いバラを抱きしめて泣いている女性がいて、「いうてここまではならんな」と冷静ぶっていたが映画終盤では俺もボロボロ泣いていた。俺が始めて見たプリズムショーはレインボーライブ1話のりんねちゃんだったなぁ…。最終的にキンプリは15回くらい観た。

 プリパラ2期の途中、俺は転職活動を始めた。ダイエットも始めた。プリパラ2期が終わる頃には転職に成功し、飛行機を使わずとも舞浜や幕張に行ける距離に引越すことができた。ダイエットでは10キロ痩せた。完全にプリティーシリーズのおかげだった。プリパラ筐体がやりたくてゲーセンデビューした俺は、こんなおっさんにトモチケ交換を申し出てくれる女児先輩やオタク達により人間の温かみを思い出して外見をマトモにしたいと思ったし仕事もマシにしたいと思ったからだ。新しい仕事ではキャラクタービジネスも僅かながら展開しており、消費するだけのオタクからコンテンツ供給側の一員となれたことで、オタクとしての自己実現も果たせた。

 この頃、プリパラ筐体に何十万円使ったかわからないが、アイカツやオトカドールにも相当費やしていたので我ながら破産しなくて良かったと思う。

 プリパラ3期。もうこの頃はプリリズ・キンプリの展開やオールスター企画にも慣れてきていた。全てが良い。このシリーズは最高だと思った。後にプリパズのノンシュガーイベントトップ10入りを2回達成し、人気投票でノンシュガーに数十万ぶち込んで優勝に少し貢献するほどになるとは流石に思っていなかったが。

 超最高のままに終わったプリパラ3期からのアイドルタイムプリパラ。キンプラ。もう夢のようだった。アイドルタイムのあと、それでもプリパラロスはあったが、喜びのままに漫画版プリティーリズムを揃え、プリパラの小説も読み、3DSとSwitchのソフトも堪能して補った。

 当然のようにプリ☆チャンにもハマり、キンプリSSSも結局映画館で全部観た。VtuberからYouTuberにハマっていた俺は抵抗感もなくプリ☆チャンを楽しめているし、キンプリSSSは完全にレインボーライブ2期の趣きで最高だった。

 そして、アイドルランドが始まろうとしている。俺のプリパラロスは一旦終わろうとしている。

 ビッグクッションカバーや大正浪漫でがっかりしたこともあったが、コロナ禍でもWITHやノンシュガーを切り捨てない姿勢に、俺はやはりプリティーシリーズが人生史上最高のシリーズなのだと改めて感じている。他の類似コンテンツを観ていても、ここまで俺好みの方向性で頑張ってくれているコンテンツシリーズなどないからだ。

 プリ☆チャンもいつか終わるだろう。それでも、ここまで過去作救済や続編を作り続けてくれた公式だから、プリ☆チャンにもきっと何か続きがあるはずだ。あんなに不遇だったディアマイフューチャーの新規イラストがこんなに溢れるなんて、プリパラ初期の頃は考えられなかったくらいだから、プリ☆チャンが切り捨てられることなどないだろう。


 それでもきっと、いつかはシリーズ毎終わるときが来る。それは突然かもしれないし、ゆるやかな別れを演出してもらえるかもしれないが、必ず来る。そのときまで、楽しくて幸せな展開が続くことを願っている。