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雑事に追われる その1 プチ事件発生からのすれ違い

****説明上、マンションの住人の名前を書いていますが、すべて仮名です****

渡辺…今期(2022年)理事長。
田川(変人)…2021年理事長。理事としての責任を何も果たさず、他にもいろいろと変わり者のうわさ。

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理事会議事録としてアンケート集計結果を配布する4日前、それは起こった。

わたしが要望のひとつとして挙げていた植え込みの雑草が、きれいに刈り取られていたのである。

そう言えば、以前にも雑草がきれいに刈り取られていたことがあって、そのときは管理会社がめずらしく手配したんだなと思っていた。今回もそうなのかなと念のため管理会社に聞いてみたが、当然ながら(笑)なにもしていなかった。前回も違ったようだ。

完全に、住民の誰かのフライングである。きれいになったからええやん、ということではない。目撃情報も探してみたが、誰もその場を見ていなかった。

仕方がないので、用意していたアンケートの内容を少し変えて配布することになった。

そして…アンケート集計結果を配布したその2日後。再び、それは起こった。

雑草だけではなく、枯れて枝だけになっていた木がすべて、根元から切り取られていたのだ。

アンケート集計結果を配布した後、つまり、理事会は植栽のことについて活動する予定ですよ、と伝えたあとなのだから、これはもう、確信犯である。理事会にケンカを売ってるとしか思えない。そういうことしそうな人は…ひとりしかいない。変人の田川さんだ。目撃情報を探していたとき、掃除のおじさんにも聞いてみたのだが、「その日は見ていないが、以前、黒い服を着た背の高い人が雑草を刈っているのを見たことがある」と言っていた。変人の特徴と符合する。

変人がやったから、というわけではない。たとえ良かれと思ってやったことでも、マンションの共有部分について誰かが独断で何かを行ってしまうのは問題であるということで、そういうことはやめてくださいというアナウンスを出すことになった。

おかげで理事会の雑用が増やされてしまったわけだが、実はこのアンケートの内容にもわたしたちは疑問を持っていた。3ヶ所ある植栽について、雑草を刈ってもいいですか?枯れている木を切ってしまってもいいですか?などと質問しているのである。

「こんなこと、聞く必要ありますか?管理会社が放置して雑草が生えてしまっているので、理事会で刈りますねという報告でいいのでは?」と理事長に進言したのだが、理事長が作ったアンケートの草案には植栽についての質問が3つも入っていた。

どうやら、同じ雑草でもかわいい形の葉だったり、ピンクの花を咲かせているものは刈らなくてもいいのでは、と理事長は考えていたようで、実際、ピンクの花については残してほしいという世帯の方が多かったのだが。

勝手に切られた枯れ木についてはさすがに、切らないでほしい人はいなかったので、夫が根元から抜いてきれいにしようとしたところ、そこに生えていたかわいい形の葉の雑草も枯れ木の根にからまっていて、すべて除去せざるを得なかった。が、理事長はこれも残しておいてほしかったらしく、夫の行為も「勝手なことを」と思ったようだ。

極左派の理事長と極右派のわたしたち(笑)のすれ違いが少し見えてきた事件であったと思う。

そして後日、雑草や枯れ木を刈ったのはたぶんこの人なんだろうなとわかることがあった。刈り取った後の土に残った根っこをきれいに掘り出していたり、ピンクの花をきれいに剪定している人がいたのだ。わざわざ理事会に知らせてくれた人もいた。

そこまで手入れをしたいなら、管理会社を替えてから、植栽の手入れを正式にお願いしてみよう、とわたしたちは話している。

つづく

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