変人、４度目の奇行

＊＊＊＊説明上、マンションの住人の名前を書いていますが、すべて仮名です＊＊＊＊

田川（変人）…2021年理事長。理事としての責任を何も果たさず、他にもいろいろと変わり者のうわさ。
木村（ぼんくら）…2021年監事。積極的に動こうとしない人。わたしたち夫婦に陰で「ぼんくら」と呼ばれている。
小西…引越しのごあいさつに行って以来、奥さんが気さくな方なので立ち話をしたりする。インターホンが壊れたことも相談していて、有識者メンバーのひとりとなった。
高橋…わたしたちが引っ越してきた年に理事長をされていて、とてもしっかりした方という印象だったので、有識者メンバーのひとり。

これまでの変人の話
理事会メンバーを交代させるぞ　その４～変人の本領発揮
変人が動き出す
ぼんくらと変人の合わせ技
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臨時総会から３週間ほど経ったころ、小西さんがいらっしゃって、「こんなものが郵便受けに入ってたんですけど…」と文書を渡してくださった。

どうやら変人の田川さんが、理事会メンバー以外の方に勝手に配布したようだ。

前回、ぼんくら経由で意味不明な文章を持ってきたときは、管理会社のお金の扱いが怪しいという話だったが、今回は、わたしたちが３月に開催した臨時総会の議案書の内容がどうやら気になったようだ。

田川さんが理事長だった前期に、組合の承認を得ていない高額出費が２件あった。それについて、「理事長と管理会社の間だけで決めた」と書いてあることが気になるらしい。だが、理事長の印鑑は理事長しか持っていないのだから、管理会社だけでどうこうできることでもないだろう。となれば、理事長と管理会社が決めた以外に、どう推測できると言うのか。

他にも、通常総会が遅れたことやインターホンが故障したまま放置されたことなどについて、自分は聞いていなかった、知らなかった、報告がなかった、一切関わりありませんなどと書いてあり、前回と同様、自分が責められることだけを心配しているんだなぁと受け取れた。

小西さんも、「意味がわからないんですけど…」と困惑していた。理事会を引き継いでから意味不明の文書を何度か受け取っていること、できるだけお返事をしているが正直困っていることを簡単に説明して、念のために文書をコピーさせてもらった。

高橋さんからも、理事長に報告があったらしい。

議案書は、臨時総会のだいぶ前に配布したのだから、言いたいことがあるなら、臨時総会に出席して自ら説明すればよかったではないか。２月の通常総会だって本来なら議長として出席すべきなのに欠席して、今期は副理事長の順番であったのにそれも勝手に辞退している。

だが、田川さんが添付していた消防署からの文書が後々、とても役に立つことを、このときのわたしたちは知る由もなかったのである。

つづく