スクラップされる名建築の現状にどう抗えばいいのか? ! 〜鈴木京香さんの事例から〜
NHK「クロ ーズアップ現代」の「“思い出の建物 ”消えていいですか? 問われるニッポンの建築文化」という番組を観ていたら 、女優の鈴木京香さんが登場したので 、「?」となってしまいました。
しかし、彼女が築 60 年以上のVILLA COUCOU (ヴィラ・クゥクゥ )という洋館を買い取り、保存するという活動をしているという内容だったので、なるほどと思いました 。
このヴィラ ・クゥクゥ 、建築界の巨匠であるル・コルビュジェに師事した吉阪隆正氏の設計で、住人が亡となった後には解体も検討されていました 。
一般的な家屋の相続についての面倒さはよく話題に上りますが 、それが名建築であても同じこと 。
いや 、名建築だからこと維持・管理のハードルも費用も高くなり、それによって疲弊する関係者たちは 「無きものになれば……」との思いを募らせていくのでしょう。
一方で、その価値を理解し、高いハ ードルを越え、費用の負担も嫌わないという人も世の中には存在します。
問題は 、「はい、そうですか」とその人に所有権を渡せないところだったのですが 、その流れの変化の一端として“鈴木京香さんの事例”が紹介されていることになります 。
鈴木京香さんのこの行動に対して一般社団法人日本建築学会は、日本建築学会文化賞を贈呈。
との選評は、貴重な文化財だからということに加えて、住居のSDGs的な観点での功績も加わっているように感じました。
クローズアップ現代では、このほかにも危機的状況にある建築物があることを指摘。
番組内で取り上げられていたのは以下のとおりです。
建築物は美術品と同様、保存には十分な気を遣わなければならないという、厄介な対象です。
それでも今日、そうした価値を認め、意義を共有できる人たちが、クラウドファンディングなどの方法を利用して、これまでは越えられなかったハードルを越えられるようになってきたのかもしれません。
また、一部の裕福な篤志家が“保存をするだけ”という選択肢だけで扱ってきたこれまでとは異なり、住むことで生活とともに現在進行形の名建築の在り方を考えられるようになってきたことも、このニュースで感じた“新しさ”だったと思います。
ところで。。。
元気で復帰されることを祈念しております。
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