テーマ: 安胎八法 (流産予防)

内容:
1. 補腎安胎法
  腎は精を司る、胎児は腎精により成長。腎は胞胎
  と繋がり、胞胎の位置を維持する作用もある。し     
  たがって補腎法は八法の中一番重要となります。
  腎虚による妊娠中よく見られる
病症:堕胎、早産、胎漏、腰酸、悪阻など。
    治則:補腎系胞、固腎益精
    常用方:安胎飲など。
    常用薬:熟地黄、山芋、鹿角膠、杜仲、
        女貞子、菟絲子

2.補脾養胎法
  脾は後天の本、気血生化の源、胎胞を滋養する。
  脾虚による妊娠中の病症:堕胎、流産、胎児成長
  不良、子満、子腫等。
    治則:補益脾気。
    常用方:四君子湯、六君子湯等
    常用薬:党参、焦白朮、茯苓、山薬,
炒白扁豆,黄耆等。

3.清熱安胎法
   妊娠中血が胎胞に集まり、全身の気血が不足に
なり、火熱が生じる、したがって火熱による胎
動不安。
常見病症:胎動腹痛、胎漏、胎動出血、流産、
妊娠口干等。
   治則:清熱安胎
   常用方剤:知柏地黄丸、知柏四物湯等
   常用薬:生地黄、知母、黄芩、天冬、当帰、
元参等。

4.補気血法
血虚で胎児が養われず。養血法は安胎八法の中
とても重要である。妊娠血虚による
病症:妊娠腹痛、胎漏、胎動不安、流産、
妊娠悪阻、胎児発育不良等。
治則:補気養血
常用方薬:当帰、熟地黄、生地黄、竜眼肉、
黄精、枸杞子等。

5.疏肝養胎法

妊娠中気血が胎胞に集まり、全身血虚と火熱が
過剰になり、また気分変化とともに肝気うっ結
になりやすい。妊娠中肝うっ結による
病症:悪阻、先兆流産、子癇等
治則:疏肝理気。
常用方剤:紫蘇和気飲、一貫煎、二至丸、
三甲復脈湯等。 常用薬:当帰、炒白芍、天麻、香附子、亀板、
菊花、天冬等。

6.和胃順胎法
 
胃は水穀を腐熟する。胎児は胃気を得て発育す
る。しかし妊娠中虚火旺盛が多く、したがって
上炎した火熱が胃気を上逆させ不調になる。
病症:妊娠悪阻、胎動不安、妊娠水腫等。

常用方剤:橘皮竹茹湯、香砂六君子湯、
紫蘇和気飲等。 常用薬:陳皮、砂仁、枳殻、紫蘇、香附子、
焦白朮、生姜等。

7.滋陰潤胎法
 
妊娠初期陰血が胎児を養い、不足になりがちで
す。陰血不足と陽気旺盛で、血熱内生になる。
真陰不足による病症:胎萎不長、胎動不安、堕
胎、流産、妊娠眩暈等。
  
常用方剤:知柏地黄丸、大補陰丸、
六味地黄丸、河車大造丸等。
 
常用薬:生地黄、元参、亀板膠、麦門冬、
女貞子、枸杞子等。

8.止血安胎法
 
妊娠、堕胎、流産、胎漏の中、腹痛や出血が
あった場合は急症また切迫流産と呼ばれて
    安胎止血が一番重要となる。
常用処方:安胎飲、膠艾四物湯、固胎湯、
安胎止血湯。

常用薬:当帰、炒白芍、生地炭、阿膠、
川断、黒杜仲,焦白朮、生黄耆、
山萸肉、黄芩など。

結論:妊娠病の別名は胎前病と呼ばれ、治病と安胎同時に行うのは原則です。また妊娠中の投薬は慎むべき、胎児の成長を阻害する薬の使用は禁ずる。

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